【帚木194-2】「けり」の文法的意味識別 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木194-2】「けり」の文法的意味識別

勉強がんばってますかラブラブあいです。

 

【イラスト解釈】では、本日のイラスト訳に因んで、

解釈問題や文法・常識のツボを随時更新しています♪


↓今日の源氏物語はコレ↓

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「…思ひめぐらせば、なほ家路と思はむ方はまたなかりけり。…」

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【源氏物語~これまでのあらすじ】

桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は義兄で親友の頭中将と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります(雨夜の品定め)。左馬頭が具体的な女性体験談を語り出します。嫉妬深く、指まで噛まれた元妻と喧嘩別れしてしまいましたが…

今日は、「けり」の文法的意味識別☆

ではいってみよ~~っと♪

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「…なほ家路と思はむ方はまたなかり(1)けり。…」

 

1.過去

2.詠嘆

3.完了


 

上のような「けり」の識別問題

最も基本的な部分なんだけど、

センター古文でも、組み合わせ問題として、よく出題されていますよね☆


 

「けり」という助動詞を見て、

【過去】という文法的意味が、まず思い浮かびます。

(o^-')b


 

【過去】の種類の助動詞には、

「き」「けり」という2つの助動詞があるんですけど、

◆「き」…過去の助動詞

◆「けり」…過去・詠嘆の助動詞

 

   ↑

「き」と「けり」の違いについては、こちらの記事でも詳しく書いてありますが、

 


源氏物語イラスト訳で古文・国語の偏差値20アップし大学受験に合格する勉強法


「き」…自分で体験(見聞き)したことについての過去であり、

日記会話文(特に和歌)などに用いられる事が多いです。

(*^ー^)ノ

 

それに対し、「けり」は、人から聞いたり、自分で直接体験していないことについての過去であり、

物語説話などに用いられることが多いです。

ヽ(゚◇゚ )ノ


 

今回の文脈は、左馬頭の会話文中でしたよね。

※長い会話文なので、忘れてしまいそうですけど~;

(;゚;∀;゚;)


 

とすれば、この文脈は、左馬頭本人の直接体験あるいは直接見たり聞いたりした経験である可能性が高いです!


 

ならば、【過去】の助動詞としては、

けり」ではなく、「」が用いられるはず!

∑(゚Д゚)


 

あえて、ここで「けり」が使われているとするならば、

この「けり」は、【過去】ではなく、【詠嘆】であると考えたほうがよさそうです!

\(゜□゜)/


 

【けり】

①(特に地の文で)

 ~た、~たそうだ(間接体験の過去)

②(会話文・和歌などで)

 ~なぁ(目前の事実への驚き、詠嘆)

 

 

今回も用いられている【詠嘆】というのは、

目前の事実や頭に浮かんだイメージに、はっと気づかされて、それによって心が動かされるというニュアンス☆


 

今回は、左馬頭が臨時祭の調楽からの帰り、

ふっと頭に浮かんだ、ありし日の女の記憶


 

なほ家路 / と / 思は / / は / またなかりけり

訳)やはり自分の帰路 / と / 思う / ような方面 / は / 他にはなかっ たんだよなぁ


詠嘆】だからといって、「~た」と訳出してはいけないというのではありません。



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ここでは、【詠嘆】というよりも、むしろ【気づき】といったニュアンスで用いられていますので、


 

記述問題の現代語訳であれば、

~た」と訳出してもかまいません

(*^_^*)


 

ただし、

上のようなマーク式の識別問題であれば、

過去】を選択したら、×になっちゃいますよぉ~!

\(゜□゜)/


 

ちなみに、
過去】と同じように、現代では「~た」と訳出する

完了】の助動詞(「つ」「ぬ」「たり」「り」など)と混同しやすい受験生が多いようですので、

どうぞお気をつけくださ~い♪

 


言わずもがな…ですが^^;

(o^-')b

 

今回のイラスト訳はこちら→
 

 

 

 

あいでした音譜