源氏物語イラスト訳【若紫184】まれまれは
「まれまれは、あさましの御ことや。訪はぬ、など言ふ際は、異にこそはべるなれ。心憂くも、のたまひなすかな。…」
ーーーーーーーーーーーーーーー
【源氏物語イラスト訳】
源氏物語イラスト訳では
一語一語の逐語訳(現代語訳)と
まんが(イラスト)との組み合わせで
難解な古文もビジュアル的にイメージできます。
「まれまれは、あさましの御ことや。
訳)「たまにおっしゃるのは、驚き呆れるようなお言葉だなぁ。
訪はぬ、など言ふ際は、異にこそはべるなれ。
訳)『訪ねない』、などという分際は、(夫婦の仲とは)異なるものでございます。
心憂くも、のたまひなすかな。
訳)情けなくもことさらにおっしゃるなぁ。
【古文】
「まれまれは、あさましの御ことや。訪はぬ、など言ふ際は、異にこそはべるなれ。心憂くも、のたまひなすかな。…」
【訳】
「たまにおっしゃるのは、驚き呆れるようなお言葉だなぁ。『訪ねない』、などという分際は、(夫婦の仲とは)異なるものでございます。情けなくもことさらにおっしゃるなぁ。…」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■【まれまれ】…ごくまれに。ときたま
■【は】…取り立ての係助詞
■【あさましの】…驚きあきれるような(形容詞語幹用法)
※【あさまし】…驚きあきれる(シク活用形容詞)
※【の】…連体修飾格の格助詞
■【御―】…尊敬の接頭語(光源氏⇒葵上)
■【こと】…言葉
■【や】…詠嘆の終助詞
■【訪(と)は】…ハ行四段動詞「訪ふ」未然形
■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形
■【など】…引用の副助詞
■【言ふ】…ハ行四段動詞「言ふ」連体形
■【際(きは)】…分際。間柄
■【は】…区別の係助詞
■【異に】…ナリ活用形容動詞「異なり」連用形
※【異(こと)なり】…違っている
■【こそ】…強意の係助詞
■【はべる】…ラ変動詞「はべり」連体形
※【はべり】…丁寧の補助動詞(光源氏⇒葵上)
■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形
■【心憂く】…ク活用形容詞「心憂し」連用形
※【心憂し】…つらい。情けない
■【も】…強意の係助詞
■【のたまひなす】…ことさらにおっしゃる
※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(光源氏⇒葵上)
※【言ひなす】…ことさらに言う
■【かな】…詠嘆の終助詞
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
源氏物語では、会話文の中に多くの「引き歌」が出てきます。
この引き歌は、受験に問われることも多く、
なかなか理解するのに難しいところでもあります。
源氏物語イラスト訳では、引き歌も含めたイラスト解説を心がけていますので、ゆっくり読んで、チェックしてみてくださいね♪