母がわたしに「お汁(つゆ)をつくれ」と命じた。命じられずとも自分からつくるつもりだった。なぜなら、亡父の味噌汁の味を再現できるのはわたしだけだからだ。

 多くの人が「え! こんなに出汁じゃこ(煮干し)入れるの!」と驚く。だが、魚臭くなるくらいが父の好みだった。

 煮立って、じゃこが柔らかくなるくらいまでになったら、じゃこを上げる。父は、それでも上げないことが多かった。

 具は、タマネギと薄揚げとワカメと豆腐。だが、この日は薄揚げがなく、タマネギとワカメと豆腐になった。

 続いて、お盆恒例の柿の葉寿司づくり。

 材料は母が既に用意していた。

 シメ鯖の量が少ない。理由は、親しくしていた魚屋の女将さんが「引退」されたことと関係がありそうだ。ゴールデンウィークにも紹介した女将だが、その後、軽トラでの行商中に交通事故を起こしてしまい、それに怒った息子さんが商売に関わることを禁止されたとのこと。

 

 

 今は橋立のご自宅に籠っておられるとのこと。母も「友人」がいなくなって寂しいみたいだ。まあ、確かに今のわたしが母に働いてもらいたいかというと、決してそんなことはない。息子さんの気持ちはよくわかる。

 うちの母も運転免許返納したしね。

 さて、いつものようにテーブルの上に並べていく

 先祖伝来の木枠に詰めていく。

 柿の葉で表面を覆い、その上に板を置き、また重ねていく。

 蓋をして押す。

 しばらく置いておこう。

 その日の食事。

 人様に公開するような代物ではないのだが、おいしかったよ、ホンマに。自画自賛に過ぎないけど。

母の愚痴。

「(柿の葉寿司にのせる小海老は)台湾産やと(きれいな橙の)色が出んので国内産を探して買うて来たんやけど、瀬戸内産で、なんか富山の白海老と静岡の桜海老の中間みたいな色や」

 確かに。静岡産の桜海老が手に入りづらいらしい。

 お汁がいかにも粗っぽいつくりなのは、つくり手がわたしだからしょうがない。

 柿の葉寿司も汁も慣れた味。言うことなし。

 父を迎える準備は上々。昨年12月に彼岸へ行った父の新盆。

 当地には、なすびや胡瓜で動物を造ったりする習慣はありません。

 さて、酢飯を拡げたたらいを洗わねばならぬ。

 暑いので水遊びしたかったわたしには丁度良い仕事(子供か!)。亀の子たわしを使ったのは久し振り。

 洗ったら乾かそう。

 あれ、少し洗い残しがある。視力が良くなったから見える。

 

 西瓜を切る。

 縦じゃなくて横に切るときれいに切れるんだって。そうか、今まで筋に沿って縦に切っていたから、途中まで包丁を入れるとその先にピリピリと裂け目が出来てしまっていたが、筋と直角に切ればそんな裂け目は出来ないわけだ。

 今頃知ったノウハウ。

 これは「すこ」という食べ物。母によると、里芋の茎を酢で漬けたもの。

 調べてみてびっくり。お隣、越前の郷土料理であった。

 

 

 早朝に墓参りを終えておいて良かった。雨が降ってきた。

 被害が出ているところもあるようで、心よりお見舞い申し上げます。ここ加賀は風もさして強くなく、極めて平穏です。蒸し暑いですが。

 

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 と、ブログを書いていたら、「すこ」に触発された母が

「『きしず』いう料理を調べろ」

 と命じる。すると、先述の農林水産省のサイトにありました。

 

 

 

「懐かしい! この料理大好きやったんや!」

 と母は大喜び。このサイトの元になった情報を提供した青木悦子さんという方も

「金沢の有名な料理家さんや。昔ようテレビに出とんなった」

 と、情報が次々とつながる。

 農林水産省さんも粋なことやりますね。感謝します。