源氏イラスト訳【若紫294】異常 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫294】異常

「…人びと、近うさぶらはれよかし」

とて、いと馴れ顔に御帳のうちに入りたまへば、あやしう思ひのほかにもと、あきれて、誰も誰もゐたり。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

「…人びと近うさぶらはれよかし

訳)「…女房たち近くでお仕えしなさい

 

 

いと馴れ顔うち入りたまへ

訳)言っとても物馴れた態度若紫との間の仕切りカーテン内側入りなさるので

 

 

あやしう思ひのほかにあきれ

訳)極めてけしからぬ思いがけないことだ驚きあきれ

 

 

たり

訳)皆が皆、呆然と座っている

 

 

【古文】

「…人びと近うさぶらはれよかし

いと馴れ顔うち入りたまへあやしう思ひのほかにあきれ誰も誰もたり

 

【訳】

「…女房たち近くでお仕えしなさい

言っとても物馴れた態度若紫との間の仕切りカーテン内側入りなさるので極めてけしからぬ思いがけないことだ驚きあきれ皆が皆、呆然と座っている

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【人びと】…女房たち

■【近う】…ク活用形容詞「近し」連用形ウ音便

■【さぶらは】…ハ行四段動詞「さぶらふ」未然形

※【さぶらふ】…「仕ふ」の謙譲語(光源氏⇒若紫)

■【れよ】…尊敬の助動詞「る」命令形

■【かし】…念押しの終助詞

■【と】…引用の格助詞

■【て】…単純接続の接続助詞

■【いと】…とても

■【馴れ顔(なれがほ)】…もの慣れた態度

■【に】…状態の格助詞

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒若紫)

■【帳(とばり)】…仕切りの布

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【うち】…中。内側

■【に】…場所の格助詞

■【入り】…ラ行四段動詞「入る」の連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件(原因・理由)の接続助詞

■【あやしう】…シク活用形容詞「あやし」連用形ウ音便

※【あやし】…きわめてけしからぬ。異常だ

■【思ひのほかに】…ナリ活用形容動詞「思ひの外なり」連用形

※【思ひのほかなり】…思いがけない。意外だ

■【も】…強意の係助詞

■【と】…引用の格助詞

■【あきれ】…ラ行下二段動詞「あきる」連用形

※【あきる】…驚きあきれる。途方に暮れる

■【て】…単純接続の接続助詞

■【誰も誰も(たれもたれも)】…女房達は皆

■【ゐ】…ワ行上一段動詞「ゐる」連用形

※【ゐる】…座っている

■【たり】…完了(存続)の助動詞「たり」終止形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏は、もの慣れたようすで、

ずいっと「帳(とばり)」の内側に入ってきます。

滝汗滝汗滝汗

 

「帳」は、女性と男性を隔てる、仕切りカーテンのようなもののこと。

 

その内側に、女性の了承もとらずに入ってくるなんて、

普通では考えられない、異常なことなんです。

 

なので、女房たちは「あやし」「思ひのほか」と

思ったわけですね。

ガーンガーンガーン

 


 

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