さて、試聴結果をふまえて 改めて2395の音の傾向を考えてみます.例によってIMHO: In My Humble Opinion , IMBO: In My Biased Opinion  ですが、、、


岩崎千明さんの著述の中に JBLの中音ホーンの聴き比べ(「ベストサウンドを求めて」)があるのですが、そこでは2395について深く触れてはいません.確かに4560エンクロージャーとの相性(仮想音源の位置)の問題もあるかと思いますが

中音域が引っ込んでしまうのが 印象の薄さにつながっている様です

私の部屋でも確かに中音が押し出されてはいない印象でした

でも、「薄い」とは少し違うような気がします

2350や2345のようなラジアルホーンのまっしぐらに飛んでくる中音ではなく、また、2390の折曲げプレートレンズからの中低音を抑えつつ中高音に華やかな響きを持つでもなく、2397のような柔らかなちょっと甘い中音でもなく、、何と言いますか でしゃばらない、、でしょうか

我が家のようなチャンネルアンプ駆動ではゲイン設定が自由で 色々なウーファーやツィーターに幅広く適応させられるのですが、それでも中音の音色は全体の雰囲気に大きな影響があって、ゲインを合わせるだけではダメなときもあります

ところが、この2395は外見に似合わずウーファーやツィーターの音色を損なうことなく、さりげなく しかし しっかりと支えることができるのですね

ウーファーやツィーターによっては2ウェイが可能でも音色が合わない場合がありますが、2395を挟むことによって其々がその特色を活かしながら全体にバラバラにならないで済むのではないかと思っています.リボンツィーターでも、ブックシェルフタイプのウーファーでもチャンネルアンプでゲインを合わせさえすれば その音色を楽しめるのでは、、なんてね

これは2395+2440の中音が無個性なのではなく、かえって揺るがない芯がしっかりあるからなのです.その「芯」は周りを従わせる強引さではなく、周りの個性に寄り添って それを より強め魅力的にする作用があるようです.本人が自分の「色」に自信を持って鳴れば、周りは自ずと自分自身の「色」を押し付けがましくなく発揮していくのでしょう

ポン付のゲイン合わせだけで私のシステムにすんなり溶け込んでくれたのはこれが理由です

だから「スコーカーをひとつだけ」というなら、迷わず この2395+2440(or 375)が間違いない お勧めです

ただ、2350のテナーサックスの迫力、2345のロックや歌謡曲のパワー、2390の華やかさ、2397の優しい甘やかさ、、、それぞれに素敵なのが 煩悩となってしまいます


といったワケで2395も我が家の一員としてしっかり自分の位置を占めました


あとは、、537-500 蜂の巣ホーン ですが これこそ 一本の掘出し物など皆無なので 夢のまた夢ですね.AmpexのT550A が 道端に落ちてないかな〜 とキョロキョロしながら歩いている今日この頃です