日本の旬 国立公園 阿寒摩周国立公園(JTB公式)

 

まずは20日放送の「ブラタモリ・釧路湿原~世界に誇る釧路湿原のスゴさとは?~」。釧路地方に洪水が起きない理由は釧路湿原がスポンジの役目を果たしているからなのですが、その点については触れていなかったので少々不満ではありました。うーん

 

しかし、27日放送の「ブラタモリ~阿寒・摩周~“色”とりどりな宝の秘密とは!」には驚いてしまいました。ほとんどの釧路市民が知らなかった点が二つありました。地元ネタの宣伝みたいになってしまいますが、記録として残しておくという意味で簡単に振り返ってみましょう。見逃した方は来月(?)にも再放送あると思います。テレビ

 

青・黄・白・緑・黒…「5つの宝」で摩周・阿寒エリアの魅力探る&タモリ“MY マリモ”作りも!『ブラタモリ』(music.JPニュース)より

 

今回の舞台は、北海道の道東に広がる阿寒摩周エリア。阿寒湖・摩周湖のほか屈斜路湖も含めて、広大なカルデラ湖が近距離に密集し、「阿寒摩周国立公園」として多くの観光客を集めている。

 

活発な火山活動が生んだこの地域の「宝」の数々に隠された秘密とは?今回は「色」に注目しながら、タモリがブラブラ歩いて解き明かす。

 

▼摩周ブルー

 

最初に訪れたのは摩周湖。「摩周ブルー」と呼ばれる神秘的な青さで、多くの観光客をひきつけている。摩周湖が鮮やかなブルーになる理由は、日本一を誇る透明度によるもの。水深が深くなるにつれ光の青以外の色を吸収するため、深い青に見えるのだという。

 

では、なぜ摩周湖は透明度が高いのか?7000年前の噴火で生まれた摩周カルデラは、比較的新しく、湖に注ぐ川がひとつもない。そのため土砂や栄養分も流れ込まないので、高い透明度を保っているのだ

 

▼硫黄イエロー

 

続いて訪れたのは、摩周湖と屈斜路湖の間にある硫黄山(アトサヌプリ)。噴出孔から吹き出る硫黄の結晶が黄色く輝いている。

 

ライトピラー(釧路市)と凍らないはずの摩周湖が結氷(2/13)より

 

この硫黄は、明治時代に火薬や肥料の原料として盛んに輸出され、釧路港や釧網本線などを作り、産業・交通の発展をもたらした。近くには川湯温泉という温泉も生み出し観光にも寄与した硫黄は、まさに北海道東部の発展を支えた「黄色い宝」だといえる。


▼純白のエゾイソツツジ

 

硫黄山は、もう一つの宝「白いエゾイソツツジ」も、この地域にもたらした。本来は2000m級の山でしか咲かない高山植物のエゾイソツツジが、標高150m程度のこの地域になぜか群生している。その理由は、硫黄山のせいで高い木が育たないために、硫黄に強いイソツツジの生育を妨げなかったからだ。

 

 ▼緑の宝・マリモ 

 

続いては、緑の宝・マリモで有名な阿寒湖へ。丸く大きな天然マリモが生育しているのは、世界でも阿寒湖のみ。そこには、火山活動でもたらされた奇跡的な条件がいくつも重なっているという。その理由を探る。 また、調査研究を手助けするべく、研究用のマリモ作りに挑戦するタモリ。自身が作ったマリモにつけた名前とは? 

 

▼黒いマンガン鉱物 

 

最後に訪れたのは「オンネトー」の滝。ここで見られる貴重な宝、黒い「マンガン鉱物」マンガンは本来は深海で作られるが、陸上で大規模に作られているのは地球上でもここだけ。そんな珍しい現象が、なぜここで見られるのか?探っていくと、30億年以上前に地球上で起こった生命の起源と同じ現象が、ここでも起きていることが発覚。タモリも思わず大興奮!(転載終了)

 

(参考) 番組ホームページ(NHK)

(過去記事)

神様からの贈り物「神の子池」(2017/9/17)

蛇行する川への復元(2017/4/23)

摩周湖・阿寒湖を巡る小旅行(2016/10/02)

 

 

まず、摩周ブルー、緑のマリモについては、地元の人間ならばほとんど知っていると思います。マリモは世界各地に生息しておりますが、大きい球体で群生しているのは阿寒湖のマリモだけです。最も驚愕な点は「マリモの遺伝子」のことなのですが、この点には触れていませんでしたね。

 

世界各地に分布するマリモ

 

球体で群生しているのは阿寒湖とミーバトン湖(アイスランド)だけなのですが、なんと二つの湖のマリモが同じ遺伝子を持つことが確認されたのです。そして、最も古いタイプの"祖先型"は日本に集中していることが判明しました。渡り鳥が運搬役となって北半球に広まったという説がありますが・・・さぁ、どうなんでしょうね?

 

※ミーバトン湖のマリモは水質汚染によって2014年に絶滅した。

 

(関連記事)マリモは日本が起源、渡り鳥が運搬か(2012/1/7)

 

 

摩周湖を後にしたタモリさん一行は、硫黄山(アトサヌプリ)を訪ねます。地元民なら一度は行ったことがある硫黄山ですが、青葉トンネルと呼ばれる木立に囲まれた小道が、硫黄を釧路港に運ぶ鉄道の跡だったというのは、全く知りませんでした。

 

タモリさんも驚いていましたが、釧路港は日本有数の漁港なのでほとんどの人が漁業で発展した港だと思っているはずなのです。それが、硫黄の運搬とはねぇ・・・釧路市民の各家庭で「えぇ~~!硫黄の運搬だって?」という叫び声が発せられたかも?びっくり

 

 

硫黄山で驚いていましたら、今度はオンネトーの「湯の滝」です。湯の滝は雌阿寒岳で湧いた温泉です。滝にはぬるっとして黒い藻のようなものがあります。その正体は「二酸化マンガン」でした。乾電池や製鉄に使われる重要資源ですが、地上でこの規模で天然の二酸化マンガンがとれるのは世界でここだけで、天然記念物になりました。

 

「南極 氷の下のタイムカプセル」!地球上の酸素誕生の謎に迫る!(BSプレミアム)左矢印必読

 

滝を流れる温泉にマンガンイオンが含まれ、滝にいる細菌や、シアノバクテリアも住んでいたことで二酸化マンガン鉱物が作られました。「シアノバクテリアは、まだ地球上に酸素がなかったころに生存していた。」とタモリさんが説明します。

シアノバクテリアとは、酸素を発生する光合成(酸素発生型光合成)を行う原核生物で、植物の光合成と基本的に同じものです。シアノバクテリアの祖先は30~25億年前に地球上に出現し、初めて酸素発生型光合成を始めました。上記のBSプレミアムの記事をお読みください。南極の湖底にシアノバクテリアの塊が見つかっています。

 

 

(主人)

「へぇ~釧路って凄いとこじゃん!」

 

(アグネス)

「うん、ビックリだわ。硫黄の運搬で発展した釧路港、酸素を生成するシアノバクテリアによって二酸化マンガンができて、それが陸上で見られる世界で唯一の場所とは・・・(オンネトーは足寄町)」

 

(参考) トラベルジャーナ・ブラタモリ編

シアノバクテリア(名古屋大学)

35億年の記憶をもった微生物!?(産総研)

湖底はまるでSFの世界(ナショナルジオグラフィック)

 

日本列島は「世界の雛形」。その中でも北海道は‟龍の頭”と云われています。貴重なものがいくつもあるのは偶然かな?ちなみに阿寒湖温泉に宿泊したい方は、「あかん遊久の里・鶴雅」をお勧めします。当館の回し者じゃないですが、お風呂、食事(バイキングで十分)には皆さん驚かれます。ではでは~♨