す令和2年(2020年)7月3日(金) くもり






一生に一度の願いは三年続けてお参りすれば、なじょな願いも聞きなさる。
西会津町・野沢の山の神様として広く信仰を集めている大山祇命。





実は、少し前にスクーターで転倒してしまいまして…。
今回は腫れが残る膝の具合を確かめるためのツーリングでもあります。
強く圧迫すると痛みが出ますが、軽くホールドするくらいなら大丈夫そうです。





30分くらいで到着しました。
リハビリ(?)にはちょうどいい距離です。





遥拝殿。
普通にお参りする人はここで大体完結します。
6月は大祭「大山まつり」が催されるので賑わいますが7月は静かです。





手水舎は使用不可と。このご時世では致し方ありませんね。
手はアルコールで浄めましょう。
人が少ないのは逆に安全に参拝できていいのかもしれません。





御朱印は書き置きの紙を配布するそうです。感染症の対策としては万全です。
ただ御朱印帳に直接書いて頂いてこそ有り難みがあるように思います。
さすがに交通安全御守りは買いました。





さて、遥拝殿はまだほんの入口です。
御本社までは片道4km。
車両進入禁止です。歩くしかありません。





参道入口には道祖神様がおわします。
かつてはどの村の入口にも見られた守り神でした。
参道では六体の道祖神様が見守ってくれています。
「やすらぎ道祖神」
皆が今日も明日も明後日も幸せであるように。





これより本編。
普通に歩くぶんには膝は問題ないです、多分。





参道はよく整備されています。関係者が車で移動できるだけの道幅があります。
ガチな山装備でなくてもハイキング感覚で歩けます。
片道4kmということは往復8km。北海道のタウシュベツ橋梁を見に行ったときと同じ距離ですね。
今回は山道ですが…。





道端の花など愛でながら。





まだ元気だった頃。





第一の滝・不動滝入口です。





ここに二体目の道祖神様が。
「うるおい道祖神」
水は万物のいのちの源泉。





沢のほうへ下りていくと、橋のところで通行止め。
滝へは近寄れないようです。





参道はお不動様の先に続いています。
多分この細い道が当初の参道なんでしょうね。昔はもっと険しい道のりだったと想像されます。





順路に復帰し歩いていると…。
キラリと青い飛翔体が。



激写!
ミヤマカラスアゲハ!?



お休みのところ、失礼します。
なんとまあ美しい。青々と輝いて見えましたが、角度によっては緑色にも見えます。
…同じ虫でも蝿や蚊は平気で殺めるくせに、キレイな蝶は神の使いのごとく崇める…。これが人間のエゴか。





森はいよいよ深まっていきます。このあたりから圏外になります。
日差しはわずかですが蒸し暑いです。





第二の滝・弥作滝に到着しました。
だいぶ歩いた気がしますが、やっと半分を過ぎたあたりのようです…。





ここに三体目の道祖神様。
「出会い道祖神」
一期一会です。





今度は滝まで下りることができました。

涼しくて居心地の良い場所です。裸で水浴びしたらさぞ気持ち良いでしょう。
お弁当持参でのんびり過ごすのもいいかもしれません。





誰とすれ違うこともなく。完全に貸し切りです。
聞こえるのは小川のせせらぎと木々のざわめきと鳥のさえずり。

歩くほどに心が浄化されていく気がします。
御本社に着く頃には純粋無垢になっているに違いない。





四体目の道祖神様です。
「ぬくもり道祖神」
母はすべてを温かく優しく許す。





ここで分岐。

漢は黙ってワイルドサイドを歩け





三徳山投入堂ほどの修験道ではないですが一気に秘境感が増しました。
木の根を跨ぐように坂をよじ登ります。
勾配も急になり、距離以上に体力を消耗します。
上りはまだしも下りはちゃんとした靴でないと滑落の危険性があります。






杉並木の中に五体目の道祖神様。
「まどろみ道祖神」
すべてをあずけ、すべてを受けいれる愛のすがた。





202段の石段があらわれた。
クライマックスっぽい雰囲気ですが杉並木はまだまだ続きます。
足場がしっかりしているので木の根坂より楽だったりして。





樹齢400年クラスの巨木の間をカサカサと歩きます。
山は大きい、私は小さい。





最後、六体目の道祖神様。
「よろこび道祖神」
ひとつでも願いを叶えたよろこびを。





遥拝殿から歩くこと1時間半、ついにたどり着きました。

よくぞ生き残った、わが精鋭たちよ。





喉はカラカラ、腹はペコペコ…。
嗚呼、この水は飲めるのだろうか。飲みたい。
一瞬考え…とりあえず手を浄め口をすすぎます。





大山祇神社御本社。
宝亀九年(778年)、奈良時代後期の勧請とされます。
御祭神は大山祇命、岩長比売命、木花咲耶姫命の親娘三神。
主神の大山祇命は山岳丘陵の守護神、「野沢の山の神様」です。
一生に一度の願い…。
そんな大それたことは望みません。健康でいられたらそれで十分です。
膝の怪我が早く治りますように。





奥の院はここからさらに急斜面を700m登った先にあります。
危険な行程なので専門のガイドの同行が必須だそうです。
クリア後に挑戦可能なエスタークの如き難易度ですね。








無事に下山しました。復路は1時間でした。
山歩きができるなら膝の具合もまずまずと言えるでしょう。





そして考えを改め、御朱印を頂くことにしました。
今日という一日を尊いものにするために。
後で御朱印帳に糊付けしよう。





野沢の街に戻り、ようやく昼メシです。





カロリー高めでガッツリいきましょう。





ー おしまい ー