煮詰まる | 喜劇 眼の前旅館

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短歌のブログ

小説を書く。書いてるとすぐに煮詰まるので、何本か並行して同時に書く。なかなか先には進まない。書き出し部分だけとりあえず書いてみたものがどんどんたまっていく。いわば先に進まず、横にばかり広がる。
だが並行書きの、気分転換としての効果は上々だ。煮詰まってどうしようもなく価値がなく思えてきた文章を棄て、少し前にやはり煮詰まって絶望して棄てた文章のほうを読み直してみると、そっちが意外といけそうな気がしてきたりする。そのように次々と乗り換えて目先を変え、絶望をかわし、煮詰まりを回避し続けられればいいと思う。

あと私は、書くときはペースメーカーとか手本とかいう意味で何か並行して小説を読んでいたいのだが、そっちでも煮詰まり回避というか、ひとつの小説に引っ張られすぎて(私はじつに引っ張られすぎる)書くものが煮詰まるのを防ぐのに、いくつかの読み心地の異なる(しかし好ましい印象の)小説をとっかえひっかえ同時に読んでいくのがいいとわかった。
その場合、自分の作風とはまったくかけ離れてるけど好きだし軽くて読みやすい、という本を混ぜておくといいと思う。何かこう解毒的な意味あいで。