映画「侍タイムスリッパー」を鑑賞する!
2023年 日本
「拳銃と目玉焼」「ごはん」の安田淳一監督が、自主製作で時代劇に挑み、東映京都撮影所の協力を得てみごと撮り上げたSF時代劇コメディ。幕末に生きる本物の侍が、ひょんなことから現代の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい、はるか昔に江戸幕府が滅んだ事実に愕然としながらも、決意を新たに現代で生きていくべく“斬られ役”で身を立てようと奮闘する姿をユーモアとペーソスを織り交ぜ描き出していく。主演は長編映画での主演は初となる山口馬木也。共演に冨家ノリマサ、沙倉ゆうの。
<allcinema>
基本的に、現代邦画は観ない私ですが、「カメラを止めるな!」(2017年)以来の自主映画の名作と聞いて、わざわざ梅田まで観に行ってきました。有難く思いなさい。
「カメラを止めるな!」ほどの快作とは言い難いですが、なかなか心に残る。
昔の侍が、現代にタイムスリップするという発想は、
決して目新しいものではない(と思う。)
この映画は、リストラされたサラリーマンの悲哀を描いているんでしょうね。
リストラされても、食っていけるぞ~
「こんなこと有り得ないよな~」と感じる部分もありますが、そこは映画的フィクション。細かいことに難癖付けるつもりはないです。
一代を築いた時代劇とそれを支えてきたスタッフへの尊敬。
助監督役の沙倉ゆうのさんがとてもい可愛い。
あまりに朴訥な江戸時代の侍の姿は、現代人が失ってしまった日本人の美徳を表しているとも言えなくはない。
途中、ちょっと中だるみの感がありましたが、お侍が自分の属していた会津藩の運命を知るに及んで、俄然話が盛り上がります。西郷隆盛だとか、新選組だとか、白虎隊は、幕末の愛されるアイテムですが、滅びゆくものへの判官贔屓があるんでしょうね。時代劇のルーツには、こういった滅んでいったもの怨念があるやもしれない。
最後の真剣での果し合いは、一見の価値があります。
STAR WARSのスタッフも是非参考にして欲しい^^
いい映画だとは思いましたが、観客が私を含めてお年寄りばかりなのが気になりました。
時代劇の控室に、伊丹十三さんのビデオテープが並んでおりました。
監督が尊敬しているのかな?