源氏物語イラスト訳【紅葉賀95】人目立つ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【紅葉賀95】人目立つ

人目立つまじく、なだらかにもてなしたまふものから、心づきなしと思す時もあるべきを、いとわびしく思ひのほかなる心地すべし。

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は離宮に下がり、光源氏との不義密通の御子を出産し、良心の呵責に苛まれていました

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

人目立つまじくなだらかにもてなしたまふものから

訳)人目立たないように穏やかに処遇しなさるものの

 

 

心づきなし思すあるべき

訳)気にくわないお思いになるあるはずなの

 

 

いとわびしく思ひのほかなる心地べし

訳)とてもやりきれなく思いがけない心地がしているに違いない

 

【古文】

人目立つまじくなだらかにもてなしたまふものから心づきなし思すあるべきいとわびしく思ひのほかなる心地べし

 

【訳】

人目立たないように穏やかに処遇しなさるものの気にくわないお思いになるあるはずなのとてもやりきれなく思いがけない心地がしているに違いない

 

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■【人目(ひとめ)】…他人の見る目。世間の目。はた目

■【立つ】…タ行四段動詞「立つ」終止形

■「まじく】…打消意志「まじ」連用形

■【なだらかに】…ナリ活用形容動詞「なだらかなり」連用形

■【もてなす】…ふるまう。処遇する

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒藤壺宮)

■【帰り】…ラ行四段動詞「かへる」連用形

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ものから】…逆接の接続助詞

■【心づきなし】…気にくわない

■【と】…引用の格助詞

■【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬語(作者⇒藤壺宮)

■【も】…強意の係助詞

■【ある】…ラ変動詞「あり」連体形

■【べき】…当然(推量)の助動詞「べし」連体形

■【を】…対象の格助詞

■【いと】…とても

■【わびしく】…ク活用形容詞「わびし」連用形

※【わびし】…つらい。やりきれない

■【思ひのほかなり】…思いがけない

■【心地】…心持ち。気持ち

■【す】…サ変動詞「す」終止形

■【べし】…推量の助動詞「べし」終止形

 

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【大学入試予想:マーク問題】

 

人目立つまじく、なだらかにもてなしたまふものから、心づきなしと思す時もあるべきを、いとわびしく思ひのほかなる心地すべし。

 

】 傍線部の説明として最も適当なものを選べ。

 

.王命婦は、こんなにも尽くしている藤壺宮から思いがけずも疎んじられたことを、つらくやりきれないと思っている。

 

.光源氏は、まったく逢おうとせずに薄情な態度をとる藤壺宮に対し、募る思いを他の女人に移そうと思っている。

 

3.光源氏は、藤壺宮との逢瀬が完遂しないことに対して、手引きを怠っている王命婦にその罪をなすりつけている。

 

.王命婦は、光源氏の歌に返歌したにもかかわらず、それを無視して帰ろうとする源氏の態度に、はからずも怒っている。

 

.藤壺宮は、源氏に肩入れをして、なんとか手引きしようとする王命婦に対し、思った以上に煩わしいと感じている。

 

 

「思ひの外なり」という形容動詞は、

「思いがけない」「予想外だ」などと訳します。

 

 

まず、敬語がない文脈なので、

主語王命婦にしぼれることから、選択肢を見極めてみましょう!

 

 

 

 

※【答え】は最後にあります。ぜひやってみてね!

ウインクウインクウインク

 

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答え…【1】