源氏物語イラスト訳【若紫198】いとど | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【若紫198】いとど

「…いとどうしろめたう」

とあり。僧都の御返りも同じさまなれば、口惜しくて、二、三日ありて、惟光をぞたてまつれたまふ。

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【源氏物語イラスト訳】

大学入試頻出の『源氏物語』も、

現代語訳とイラストとの組み合わせで読むことで、

ビジュアル的にイメージしながら速習できます。

 

いとどうしろめたうあり

訳)「…ますます気がかりでございまして」書いてある

 

 

僧都返り同じさまなれ

訳)僧都返事同じようであるので

 

 

口惜しく

訳)残念に思っ

 

 

二、三日あり惟光たてまつれたまふ

訳)二、三日たっ惟光参上させなさる

 

 

【古文】

いとどうしろめたう

あり僧都返り同じさまなれ口惜しく、二、三日あり惟光たてまつれたまふ

 

【訳】

「…ますます気がかりでございまして」

書いてある僧都返事同じようであるので残念に思っ、二、三日たっ惟光参上させなさる

 

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■【いとど】…ますます。いっそう

■【うしろめたう】…ク活用形容詞「後ろめたし」連用形ウ音便

※【後ろめたし】…気がかりだ。心配だ

■【と】…引用の格助詞

■【あり】…ラ変動詞「あり」終止形

■【僧都(そうづ)】…若紫の曾祖父(尼君の兄)の高僧

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒僧都)

■【返り】…返事の手紙

■【も】…添加の係助詞

■【同じ】…シク活用形容詞「同じ」連体形(「同じき」の変化)

■【さま(様)】…ようす

■【なれ】…断定の助動詞「なり」の已然形

■【已然形+ば】…順接確定条件(原因)の接続助詞

■【口惜しく】…シク活用形容詞「口惜し」連用形

※【口惜し(くちをし)】…残念だ

■【て】…単純接続の接続助詞

■【あり】…ラ変動詞「あり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【惟光(これみつ)】…光源氏の従者(乳母子)

■【を】…対象の格助詞

■【ぞ】…強意の係助詞

■【たてまつれ】…ラ行下二段動詞「奉る」連用形

※【奉(たてまつ)る】…「遣る」の謙譲(作者⇒尼君ら)

■【たまふ】…ハ行四段動詞「たまふ」連体形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆


光源氏の熱望とは違い、

尼君(若紫の祖母)も、僧都(若紫の曾祖父)も、

返事はそっけないものだったようですね。

 

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