ライカのレンズの中で暴れもんで有名な Summarit 5cm F1.5 です.ハイスピードではあるけれど,滲み,ゴースト,グルグルボケ,,等々なかなかの癖玉です
この個体はebayで買ったのですが,よく言われる前玉の拭き傷も無いのですが気泡が入っているのかずいぶん安かった覚えがあります(今調べたところ2011年に395ドルで買ってます.そのころは1ドル110円ぐらいだったような気がするので45000円ほどですかね)
気泡に関しては「影響ない」と言っている人がいるのでそれを信じましょう
で,遠景
全体的に濡れているというかレトロな窓ガラス越しに風景を見ている感があります
拡大してみるとよくわかるのですが,「滲み」というにはあまりにもな暴れ具合です
とくに四隅などはピントを合わせられない というか中央のピントエリアで合わせて画面の端に持ってくるとボケボケになってしまうのです
でも,この水彩画みたいな滲んだ絵も嫌いじゃないです
3月19日追記:やっぱりアンダーインフでした!
『ライカレンズのアンダーインフ問題』を見てみてください
つぎに中景
右端の花にピントを合わせているはずなんですが,,,でも,光の玉が美しい!
真ん中の看板は結構シャープなんですが,やっぱりエッジから光が滲みだしている
重機の表面が ツルッとしていて,プラモみたいです
これ,真ん中辺の幹にピントが合ってちゃんと写っているのですが,枝先の方などそれほどピント面から外れていないのに結構滲んでます
これも,流しの手すりの手前寄りにピントが合っているのですが,すこしピント面から外れた蛇口の反射がライトのように光が溢れ出てます
クローズアップは,,,
きれいな色味とグルグルボケがアニメみたいです
ガラスや金属,プラスチックの質感がよく出てます
めちゃくちゃ暴れているわけでも無く,面のザラツキが滑らかになるようです
なので,細かい描写ではグッチャリしてしまうのでしょう
でも,というか だからこそクローズアップでは表面のいらない傷を目立たせなくしてくれるのが,ポートレートなんかで利点になりそうです
グルグルボケもうまくコントロールすれば強調もできるし目立たなくもできるようです
なかなか手懐けるのが難しそうですが,楽しみなレンズですね
Sonnarの端正で優しい描写と比べて,かなり性格がヤンチャなところが改めてささりました