源氏物語イラスト訳【末摘花137】見る価値無し | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花137】見る価値無し

見るかひなううち置きたまふ。

いかに思ふらむと思ひやるも、安からず。

 

【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君(末摘花)との初夜を終えた光源氏。翌日は通う気持ちが向かず、それでも手紙を送りますが、とても古風で不器用な返歌が届きます。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

見るかひなううち置きたまふ

訳)見る価値もないと読まずに置いいらっしゃる

 

 

いかに思ふらむ思ひやる

訳)どのように思っているだろうか、想像すること

 

 

安から

訳)たやすくできない

 

 

【古文】

見るかひなううち置きたまふ

いかに思ふらむ思ひやる安から

 

【訳】

見る価値もないと読まずに置いいらっしゃる

どのように思っているだろうか、想像することたやすくできない

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【見る】…マ行上一段動詞「見る」連体形

■【かひなう】…ク活用形容詞「かひなし」連用形ウ音便

※【甲斐なし】…価値がない。どうしようもない

■【うち―】…接頭語

■【置き】…カ行四段動詞「置く」連用形

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【いかに】…どのように

■【思ふ】…ハ行四段動詞「おもふ」終止形

■【らむ】…現在推量の助動詞「らむ」連体形

■【と】…引用の格助詞

■【思ひやる】…想像する

■【も】…強意の係助詞

■【安から】…ク活用形容詞「やすし」未然形

※【安(やす)し】…たやすい。容易だ

■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【本日の源氏物語】

 

末摘花の古風で不器用な返歌が届きました。

 

まったく当世風でない、天地のととのった古風な書きぶりで、光源氏は幻滅し、見る価値無し! とうっちゃっておきます。

 

ゲローゲローゲロー

 

「安からず」は、そのつながりで、「あちらを思いやることもしにくい」と捉える方がよいですね。

 

えー

 

ちなみに、「らむ」は、現在推量の助動詞です。

 

 

目の前にない事実を想像する場合には、現在推量となります。目の前にある事実の原因を推量する「現在の原因推量」と区別して理解しましょう。

 

ウインクウインクウインク

 

 

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