源氏物語イラスト訳【末摘花137】見る価値無し
見るかひなううち置きたまふ。
いかに思ふらむと思ひやるも、安からず。
【これまでのあらすじ】
故常陸宮の姫君(末摘花)との初夜を終えた光源氏。翌日は通う気持ちが向かず、それでも手紙を送りますが、とても古風で不器用な返歌が届きます。
源氏物語イラスト訳
見るかひなううち置きたまふ。
訳)見る価値もないと、読まずに置いていらっしゃる。
いかに思ふらむと思ひやるも、
訳)どのように思っているだろうか、と想像することも、
安からず。
訳)たやすくできない。
【古文】
見るかひなううち置きたまふ。
いかに思ふらむと思ひやるも、安からず。
【訳】
見る価値もないと、読まずに置いていらっしゃる。
どのように思っているだろうか、と想像することも、たやすくできない。
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■【見る】…マ行上一段動詞「見る」連体形
■【かひなう】…ク活用形容詞「かひなし」連用形ウ音便
※【甲斐なし】…価値がない。どうしようもない
■【うち―】…接頭語
■【置き】…カ行四段動詞「置く」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【いかに】…どのように
■【思ふ】…ハ行四段動詞「おもふ」終止形
■【らむ】…現在推量の助動詞「らむ」連体形
■【と】…引用の格助詞
■【思ひやる】…想像する
■【も】…強意の係助詞
■【安から】…ク活用形容詞「やすし」未然形
※【安(やす)し】…たやすい。容易だ
■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形
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