源氏物語イラスト訳【若紫161】頭中将、
頭中将、左中弁、さらぬ君達も慕ひきこえて、
「かうやうの御供は、仕うまつりはべらむ、と思ひたまふるを、あさましく、おくらせたまへること」と恨みきこえて、
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【源氏物語イラスト訳】
頭中将、左中弁、さらぬ君達も慕ひきこえて、
訳)頭中将、左中弁、それ以外のご子息もお慕い申し上げて、
「かうやうの御供は、仕うまつりはべらむ、と思ひたまふるを、
訳)「このようなお供には、お仕え申し上げましょう、と思っておりますのに、
あさましく、おくらせたまへること」と恨みきこえて、
訳)情けないことに、置き去りなさったこと」とお怨み申し上げて、
【古文】
頭中将、左中弁、さらぬ君達も慕ひきこえて、
「かうやうの御供は、仕うまつりはべらむ、と思ひたまふるを、あさましく、おくらせたまへること」と恨みきこえて、
【訳】
頭中将、左中弁、それ以外のご子息もお慕い申し上げて、
「このようなお供には、お仕え申し上げましょう、と思っておりますのに、情けないことに、置き去りなさったこと」とお怨み申し上げて、
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■【頭中将(とうのちゅうじょう)】…左大臣の子息の一人
■【左中弁(さちゅうべん)】…左大臣の子息の一人
■【さらぬ(然らぬ)】…それ以外の
■【君達(きんだち)】…貴公子
■【も】…同趣の係助詞
■【慕(した)ふ】…(心惹かれて)あとを追う。ついて行く
■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形
※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【かうやう】…ナリ活用形容動詞「かうやうなり」の語幹
※【かうやうなり】…このようだ
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【御供】…お供
■【は】…取り立ての係助詞
■【仕うまつり】…ラ行四段動詞「仕うまつる」の連用形
※【仕うまつる】…「仕ふ」の謙譲(君達⇒光源氏)
■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形
※【はべり】…丁寧の補助動詞(君達⇒光源氏)
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形
■【たまふる】…ハ行下二段動詞「たまふ」連体形
※【たまふ】…謙譲の補助動詞(君達⇒光源氏)
■【を】…逆接の接続助詞
■【あさましく】…シク活用形容動詞「あさまし」連用形
※【あさまし】…驚きあきれる。情けない
■【おくれ】…ラ行下二段動詞「おくる」連用形
※【おく(後)る】…あとに残す。置き去りにする
■【せ】…尊敬の助動詞「す」連用形
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(君達⇒光源氏)
■【る】…完了の助動詞「り」連体形
■【と】…引用の格助詞
■【恨み】…マ行上二段動詞「恨む】連用形
■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形
※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
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主語がないので、誰の会話文かわかりませんが
おそらく左大臣邸の子息の一人でしょうね。
今回出て来た頭中将は、
左大臣の長男で、光源氏の義兄です。
左中弁も、左大臣の息子だそうです。
ここでは、頭中将の話したことにしておきますね♪