【帚木449-2】古文常識☆「渡殿」「局」
源氏物語イラスト訳のあいです
では今日も行ってみましょう♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「2.帚木(ははきぎ)」の巻です。頭中将たちとの雨夜の品定め(=女性談義)の翌日、正妻葵の上の住む左大臣邸から、方違えのため紀伊守邸に泊まった光源氏。そこで出逢った伊予介の若妻(空蝉)と強引に契りを結んでしまいます。空蝉のことを忘れられない光源氏は、弟の小君を手なずけ、使い走りをさせますが、何度手紙を送っても、空蝉は心を許しません。とうとう光源氏は、方違えの日を口実に、再度紀伊守邸に泊まり、空蝉との逢瀬を画策しています。
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今回の源氏物語
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小君が出でて往ぬるほどに、
「いとけ近ければ、かたはらいたし。なやましければ、忍びてうち叩かせなどせむに、ほど離れてを」
とて、渡殿に、中将といひしが局したる隠れに、移ろひぬ。
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古文常識☆「渡殿」「局」☆
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(名詞)
…二つの建物をつなぐ、屋根のある板敷きの渡り廊下
*「学研全訳古語辞典」より
寝殿造りの母屋と対屋をつなぐ渡り廊下です。
ただ、平安時代の渡殿は、
本文にもあるように、
部屋(局)を設けていたものも多かったようです。
ヽ(゚◇゚ )ノ
(名詞)
①部屋。大きな建物の中で、仕切りをした部屋のこと
②宮中で「局(部屋)をもつ女官
*「学研全訳古語辞典」より
①の部屋は、
多くは、几帳(きちよう)や屛風(びようぶ)などで
一時的に簡便に仕切ったものをいいますが、
板や壁で固定的に仕切ったものもあるようです。
と、本文に書かれています。
「中将」というのは、
空蝉のお付きの女房でしたね。
渡殿には、
女房(女官)などの部屋を設けてあることが多く、
渡殿に設けてあった、中将の局に、
空蝉はこっそりと隠れた
という意味でしょう。
((((((ノ゚⊿゚)ノ
古文常識が理解できると、
イメージも湧きやすいですね♪
第2帖「帚木」の巻
雨夜の品定め 光源氏と頭中将
雨夜の品定め 左馬頭の女性論
左馬頭の女性体験談
頭中将・式部丞の女性体験談
光源氏17歳 空蝉との出逢い
光源氏17歳 空蝉との逢瀬
光源氏17歳 空蝉への恋慕
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