アンチ・クライスト / 92点 / ANTICHRIST | ゆるーく映画好きなんす!

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ゆるーく映画好きなんす!-アンチクライスト

個人的には、2011年度NO1になり得る傑作!ぼかしが残念すぎるけど


『 アンチ・クライスト / 92点 / ANTICHRIST 』 2009年 デンマーク/ドイツ/フランス/スウェーデン/イタリア/ポーランド 104分


監督: ラース・フォン・トリアー
製作: ミタ・ルイーズ・フォルデイガー
製作総指揮: ペーター・オールベック・イェンセン

ペーター・ガルデ
脚本: ラース・フォン・トリアー
撮影: アンソニー・ドッド・マントル
プロダクションデ
ザイン:
カール・“カリ”・ユリウソン
衣装デザイン: フラウケ・フィルル
編集: アナス・レフン
出演: シャルロット・ゲンズブール /彼女

ウィレム・デフォー /彼

ストルム・アヘシェ・サルストロ /ニック
【満足度】

★★★★★★★★★☆(92点)※個人的に好きな映画です。

基本的にはホラー映画であり、人間ドラマやけど、人間、社会、宗教の本質への迫り方が素晴らしくエグい!


【オススメ度】

★★★★★★☆☆☆☆(60点)

素晴らしい映画やと思ってる自分でも、疑問に思うほどのエグイ描写が多いのでオススメは微妙です・・・。


【内容】

□「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ドッグヴィル」の鬼才ラース・フォン・トリアー監督が、シャルロット・ゲンズブールとウィレム・デフォーを主演に迎えて撮り上げた衝撃の問題作。愛する息子を事故で失った夫婦が悲嘆と絶望の中で辿るあまりにも残酷な運命を、美しくかつ衝撃的な映像で描き出していく。プロローグとエピローグを含む全6章で構成。悲痛にして大胆不敵な演技を披露したシャルロット・ゲンズブールは、みごとカンヌ国際映画祭主演女優賞に輝いた。

◇夫婦が愛し合っているさなかに、目を離していた幼い息子がマンションから転落死してしまう。深い悲しみと自責の念で精神を病んでいく妻。セラピストの夫は、自ら妻の治療に当たるべく、彼女を人里離れた森の奥の山小屋に連れて行く。妻を救いたい一心で、懸命に心理療法を施す夫だったが…。【allcinema 】


【感想】

ラース・フォン・トリアー監督の問題作(というかラースフォントリアー監督作品=問題作みたいなもんですが)『アンチクライスト』を観てきました(((; °д°)))アワワワ


いやー、スゴイ!何がスゴイって、いきなりスクリーンいっぱいのぼかしとかあるんですけどwww(要するにスクリーンいっぱいの結合部)

まぁそれは置いといて、実際のところ、本当に素晴らしい映画でした♪

まだ3月ですが、個人的には、今年No1になるかも知れません(←ベスト5入りは確実!)


◇◆◇


【基本的に、ネタバレしてます】


監督曰く、これは本当の意味でのホラー映画でも無ければ、本当の意味での宗教的な映画でも無いとのこと。

なら、どんな映画なのか?との問いに、監督は「ミュージカルではないダンサー・イン・ザ・ダーク」と答えています((φ(・д・。)ほほう


そして、「映画は、メッセージを発するための手段(メディア)では無い、、メッセージを発したいのなら別の手段(メディア)で行うべきだ」という発言もしています((φ(・д・。)ほうほうほう、訴えていないとな!


ということは、この作品はジャンル映画(≒娯楽映画)では無く、宗教に代表されるような生き方やモラルを訴えかける映画でも無いということか?


ということは、本作は、鬱を患っていたというトリアー監督が、自らの心の闇を覗き込んだ映画であり、人間の暗部に於ける真理を探求するために作った映画であって、自らの思考を映像化して提示した映画と捉えるのが適当なのかな?


宗教的な描写が多いけど、それは、宗教について描いてるのではなく、真理の探求をするためには、西欧文明で育った自分と宗教(キリスト教)は切っても切り離せないということか?まぁ、今のトリアー監督は、シャーマニズムに傾倒してるので、思考を映像化すれば、自然と反発的なキリスト教の分析(要するに批判)が現れてくるのは当然といえば当然かな?


どのようにして自ら(トリアー監督)が鬱になったのかを分析して、心の闇を映像化した映画ということやね((φ(・д・。)


主役の男(セラピスト)は、これまで、人間の暗部を描き続けてきたトリアー監督自身の投影であり、何もかも解っているつもりだった男が、深淵を覗き込み続けた結果、深淵に飲み込まれてしまうまでを描いた映画と考えると、非常にしっくりと腑に落ちる。


精神を病んだ妻は、自らの映画のメタファーか?


自らの映画で描く人間の精神を探求し、悲嘆のプロセスについて分析しているときに、そこに自らの心の闇であるキリスト教の考え(すなわち女性嫌悪や自然への恐怖、欲望を悪とする考え)があった場合に、再生することは可能なのか?と考え始めたのを起点として負のスパイラルに陥ったのではないか?


そしてキリスト教的考えを否定して、シャーマニズムに傾倒することで、精神の安定を取り戻したということかも?


自然への恐怖、自分への恐怖、女性への恐怖、悪魔への恐怖・・・


主人公の男が、妻の研究を知ったとき、妻の再生が不可能であることを悟り、そして、その研究の内容を知ることで、自らも再生不可能な悲嘆のプロセスを歩むことを悟る・・・


3人の乞食が揃ったとき、そこにあるのは生か死か?


トリアー的には、キリスト教的考えでは、死しか無いということか?


※ぼかしが多すぎて、ラストの顔はぼかしなのかと思ったら、あれはぼかしでは無いんやね?

※あの血が飛ぶところも、ちょんぎったのか傷ついただけなのかわからんかったけど、あれもちょん切れては無いでOKやんね?

※無修正版のDVDが出ることはあるんやろか?無修正で観たい!オープニングシーンは別にぼかしあってもええけどww


◇◆◇


うーむ、自分はキリスト教(宗教全般)を否定はしないですが、このトリアーの自己分析映画(もしくは心の闇映画www)は、非常に面白かったっすね((φ(・д・。)


否定、肯定は置いといて、非常に刺激的で考えさせられる、脳を活性化する映画でした(」°□°)」<まぁ理解できてる自信は全く無いけどね!


とりあえず、西欧圏でここまで不謹慎な映画を撮っちゃうトリアーって、バカすぎてスキですш(`∇´*)ш不謹慎かどうかを決める基準はなんなんだ?って考えるとそれも又面白いですな♪


大好きですが、オススメはしないぞm9(°∀°)どーん


実は、サイコサスペンスホラー映画(要するに娯楽映画)としてキチンと成立していると、個人的には思っていますが、描写がエグすぎるのでオススメはできません!


個人的満足度 92点(ぼかしがなければ!) オススメ度 60点(オススメできんよさすがにね!)


◇◆◇


↓美しい?汚らわしい?精神と肉体がバランスを崩し始める・・・
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↓彼女の思考を探る一級のサスペンスでもある
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↓全てを知ってるハズだった・・・
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↓男は何もかも解ってるハズだった・・・
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↓しかし、彼女の闇は、子供の死を起点としていなかった・・・
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↓自然への恐怖・・・
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↓女性への恐怖・・・
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↓自身の闇を覗き込む・・・
ゆるーく映画好きなんす!-アンチクライスト
↓何の考えが原因なのか?
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↓カオスが世界を支配する・・・
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↓落ちる・・・落ちる・・・それは自然なこと・・・
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↓それを受け入れることは・・・
ゆるーく映画好きなんす!-アンチクライスト
↓この世界の考えでは可能なのか?
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↓ラース・フォン・トリアー作品も全部観ないといけなくなってしまった・・・

ゆるーく映画好きなんす!-アンチクライスト


アンチクライストと聞いて、ニーチェを連想しましたが・・・なーんも読んでないので、スルーしました(笑)