【帚木421-2】「ゐ」の見分け☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木421-2】「ゐ」の見分け☆

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ


いやぁ、4月からは、気持ち改め、

現役高3の古文苦手な人対象みたいな記事内容になってしまってますね^^;

 

浪人生の皆さんや古文得意な人には

自明の内容かもしれませんが、

忘れてることもあるかと思いますので、

少しの間、お付き合いくださいませ☆

 

では今日もいってみましょ~~!
 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただいま「2.帚木(ははきぎ)」の巻です。頭中将たちとの雨夜の品定め(=女性談義)の翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏でしたが、夕方には、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。そこには、紀伊守の継母である空蝉がちょうど泊まっており、光源氏は彼女と一夜を共にします。朝になり、光源氏は後ろ髪引かれる思いで、二条院へ帰って行きました。


 

――――――――
今回の源氏物語

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さて、五六日ありて、この子率て参れり。こまやかにをかしとはなけれど、なまめきたるさまして、あて人と見えたり。


帚木421のイラスト訳はこちら


 

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私大マーク古文 問題例

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さて、五六日ありて、この子て参れり。こまやかにをかしとはなけれど、なまめきたるさまして、あて人と見えたり。

問題)傍線部の説明として正しいものを、次の中から1つ選べ。

1.ワ行上一段活用の自動詞で、「居座る」という意味である。

2.ヤ行上二段活用の自動詞で、「とどまる」という意味である。

3.ワ行上二段活用の補助動詞で「ずっと~している」という意味である。

4.ワ行上一段活用の他動詞で、「連れる」という意味である。

5.ヤ行上一段活用の他動詞で、「携える」という意味である。
 



産近甲龍レベルの推薦入試などで、

こういう問題も出題されていますね。

ヘ(゚∀゚*)ノ




 

今回の出題意図は、

 

● 活用の行・種類の見分け

● 文脈からの「居る」「率る」の識別

   アップ

この2つを聞いています。

 

がんばって解いてみてね♪

(*゜▽゜ノノ゛☆



 

☆答えは一番下にあります☆

 

――――――――――――
1.動詞「ゐる」の活用の行

――――――――――――

 

傍線部では、

「ゐ」と平仮名で出てきたので、

 

まずは、活用のから考えましょう!

(o^-')b

 


五十音図

 

「ゐ」があるのは、ワ行!!

   アップ

必ず覚えておきましょうね♪

('-^*)/



 

―――――――――――――
2.動詞「ゐる」の活用の種類

―――――――――――――

 

接続詞「て」がつくと、

 

● 四段活用 EX.書

● 上二段活用 EX.起

● 上一段活用 EX.

   アップ

覚えるべき変格活用以外では、この3つが絡んでくるので、

慣れてないと、非常にやっかいです。

(´・ω・`)


 

ですが、変格活用動詞以外でも、

上一段、下一段、

ヤ行上二段、ア行・ワ行の下二段、

などは、覚えておくべき動詞です。



 

上一段活用なら…


ひいきにみゐル


 

で。

今回のように「ゐ」と出てきたら、

 

ワ行上一段「ゐる」という動詞が

確実に頭に浮かぶようにしておきましょう!

(^~^)

 


ワ行上一段「ゐる」


 

――――――――――
3.動詞「ゐる」の意味

―――――――――――

 

「ゐる」という動詞なのですが、

上のように2種類あるんです。

∑( ゚Д゚)

 

 

ゐる

【居る】

 (自動詞:ワ行上一段活用)
①座る。腰をおろす。座っている
②動かないでいる。じっとしている。とまる
③とどまる。滞在する。居つく
④ある地位に就く。就任する
⑤おさまる。静まる。静かになる⑥ずっと…ている。…しつづける(補助動詞的に)


【率る】
 (他動詞:ワ行上一段活用)
①伴う。引き連れる。連れる
②身につけて持つ。携帯する。携える



 *「学研全訳古語辞典」より

 

 

さて、五六日ありて、この子て参れり。

   アップ

「ゐて」⇒「参る」

 

というつながり☆


 

ならば、

 

座っていて】⇒【参る】

引き連れて】⇒【参る】

   アップ

このどちらが、文脈的に不自然でないか、

おのずと分かりますよね~!

ヽ(゚◇゚ )ノ

 

 

1.ワ行上一段活用の自動詞で、「居座る(×)という意味である。

2.ヤ行(×)上二段活用(×)の自動詞で、「とどまる(×)という意味である。

3.ワ行上二段活用(×)の補助動詞で「ずっと~している(×)という意味である。

4.ワ行上一段活用の他動詞で、「連れる」という意味である。

5.ヤ行(×)上一段活用の他動詞で、「携える」という意味である。

 

 

――――――――――
4.その他の出題傾向

―――――――――――

 

 

この子て参れり。

 

問)傍線部の語を文法的に説明せよ。


 

このような出題であれば、

逆に、「率る」は「ゐる」と表記することを覚えているかを聞いています。

 

答)ワ行上一段活用動詞「率る」の連用形


 

 

この子て参れり。

問)傍線部の語の活用表を完成させよ。

 

…ならば、


活用の種類や形だけでなく、

語幹・活用語尾の区別がない動詞である

ということも、念頭に置いておく必要がありますね。

('-^*)/

 

ワ行上一段「ゐる」
 

   した矢印

 

正解は……

 

 

第2帖「帚木」の巻

 

「帚木」の巻 ~第1章~

 雨夜の品定め 光源氏と頭中将

「帚木」の巻 ~第2章~

 雨夜の品定め 左馬頭の女性論

「帚木」の巻 ~第3章~

 左馬頭の女性体験談

「帚木」の巻 ~第4章~

 頭中将・式部丞の女性体験談

「帚木」の巻 ~第5章~

 光源氏17歳 空蝉との出逢い

「帚木」の巻 ~第6章~

 光源氏の17歳 空蝉との逢瀬

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

少しでもお役に立てれば幸いです☆(o^-')b

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