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生徒の満足度90%超!
大学受験の予備校で、現代文の指導をしているaikoです。

「大学の、その先」を考えた教育を提案します。

 
はじめましての方はこちらもどうぞ。
リブログ、大歓迎です。
 
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私の専門は 明治大正期の文学です。
特に自然主義に関心がありましたが、
それ以外もかなり勉強したと思います。

明治時代からメディアミックスは存在し
特に尾崎紅葉は メディアミックスで大成功をおさめました。

貫一お宮の松も有名な『金色夜叉』が

一番有名かな?

大学受験だと、例えば上智大学でもかつて出題されました。 

中学受験では絶対に出ないです。

 


あと多情多恨とか。

 




メディアミックスすることで
原作を手にしたことのない人も
その作品の面白さに気付けるなど
金銭的なメリット以外にも
利点はあるとは思います。


でも、私が文学研究側だから
より強く思うだけかもしれませんが、
原作がある以上は それが尊重されるべきだと思う。
勝手に過度に改変して良いとは思えないんですよねぇ。。。



私自身はメディアミックスは研究対象に選んでいないのですが、
明治期の文学は現代でも映画やドラマ化がなされていますので
気分転換に見ていたことがありました。


が。


まー酷いんですよ。

例えば、漱石『坊っちゃん』。
5回 映画化されているのですが。
 



私が最初に観たのは1977年中村雅俊主演のもの。
主人公の坊っちゃんに近藤大助と名付けています。


大助って、どこから来た名前なんでしょうね。

代助なら、『それから』の主人公の名前ですけど。
一気に白けたのを覚えています。


というのも。

『坊っちゃん』は主人公の男性が
固有名で呼ばれないことにも大きな意味があります。

映像化するにあたり
名前がないのは不便なのかもしれませんが、
先行研究をちょっと調べれば
呼称に関する論文はたくさん出てくる。

漱石は日本を代表する作家です。
この映画は呼称以外にも問題がたくさんあると思いますが、
作品の重要な大前提に手を加えるのは···

少なくとも私は、
原作に対する敬意も愛情も感じられなくて
嫌になっちゃいました。









漱石はもう 本人が映画を観ることはありません。


でも原作者が存命中で活躍中で
映像化された作品を観ることができるなら。
自分の作品の核が壊されたら
私などでは想像もつかないほどに
悲しく辛いことと思います。


原作があるからこその 二次創作だと思います。









今は簡単に動画が手に入る時代です。
個人のレベルで
気軽に既存のネタを改変して
発信することもできてしまう。
意図せずとも二次創作の作品から
受容することもあると思います。


だからこそ。


個人的には原作→二次創作という流れが
ベストだと思いますし
そのうえで「二次創作の方が好き!」もあると思う
二次創作の作品を鑑賞したら
原作も読んでみることを勧めます。

そのうえで、
何がどう違うのか
改変の意図はなにか
改変されたことで作品世界はどう変わるか
改変された作品がどの様に受容されているか
などを考えると より良いと思っています。



自分の考えを形にしたり発信するのは
これからを生きるうえでとても大切な能力です。

「原作」の大切さ や
「改変」の難しさ に
思い至ることは とても重要と思っていますし
目の前の情報を鵜呑みにせず
一つ一つ吟味する機会を作りたいですね。


全体に向けては呟けないことなど、

公式LINEでお話しています。


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