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Scene no.3-17
start
ストリートの舗道を 玲子と一緒に 歩いている。
土曜の午後ということもあり 行き交う人々の足元に
クレッシェンドマークが 見える。
通りすがりのブティックのショーウィンドウ中央に
ディスプレーされているドレスがひと際眼を引いたのか
彼女は 足を止め興味深げに ジッと見ていた。
店に入ろうかと タカネが 話しかけても
彼女は、無言で サッサと 歩き出した。
その日は、お茶して笑顔で手を振るだけだった。
そして、翌週の土曜の午後 玲子は現れた。
彼女の着ていたその服は確かにタカネには見覚えのある洋服だった。
「玲子さん、いつもオシャレさんだねっ!」
「とっても お似合いだし、気に入ったから買ったんだねっ」
「パパに 買ってもらったの・・・」
声のトーンが あまり高くなかった。
その日の彼女の顔に いつもの笑顔はなく、
いつになく ご機嫌斜めのようだった。
口紅の色が濃く感じられ フレグランスの香りが きつく鼻についた。
そんな時は、変に 気を回してもしょうがなく
テーブルの下で 手のひらが 天井を見ているのを
彼女に 気付かれることはなかった。
そして、彼女の様子がいつもと違うことなど
然程 気にも留めていなかったし
なにも起こることは なかった・・・筈だった。
けれど、落ち着きのない雰囲気が 明らかに見てとれ、
それが 先ほどから席の端向かいの方から
視線を投げかけてくる中年男性の姿がそこにあった。
「ねぇ~ あのひとだれ~? 知り合い・・・!?」
別段 興味が遭ったわけもなく 何気なく尋ねたのだが・・・、
彼女の優しく意志のある視線が 宙を舞い
相変わらず言葉は 少なめだった・・・ が、
「パパ・・・!」 ポツリと 洩らした。
パパと言う 存在 ・・・、
今、地球が 自転していることを はっきりと確認していた。
タカネの世界が、グルグルと 廻っている・・・。
・・・つづく
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各地で暴風雨での被害に際しまして
心より お見舞い申し上げます。

