源氏イラスト訳【若紫276】立 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫276】立

「…なほ、人伝てならで、聞こえ知らせばや。

あしわかの浦にみるめはかたくともこは立ちながらかへる波かは

めざましからむ」とのたまへば、

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

なほ人伝てなら聞こえ知らばや

訳)「…やはり人を介してではなくて、直接お知ら 申し上げたい

 

 

あしわかの浦みるめかたくとも

訳)の生えた若の浦(=和歌詠めないほどの若紫)海松布(みるめ)ではないがお逢いする難しいとしても

 

 

立ちながらかへるかは

訳)私は立ったまま、打ちつける波のように帰れようか、いやこのまま帰れません

 

 

めざましからのたまへ

訳)目に余ることだろうおっしゃる

 

【古文】

なほ人伝てなら聞こえ知らばや

 あしわかの浦みるめかたくとも立ちながらかへるかは

めざましからのたまへ

 

【訳】

「…やはり人を介してではなくて、直接お知ら 申し上げたい

 の生えた若の浦(=和歌詠めないほどの若紫)海松布(みるめ)ではないがお逢いする難しいとしても
 私は立ったまま、打ちつける波のように帰れようか、いやこのまま帰れません
 目に余ることだろうおっしゃる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【なほ】…やはり

■【人伝(ひとづ)て】…人を介して

■【なら】…断定の助動詞「なり」未然形

■【で】…打消接続の接続助詞

■【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(光源氏⇒若紫)

※【言ひ知る】…適当な言い方を知っている

■【せ】…使役の助動詞「す」未然形

■【ばや】…希望の終助詞

■【あし】…「葦」と「悪し」を掛けている

■【わかの浦】…「わかの浦」(地名)を若紫に見立てている

■【に】…場所の格助詞

■【みるめ】…海藻の「海松布みるめ」と「見る目」を掛けている

■【は】…取り立ての係助詞

■【かたく】…ク活用形容詞「かたし」連用形

※【かたし(難し)】…むずかしい

■【とも】…~としても逆接仮定条件の接続助詞

■【こ】…これ。私をさす

■【は】…取り立ての係助詞

■【立ち】…タ行四段動詞「立つ」連用形

■【ながら】…継続(逆接)の接続助詞

■【かへる】…帰る。波が立ち帰ると自分が帰るのを掛けている

■【かは】…反語の係助詞

■【めざましから】…シク活用形容詞「めざまし」未然形

※【めざまし】…目に余る

■【む】…推量の助動詞「む」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【のたまへ】…ハ行四段「のたまふ」已然形

※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏が、このまま帰らされるであろうことを憤り

思いにまかせてぶちまけた和歌です。

 

「立ちながらかへる」の部分――

あんぐり

 

これ、あまりにも、

あからさますぎません?

笑い泣き笑い泣き笑い泣き


 

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