源氏イラスト訳【末摘花20】梅香 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【末摘花20】梅香

うちとけたる住み処に据ゑたてまつりて、うしろめたうかたじけなしと思へど、寝殿に参りたれば、まだ格子もさながら、梅の香をかしきを見出だしてものしたまふ。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

 

うちとけたる住み処据ゑたてまつりて、

訳)くつろい命婦の部屋お待ちいただいて、

 

 

うしろめたうかたじけなし思へ

訳)気がかりでもったいない思うけれど

 

 

寝殿参りたれまだ格子さながら

訳)寝殿参っところまだ格子下ろさぬままで、

 

 

梅の香をかしき見出だしものしたまふ

訳)梅の香り素晴らしいのを眺めいらっしゃる

 

 

【古文】

うちとけたる住み処据ゑたてまつりて、うしろめたうかたじけなし思へ寝殿参りたれまだ格子さながら梅の香をかしき見出だしものしたまふ

 

【訳】

くつろい命婦の部屋お待ちいただいて、気がかりでもったいない思うけれど寝殿参っところまだ格子下ろさぬままで、梅の香り素晴らしいのを眺めいらっしゃる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【うちとけ】…カ行下二段動詞「うちとく」連用形

※【うちとく】…気を許す。くつろぐ

■【たる】…完了(存続)の助動詞「たり」連体形

■【住み処(すみか)】…居所。ここでは大輔命婦の部屋

■【に】…場所の格助詞

■【据ゑ】…ワ行下二段動詞「据う」連用形

※【据う】…とどめておく

■【たてまつり】…ラ行四段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる】…謙譲の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【うしろめたう】…ク活用形容詞「うしろめたし」連用形ウ音便

※【うしろめたし】…気がかりだ

■【かたじけなし】…もったいない

■【と】…引用の格助詞

■【思へ】…ハ行四段動詞「思ふ」已然形

【ど】…逆接の接続助詞

■【寝殿】…常陸宮邸の中央部分

■【に】…場所の格助詞

■【参り】…ラ行四段動詞「参る」の連用形

※【参(まゐ)る】…「行く」の謙譲語(作者⇒末摘花)

■【たれ】…完了の助動詞「たり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【格子(かうし)】…格子戸

■【も】…強意の係助詞

■【さながら】…そのまま

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【をかしき】…シク活用形容詞「をかし」連体形

※【をかし】…趣深い。すばらしい

■【を】…対象の格助詞

■【見出す】…外を眺める

■【て】…単純接続の接続助詞

■【ものしたまふ】…いらっしゃる

※【ものす】…代動詞。ここでは「をり」の意

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒末摘花)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「うちとけたる住み処」というのは、

大輔命婦がふだん住まいをしている離れ部屋をさします。

 

いったんそこに、光源氏をおとどめ申し上げて、

琴の音色を聞かせようということなのでしょう。

 

しかし、光源氏はじっとそこにとどまっているような男ではありません。

 

案の定、寝殿の方へ、足を向けたみたいですね。

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

 


 

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