高EE家族、納得! | しなやか自律神経へ コロナ後遺症・感染症後ME/CFS

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2021年6月、当時高1息子が感染症後CFS発症→現在リカバリー中。
第28回精神保健福祉士国家試験受験のため通信制で学習中。

精神保健福祉の勉強の準備として、一番読みやすそうで興味を惹かれたのが、中井久夫氏の書籍シリーズなんですが、面白くてたまりません。

 

ネットでも日々、精神保健関連のサイトを巡っています。

そこで、改めて参考になったのが「高EE家族」についての説明です。

 

「高EE家族とは、感情表出(Expressed Emotion)が強い家族のことを指します。高EE家族は、批判性・敵意・情緒的巻き込まれすぎの傾向が強い家族のことを指し、統合失調症の再発のリスクが高いことが実証されています。」(AIより)

 

統合失調症の再発防止の方面からこの結果が分かってきたようですが、現在ではあらゆる精神疾患、慢性疾患についても取り入れられている概念のようです。

 

こちらのサイトに、このように書かれています。

是非、サイトをそのままお読みください。

 

1960年代の英国では、退院した患者さんは家族のもとで暮らした方が再発しにくいはずだと考えられていました。ところが、実際に調べてみると家族と一緒に暮らすよりも家族と離れて暮らす方が再発率が低いことがわかりました。その後の研究からどうやら家族が本人に接する際の感情表現の仕方が影響を与えているのではないかと考えられるようになりました。家族は本人の理解者として大きな存在ですが、身近にいるだけに接し方によっては本人にとってストレスとなり、かえって再発を引き起こしやすくなるというものです。対人関係における「程よい距離感」が家族間でも、大事なのです。

この考え方は、CFSや重度ODの子どもたちへの、親の関わりについて非常に大事なことを説明してくれていると思います。

感情表出には3つのタイプ(こちらを参照)があるとされています。
 
①批判的な感情表出
「何もしないで寝てばかりじゃない」「いつまでダラダラした生活しているの!」など、批判的な発言や態度を示すこと。

②敵意のある感情表出
「あなたがため息つくととこっちも疲れるわ」「あなたの病気のせいで私の人生が台無しよ!」などと敵視して攻撃するような感情や態度を示すこと。「無視する」ことも含まれる。

③患者さんの言動に左右され(巻き込まれ)すぎ
「私がいないと何も出来ないから、私が守ってあげないと…」と、過保護、過干渉な態度を示すこと。過剰に心配して不安な表情を見せたり泣き崩れたりすること。「こうなったのは私のせいだ」と自分を責めて抑鬱的になること。
 
これを読むと、私は①や②はしないよう心掛けてきて、実際やってないと思うんですが、③はやっちゃってました。
息子の将来を思うと可哀想で不安に思い、本人の前では泣きませんでしたが、不安な表情を見せていたようで、息子に何度か「そんな顔しないでよ〜」と言われましたね・・・。
「こんなに親に心配かけて申し訳ない」と思っていたんじゃないかなぁ・・・たまに、私に対して「ごめんね」って言うこともあったなぁ・・・。
 
今の私は息子の病状が改善したことで相当に冷静になれましたし、心の深い部分から生き方チェンジが起こったため、とても良い状態になっています。
 
でも患者本人の病状がヘビーの時は、家族もまたヘビーで、それって本当にどうしようもなくそうなっちゃうのよね・・・だから家族への支援も欠かせないと痛感します。
 
よく、ODっ子のお母さんこそ「1人で勝手に元気になっちゃった方がいい」「好きなことやって笑顔でいたほうがいい」とかって言われるんですが、それは確かにその通りで、患者が回復するための必須アイテムであろうと思います。
 
でもね・・・それらの重要性をブログ等で見聞きしていましたが、私はそれをどこか精神論というか理想論のように感じていました。人によっては現実逃避にすり替わっているケースもあると感じたこともあります。
息子の場合は特に激烈な症状のCFSで、ゲームや漫画すら辛そうで身の置きどころなく苦しんでましたから・・・「こんなに苦しんでる子を前に1人で笑顔になれないよ」「うち普通のODじゃないわ。放っておいて良くなる病状ではないから治療を模索しないと(必死!)」というモードでした。
結局は効果的な治療にたどり着いたので、このモードも良い一面もあったのですが。
 
けれど高EEという概念を知って「これは意識して取り組むと良い治療手段だな」と理解でき、スッキリしました。
じゃあ、こんなふうに激烈な症状の患者を前に家族としてどうやって低EEにすればいいのか?
 
こちらの記事に、家族も医療チームの一員として、医療従事者と共にケアにあたってもらう方向への取り組みが紹介されています。
こういうの、ちゃんと医療従事者からODっ子の家族へ情報提供されればいいんだよな。
私自身が進む方向の課題の一つだわ!
 
この1ヶ月、中井久夫医師の『統合失調症は癒える』『世に棲む患者』を読むうちに、①家族もまた「希望」を強く持ち続けることの重要さ、②完治ではなくリカバリーを歩む視点を得ること・・・元に戻す・復帰させるという目標ではなく、違う活路を見出す視点を得ることが、非常に重要な要素だということが腹落ちしました。
 
その時から、私は低EEになっていったなぁ・・・と感じます。
自分自身の偏った人生観を修正していくことで、低EEに向かったと思います。
 
「目的に向かって進もうとしない」「過去と未来に思いを彷徨わせず、今ここに集中する」「眠ることが真に重要だと知る」「想像以上に休息が大事だと知る」「現代日本社会で良しとされる生き方ではない別の生き方があると知る」ということが、私が低EEになる大事なポイントでした。