傘立てに花束たてて雨宿りしてるあなたも見ている林 我妻俊樹
連作「助からなくちゃ」より。
どうってことない光景なんだけど、微妙に意識を刺激する細部を含んだ内容を、音の快感が裏付けている。といった感じの歌をこの連作ではわりと意識してやろうとして、これはうまくいったほうの歌だという自己評価です。
快感というか、ちょっと音の反復がずれながらいくつか重なっててうるさい感じですが、それが窓に付着した雨粒みたいに景色全体のノイズになる、ということはべつに意図したわけじゃないけど、そういう読み方も可能かなと今の目からは思いました。