草萌えて線路は母の近道に 人だけが人を名乗る今では 我妻俊樹
題詠blog2006、「萌」の題より。
私には線路をうたった歌の数がかなり多いと思う。現役時よりも廃止された線路、線路が取り除かれたのちの痕跡のほうがずっと好きなので、おのずと歌にも廃線感ただよう登場のしかたが多くなるようです。
あと、定型というのはそれじたいちょっと線路っぽい。だから題材としての線路がなじむという無意識の実感がある可能性もあるし、定型という線路を走らせるにふさわしい車両を持たない私は、そこをただの遊歩道として使ったり、むりやり車で走破しようとするかもしれない。その場合定型は廃線跡のように扱われているわけです。