さて。今回はアロエベラを使った「乳化剤を使わないクリーム・乳液
」を失敗なく作るためのコツについて。
前の実験にも書いた通り、アロエベラジェルは何の成分で粘度を出すかによってテクスチャや材料の混ざり具合が変わってくるので、オレンジフラワーさんのアロエベラジェルを使った場合が大前提となりますが。
先日、アトピーがある友人のワンコ用に、自分が使っているものと同じく、カモミールジャーマン入りアロエベラクリームを作った。
その時、どうしてもうまく混ざらず失敗した。
ぐずぐずになったアロエベラジェルに所々ブルーのオイルが混ざっているだけ。以前みたいにうまく分散せず白っぽくならない。透明でまだらなかんじ。
一度容器から出してミニ泡だて器で混ぜても同じ。どれだけまぜてもうまく混ざらない。オレンジフラワーのアロエベラなら今までほとんど失敗なく混ざっていたのに。
前回と今回の違いを比較してみた。
見当たらない。何もかも同じ…
と思っていたら一点だけ見つけた!ほんとうにこれ一点のみ。それ以外は何も変わらない。
材料的には何も変わらないので、ぶっちゃけ自分でもよく気がついたと思う。
その一点の違いとはこれ。
オレンジフラワー/価格:\20円
見てのとおりワンタッチキャップです…。アロエベラを買う時、あったら便利だろうと思って買っておいたもの
。
ふざけてんのか?あぁ?
オレンジフラワーの100mlアロエベラジェルはプラスチックの容器に普通のくるくる回すキャップ+中栓付きで来るんですわ。でも流動性のないアロエベラには絶対にこのキャップがあれば少量取り出せて便利だろう、と思い一緒に購入したものでした。
本当に違いはこれしかない。材料は何も変わらないんだから。
今回はアロエベラの残りが少なかったので、このキャップを通さずにアロエベラの入れ物にキャリアオイルと希釈したEOを入れた。つまり上のキャップのノズルを通さずに作ったことになる。その後の検証により、これが失敗の原因だと裏付けられた。
ナンデ???????
ポンプ容器に入れた失敗作を眺めながらぼーっと考える。違いはこれだけ。この細いノズルを通したか通していないか。
じゃあこのポンプのチューブ(ストロー)とポンプの口を通せばそのノズルを通ったことと同じになるんじゃ?それでうまくいったら、前回の成功と今回の失敗の原因がほぼ裏づけされる。
というわけでちまちまと別容器にポンプからプシュプシュと移してみた。
そしてまた瓶をガシャガシャと振ってみた。
成功した!((((゚Д゚) いつものとおりにできた。
ほんとにこのノズルを通すか通さないか、が原因だった。
信じられない。
ジェルのこの粘度と構造を調べれば分かるかも。ということで、ここでジェルについて調べてみるとする。
まずここで言う「ジェル」とは何か。これを調べて衝撃を受けた。
ゲル (ドイツ語 Gel) またはジェル (英語 gel) は、分散系の一種で、ゾルのような液体分散媒のコロイドを指す。
分散質のネットワークにより高い粘性を持ち流動性を失い、系全体としては固体状になったもの。
ゾルがゲルになるとき「分散質が繋がってネットワークを作る」(現象を架橋と言う)。
外力が加わるとゲル構造の分子間力の一部あるいは全部が破壊されるため、ゾル状態となるため流動性を復元する。また、外力が作用しなくなると再びゲル構造が再生され再び流動性を失う。
これだ!
つまり、このノズルを通すことによって、構造が破壊され一時的にゾル状態となる。そこで流動性が復元されるために、オイルが混ざりやすくなっていたという事。そして混ぜ終わって放置するとまたゲル構造が再生されて流動性を失い、塊のようなどろっとした液体に戻り、その時抱き込んだオイルを分離させない。
※文中に出てくる【ゾル】については >>こちら
ジェルと比べてとろけてゆるいと思えばよろしいかと。
よ…よく気がついたよ自分。ちょっとえらかったよ私。気がついてよかったよオレ。
これで失敗はなくなる。
乳化ワックス等の乳化剤不使用クリーム、本当に重宝しとります。
失敗しないためのコツ、こちらは結構な【重要項目】として忘れずに書き記しておこうとオモタ。今までの各実験の中では結構衝撃的だった。
ふぅ。