アンテナに引っかかってる水泳帽 全部の窓が映すほどの雲 我妻俊樹
題詠blog2008、題「帽」より。
これは上句は上句、下句は下句でそれぞれ短い詩のようなものとして、その短さによって獲得される余白へむけた滲み、ひろがり、みたいなものを待っている感じの言葉のかまえをした歌、だと思います。
私のこのタイプの歌は、けっこう定型にもたれかかりすぎというか、短歌のフレームが行き止まりになることをあてにして二つの“詩”を手軽にぶつけちゃってることが多いと思うけど、この歌はあるひとつの、全体像のない事態を上下句がそれぞれの側面から言っているように見えるので、そういう定型への甘えはないかなと思う。言葉が定型に対してつつましい感じがして自分では好感が持てますね。
読み返して自己評価があまりぶれないので、完成度(自分の歌としての)は高い歌かもしれない。