ちょうど去年の今頃、帝国大学病院に3週間入院して、抗がん剤治療を始めて今に至るわけなんだけど。


そう言えば、明日から、国公立大学の前期入試。


ということは、5年前の今頃は、息子はかみさんと、かみさんの実家である香里園で、翌日からの決戦に備えていたというわけか。



息子の受験に、かみさんまでつける必要はない、過保護かも知れない、じいちゃんばあちゃんのいる香里園から受けに行くんやから、それでええやん…とは、思えなかったので、かみさんをつけたし、かみさんも「わたしも行くわ」だったので、こうなった。



かつてアメ限で書いたけど、まあ時効だから、書いてしまうと。


息子の高3の夏は、当然受験生なので。小学4年生からずっと行ってた夏の甲子園も、流石にお預け…となるはずだったのだが。


息子の志望大学には、駿台の実戦模試と河合塾のオープンがあり、普通、日程が重ならないのだけれど、なぜかこの年、仙台会場で夏の実戦とオープンが重なってしまった。いっそ、東京あたりで受けるかい、ということになったのだけど、よくよく見ると、この年、河合塾の夏のオープンの京都会場が、志望大学のキャンパスそのものだった。


そこでわたしが提案したのは

①河合塾のオープンは京都で受ける

②ついでに1日、甲子園に行ってくる


というもので。

息子は一もニもなく同意したが、かみさんも全く反対はなく、ただ「熱中症には気をつける」というごく当たり前の附帯意見を付けただけだった。


1日甲子園で高校野球みて勉強しなかっただけでダメならそもそもあかんやろ。というのが、わたしたち夫婦の、いささか雑なところではある。


場慣れ、というメリットがあったかと言えば、どうなんだろう。というところはある。ただ、京阪電鉄の最寄駅からの距離感は実感できたようだ。


成績はB判定。

それは、あんまり気にならない。

ちなみに、河合塾のオープンでは2回ともB判定で、駿台は一回は名簿に掲載され、一回は一点差で名簿入りを逃した。オープンとは相性が合わなかったのだろうか。


なお、河合塾については、前期試験直前の志望大学向けのテストゼミを受講して、息子は得意の数学でやらかしてしまったので、その後、猛チャージをかけてZ会の復習とかしたおかげで(後苦手な証明が出なかったこともあって)本番での数学は8割だった。


もっともお世話になったのは3年通った東進だけど。


してみると、河合塾のおかげで、高3の夏も甲子園に行けたし。模試やテストゼミで「まだまだお前は足りんぞ、頑張らなあかんで、駿台のA判定で慢心してはいかん」と締めてもらえたからこその合格と言えなくもない。


ただ、高3の夏にわざわざ関西遠征までして模試を受けた最大の効果は。


入試本番に、かみさんを付けるべきだ、と家族3人が共通認識を持ったことだ。なぜか。


香里園のばあちゃんが、模試の日、食べ応えのあるお弁当と手の汚れるフルーツを持たせてくれたからだ。


かみさんは、そのことを充分予想して、昼食は軽めでお願いと事前に言ってたにもかかわらず、やはりそうなった。


もちろん、孫のためを思ってのことではあるのだが。入試当日の昼食なんて、そんなにがっつり食べる必要はないと個人的には(あくまでも個人的にはだよ)思っている。


実際、そのとき、息子は、あまり食欲がわかず、かなり残したという。


生物学的には、ある意味、当然なのかも知れない。人間の自律神経は、交感神経と副交感神経の二種類が拮抗的に作用することで身体のバランスをとっている。


誤差をおしてざっくり言えば、交感神経は戦闘モードを維持し、副交感神経は、まったり休息モードを維持するよう働く。


入学試験なんて、まさに戦闘モードなので、交感神経がばりばりに働いている。そんなとき、まったりモードである「おなかが空いた」という意識は起きにくい。そして、食べ物も消化という平和なお仕事も、副交感神経が働いているまったりモードで進むわけだから。


入試のお昼ごはんに、がっつりとしたものを食べる、というのは、受験生にとっては、あまりよくないのかも知れない(あくまでも個人的な見解です)。


というわけで、入試の当日のお昼は軽く、ただし、さっくりと消化できて、糖分が補給できるようなものにしたい(糖分不足で脳が働かないのは困るから)。


駄菓子菓子。

それは、香里園のばーちゃんにお願いしても無駄だと、わたしもかみさんも思った。たぶん、息子本人が頼んでも、だめだろうと想定された。完全なる善意から、ボリューミーなお弁当が結局は渡されるはずだ。そして息子は断りきれないだろう。


そこで。

かみさんを同行させ、当日の弁当は、かみさんが作ることにした。


というのが、かみさんを同行させた最大の理由。


確かに過保護かも知れないが(いっそ、コンビニのパンとかで済まさせるという手も今となっては思うけど、それでもばーちゃん弁当持たせたな)、当時は、それが最適解だと考えた。


2日前に現地入りしての会場下見とかも、結構、分かりにくかったそうで(掲示がヘン)、やっぱり、かみさんを付けてて正解だったようには思う。


そう言えば、結局、当日の弁当が何だったのかは聞いていない。ただ、入試の最中、交感神経ばりばりモードのひとが食べて糖分が補給できる、ほどほどの量の弁当だったのだろうとは思う。


あれから5年。

いつの日か息子もまた、受験生の親となったら、その気苦労に気づくときが来るのだろうかな。



では、受験生の皆様が、最大限、実力を発揮できますように!(天気も良いといいですね)