異次元の日銀の政策は、本当に正しいのか? | 〜観・感・勘〜  市民感覚で見てみよう!

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市民感覚で「安黒よしお」が常日頃から、観たことを、感じたことを、またそれによって勘じたことを、皆様にお伝えしようとするブログです。
もちろん、脱線して趣味あり、愚痴あり、イベント紹介ありと多彩にジャンル関係なく載せますので、自由に御覧ください。

2020年、令和2年が、いよいよあと2週間で

終わろうとしている。

今年は、国難とも言える年であった。

ちょうど1年前は、まさかこのような

事態になるとは誰も思わなかっただろう。

 

その最高責任者が、ご自身の体調不調で

リタイヤし、伏兵であった官房長官が

今では最高責任者に。

 

しかし、経済の最高責任者は未だに同じ方。

先日の記者会見をご覧になっただろうか。

世間では、それ程、話題になっていないようだが、

実は、日本経済の根本を大きく左右する内容

である記者会見であると、私は思ったのだが。

 

日本銀行の黒田東彦総裁が、この12月21日

に、金融政策決定会合後の定例記者会見の

事である。

 

 

相変わらず政府目標のインフレ2%を掲げて

いるが、そのアベノミクスを提唱した最高

責任者がリタイアした今、果たして、未だに

その提唱を掲げて、政策続行をやっている。

本当に出来るのか。もし、そのようなインフレを

期待しているのなら、一気になるのではないか。

つまり、ハイパワーインフレが一気に

日本経済を襲うのではないか。

 

お米が暴騰すれば、江戸時代は必ず各地で

一揆が起こり、政権が不安定なる。今は安定

しているようにみえるが、米の先物市場が

出来れば、今10キロ5千円が、10倍の5万円、

10万円になってもおかしくない。

もちろん、他のものも暴騰するが。

世間は暴動があり、食っていけないので、

治安は悪化するだろう。政府はもちろん

大きく変革を余儀なくされるだろう。

 

アベノミクスの出口戦略を発表する前には、

必ず、日本の株式市場は大暴落を見せる。

誰がその責任を取るのだろうか?

 

超超金融緩和政策は、日本人にとって、

巨大なリスク、アベノミクスの副作用・終焉と

なることが明らかなのに、未だに国民には

隠している。国会議員でさえも経済にうといのか

誰も指摘しない。

 

1923年、大正12年に関東大震災で東京が

パニックになった後、4年後の1927年、昭和2年に、

時の大蔵大臣、片岡直温が「本日、

東京渡辺銀行が破綻した」と口を滑らせた。

それは誤報だった。この失言がきっかけとなり、

翌日東京渡辺銀行が休業し、動揺した預金者は

他の諸銀行にも取り付けに殺到した。

休業に追い込まれる銀行が続出して、

日本銀行は非常貸し出しで混乱の収拾に当たった。

これが昭和金融恐慌の始まりだった。

その数か月後に、最大の商社、神戸にあった

鈴木商店の倒産である。

今の国民はこんなことが起こるはずはないと

誰もが言う。果たして、本当にそう言えるのか。

 

当時の環境と同じになってきていないか。

いや、その時よりも、デジタル化が進んでおり、

瞬時にして、失うものが大きいのではないか。

「金」に裏付けされていた本位制度の当時と

違って、今は信用創造で、実体貨幣の数百倍、

いや数千倍の通貨が動いている。

それに派生商品である先物、オプションが

入っているから、それは莫大な量である。

昭和2年の時と比べて、令和2年は、

規模だけを考えれば、恐ろしさを通り

越して、収拾がつかなくなるのではないか。

 

今、日銀が続けている異次元緩和の柱は、

3つある。①量的緩和。 ②マイナス金利政策。

③長期金利コントロール。である。

 

このインフレ率2%にする政策、出来もしない

のに、未だにそれを掲げていることで、

間違った方向に向かっていることも分からず、

ひっとしたら知っているのだろうが、政策

変更が出来ず、突っ走っているのかもしれ

ない。だが、その副作用、弊害を本当に

国民に示しているのだろうか。

 

「チコちゃんは、知っている」と、NHKで

言うのだろうか。お笑いで済むのか。

 

日銀は、輪転機で大量に刷った紙幣で、

日本株を幅広く買っている。名目は上場

投資信託、つまりETFと言われるもので、

年間12兆円上限の積極的購入方針を

継続している。

 

 

コロナ感染拡大後にもうETFは買いません

とは言えない状況になっている。そんな

ことを言ったら、大暴落になってしまうからで、

ここは、今しばらく継続を言うに決まっている。

ただ、以前の勢いは間違いなく、減少

しているのは、上のグラフから判断できる。

 

2010年から購入をし続け、今月15日で

丸10年。ニッセイ基礎研究所の試算では、

日銀は11月末までに時価換算で45兆円

になったようである。東証1部全体の7%弱。

年金の積立金で運用しているGPIF、つまり

年金積立金管理運用独立行政法人が

持っている総額を抜き、日本株の最大株主

となったのである。

 

今月発売される四季報には、日銀が大株主に

入っている企業数がやたら、多くなってきた。

中央銀行が株式市場にお金を投じるのは、

先進国では異例中の異例である。

 

 

今までは金融市場の安定化を図っていたと

釈明しているが、大規模な国民のお金を

使っての買い支えは、企業の経営を妨げ

ていることにもなり、ここからの下落局面

では、大きな含み損を抱え、日銀の財務

が悪化し、国民負担につながる恐れ

がある。あくまでも、海外から見れば、

日本は、いつまで禁じ手をしているのか

と指摘を受けても致し方ないのである。

 

果たして、このETF購入がいびつな株価

形成をさせ、国民への背信行為とやがて

なってくることが分からないのだろうか。

上がればすべて良しと、あのバブルの

反省はどうなったのだろうか。

 

米国のトランプ政策はダウ3万乗せで、

バブル政策は、いよいよ年明けで終焉

する。強い米国が、NYダウに反映されて

いたのだが。

 

それを受けて、相変わらず、日本の

異常な金融緩和が、誰も国会議員が

指摘もせず、のんびりと正月のお餅を

食べて、巣ごもりをしているのだろうか。

 

私には、信じられない。

 

今、まさに日本経済の崖に片足を

かけようとしているのに、何人の方が

そのことに気づくのだろうか。