発酵や熟成・腐敗によって生じるチラミンが片頭痛発症にかかわることは、前回のブログ(2019/1/20)にて説明しましたが、実は、私達の体にはこれらの神経毒を防御する仕組みが備わっています。
チラミンの場合、消化・吸収時には腸管内で、体内に取り込まれたものは肝臓にてMAO(モノアミン酸化酵素)という酵素によって解毒(破棄)されます。
しかし、チーズやワイン、チョコレートで片頭痛が誘発されるという方は、この解毒作用の限界を超えてしまっているということになります。このような状態がどのようなときに起きやすいのでしょうか?
勿論、チラミンを過剰にとり過ぎた場合は第一の原因となりますが、MAO阻害作用のあるものと同時にチラミンの多い食品を摂取すると自律神経の制御能力はガタガタになってしまうのです。
ノルアドレナリンは交感神経に深くかかわっている神経伝達物質ですが、通常は、その“生産”と“破棄”がバランスよくコントロールされています。チラミンはこの“生産”側を狂わしてしまうのですが、この酵素(MAO)は“破棄”側の役割を担っていて、ノルアドレナリン以外にもドーパミンやセロトニン、チラミンにも作用し、自律神経を支離滅裂な混乱状態にしてしまうのです。
結果、症状としてひどい場合は、おう吐、幻覚、妄想、不随意運動、めまい、低血糖などを生じることもあります。
薬としてのMAO阻害薬(パーキンソン病・うつ病)以外に、MAO阻害作用があるものとして次のようなものが知られています。
*ハルマン(神経毒):タバコの煙、コーヒー、ソース、焼かれた肉、グリルチキン、ハンバーグ、ソーセージなど、
*ウコン(クルクミン、ターメリック):カレー粉、からし、健康食品(ウコン)
*トルエン:建築資材/合板(シックハウス症候群の一因)、マニュキアなどの溶剤
また、チラミンの多い食品については、前回1月20日掲載分の一部を下記再掲載します。
チラミンは、チーズや乳酸菌発酵飲料、、味噌、醤油、納豆、チョコレート(カカオ)、ビールやワイン、ニシン塩漬、サラミソーセージ、ハム、新鮮でないレバーや肉(熟成肉)、黒酢、発酵飲料・食品に多く含まれます。
同じ食品であれば発酵や熟成(腐敗)が進めば進むほどチラミン量は増加します。
チーズ100g中のチラミン量は、プロセスチーズは2.6mgですが、ブルーチーズ10~26mg、チェダーチーズ(短期発酵) 12.0mg、チェダーチーズ(長期発酵)では 153mgが含まれます。
醤油でも、発酵していないものにはほとんど含まれませんが、淡口醤油24.0mg(平均) 濃口醤油35.6mg(平均)と高く、味噌でも米味噌 19.4mg(平均)、麦味噌14.6mg(平均)、豆味噌9.3mg(平均)となり、熟成期間の長い赤味噌は概して多量のチラミンを含むことになります。
また、タンパク質の多い発酵・熟成食品や、タンパク質量は少なくとも長期に発酵熟成したものには片頭痛の原因となるチラミンが含まれます。
健康に良かれと思って摂取している、乳酸菌飲料、チーズ、味噌、納豆、漬物類、フナ鮨・ニシンの塩漬、発酵食品、酵素ドリンクなどは片頭痛の原因となっている可能性が高いため、今一度チラミンのとり過ぎが起きていないか自分の食生活をトータル摂取量の観点から見直してみてください。
ビール、ワインなどアルコール飲料が片頭痛要因になるは、チラミン以外にもアルコールの直接的血管拡張作用やALDH(アルデヒド脱水素酵素)への影響なども加わるためと考えられます。特に、群発性頭痛の発症にはこれらの要因が重要となってきます。
要は、チラミンの多い食品(ヨーグルト、納豆、発酵飲料、味噌、醤油、新鮮でない肉類・魚介類、チーズ、ココア、ビール、赤ワイン・・など)などと同時に、コーヒーや燻製、焼肉、カレーライス、ウコン健康食品などを同時に飲食していると自律神経はより乱れてくるということ。
いつもイライラして本来の自分でない様に感じている方、自律神経失調傾向の方、片頭痛の方などは、チラミンの多い食品のとり過ぎやMAO阻害作用のあるものとの組み合わせを今一度見直してみてください。
片頭痛100%完治を目指す方は、発酵食品のとり過ぎには気をつけましょう!!
前回と今回は、既に片頭痛を優秀な成績で卒業された方々へのメッセージでしたので、次回は基本的な自律神経のことについてお話します!