年を越してしまった町田のJ1準備の項。昨年末の(1)

 

 

 

 で紹介した小田急線・鶴川駅前の新バスターミナルは2月17日に使用開始と決定した。2月24日のJ1第1節:町田VSガンバ大阪のちょうど一週間前だ。

 このバス乗り場の移転は当然、駅前で商売をしている方々の関心が高いようで、年明けに行った駅前ビル内の散髪屋の理容師さんは、本日話題にする連節バスについても

「ここ(鶴川駅前)から(スタジアムまで)走らせるみたいですよ」

 と断定的に言っていた。

 この店の方々は皆さん私がサッカーファンであることも石川県出身であることも覚えて下さっていて、

「地震、大丈夫でした?」

 とお声をかけていただいた。

 

 さて、今日の話題はこれ。

<写真:連節バス 町田市ホームページより>

 

 鶴川駅から町田市立陸上競技場までの輸送力増強のために、連節バスを走らせる計画がある。連節バスの輸送量は通常のバスの1.8倍だそうだ。

 既に試運転を始めているという噂もあるのだが、これは先述の理容師さんも含め、見た人にまだ会ったことがない。

 この神奈川中央交通のバス。町田駅前や競技場近くでなら見たことがある。Jリーグのない普段は、町田バスターミナル(町田駅前)から町田市内の山崎団地まで運行されている。

<町田市立陸上競技場付近を走る連節バス:2023年4月>

 

 山崎団地は、町田駅から見れば競技場の方角にあるので、サッカーのある日だけ運行距離を伸ばして競技場まで走っているという感じか。運航開始から既に10年経つ。

 なので、何ら問題ないような気もするのだが、地元住民としては不安が残る。

 というのは、鶴川駅から競技場までの道路には狭い個所がいくつもあるからだ。

 この広さの道を車で運転していて、あの長―い連節バスが向こうから来たら、対向車の私はびっくりするだろうな。

<写真:鶴川郵便局前。こんな大型車も通れることは通れるんだけどね:2023年12月>

 

 歩道の幅も1m程度しかないところが多い。歩行者もびっくりするだろう。

 びっくりするだけなら良い。カーブで長い車体が揺れて、対向車や歩行者と接触しないのだろうか。

 そもそも、バス同士すれ違えるのだろうか?

<町田市大蔵町の芝溝街道:2023年12月>

 

 これを機に連節バスについて調べていたら、東急電鉄も間もなく導入予定とわかった。導入されるのは横浜市青葉区で、町田市の隣。横浜市北西部から町田市にかけてのエリアでは今後、連節バスが頻繁に見られることになるかもしれない。

 連節バス導入施策だが、これは東急という民間企業の論理だけで進んでいるのではなかった。横浜市も絡んでいた。

 連節バスの導入の目的は、次の一点に絞られる。

1便当りの輸送力を増やして減便する

 なぜ減便しなければならないのか。理由は

運転手不足

 では、連節バス導入によって生じた運転手の余力をどこに振り向けるのか。

 それは、赤字路線の維持だ。

 ここに、横浜市という公が介在する理由がある。

 赤字路線とはいっても、そこには団地などの住宅地が広がる。高度経済成長に伴って開発された団地。有名なのは多摩センターだが、その南に位置する町田市や横浜市青葉区にもいくつもの団地が存在する。

 そうした団地では住民の数は減少し、かつ高齢化が進んでいる。スーパーも病院も近くになく、自家用車による移動がもはや不可能な高齢者の生活を維持するために公共交通は欠かせないものなのだが、バス路線は赤字化。住民の足の確保には公的支援が不可欠となっている。

 何だ、横浜市青葉区の課題は、運転免許を返上した我が母が独居する石川県加賀市と同じではないか。

 当地では1990年代から民間バス路線の縮小が相次いでいる。私見だが、公共交通として機能しているのは加賀温泉駅~山中温泉線のみ。それ以外の路線は、次の写真のように1日2・3往復しかない所が多い。

<石川県加賀市の某バス停の時刻表:2023年8月>

 

 スタジアムの輸送問題から話が膨らんでしまったが、町田の地元住民(私)の危惧を他所に、連節バスが我が家の目の前の道を走る日は近そうだ。