源氏物語イラスト訳【紅葉賀170】我ひとり | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【紅葉賀170】我ひとり

我ひとりしも聞き負ふまじけれど、「うとましや、何ごとをかくまでは」と、おぼゆ。

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は、光源氏との不義密通の御子を出産しました。源氏は宮中の女官に手を出すこともなかったのですが、年増の源典侍(げんのないしのすけ)には少し興味を持って、ちょっかいを出しています。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

我ひとりしも聞き負ふまじけれ

訳)自分一人聞いて自分のことと思うはずはないけれど

 

 

うとまし

訳)嫌になるなぁ

 

 

何ごとかくまでは」おぼゆ

訳)何事このようにまで嘆くのだろう」思われる

 

 

【古文】

我ひとりしも聞き負ふまじけれ、「うとまし何ごとかくまでは」おぼゆ

 

【訳】

自分一人聞いて自分のことと思うはずはないけれど、「嫌になるなぁ何事このようにまで嘆くのだろう」思われる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【我ひとり】…自分一人

■【し】…強意の副助詞

■【も】…強意の係助詞

■【聞き負ふ】…聞いて自分のことと思う。自分のことと思って聞く

■【まじけれ】…打消当然(推量)の助動詞「まじ」已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

■【うとまし】…いやな感じだ。避けたい

■【や】…詠嘆の間投助詞

■【何ごと】…何事

■【を】…対象の格助詞

■【かく】…このように

■【まで】…限度の副助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【と】…引用の格助詞

■【おぼゆ】…思われるヤ行下二段動詞

■【を】…対象の格助詞

 

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物語や小説を読むと、

いろんなことの「追体験」ができます。

 

いやいや、ドラマや漫画でも、できるっしょ!

 

…という声が聞こえてきそうですが…^^;

 

 

しかし、映像で見ると、その俳優さんとか、アニメキャラの好き嫌いが、色濃く反映してしまいます。

 

 

わたしは韓流ドラマが好きで、よく見ています。

 

ものすごく入れ込んで、入れる作品もある一方、

あまりにもふがいない展開に、なんかイライラして、途中で見るのをやめてしまったりした作品もあります。

 

もちろん、本を読む場合にも、けっこうイライラしたり、気持ちが入り込めないことも、多々ありますよ。

 

でも、そんな時でも、そこを我慢して、淡々と読み進めていけば、

自然と主人公に共感をいだいて、感情移入してしまっている自分を発見します。

 

 

今回の源典侍、イラスト訳で、あらぬ方向にイメージ付けてしまった人、ゴメンナサイ;;

 

 

ですが、原文をメインに、ちょっと展開を追っていきましょう。

 

「どうせ私なんか…」と、自分を卑下して、

相手に、「そんなことないよー」と、言ってほしい人って、よくいますよね。

 

この源典侍も、「私のちっぽけな東屋なんか、誰も訪れてくれる殿方はいないわ」と、あえて光源氏に詠いかけて、気を引こうとしています。

 

 

ちなみに、わたしくらいの年齢になると、

「あらあら、そんなことしたら、逆効果でしょ」

とか、経験値でわかることも出てくるんですが、

 

まだ恋愛未経験の若い人に、ぜひこういう部分のやりとりを読んでほしい。

 

「どうせ、私なんて…」

 

そういう言葉を口グセにして、同情の気を引こうとしてしまう人は、いませんかぁ?

 

 

 

 

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

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