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Scene no.3-5
start
「お二人とも どちらに お出かけですか・・・?」
などと、ついタカネは お惚け風に茶化してしまう。
普段のケンジとタケシを見慣れているから、
つい差し出がましく言いたくなってしまうようだ・・・
ケンジは、きっちりとしたストライプのスーツを着ていた。
第一釦が 段返りになっている3つ釦型で、
モヘアトロピカルが 爽やかな印象を与えた。
クレリックシャツにドットのタイ、
胸にはブルーのアイビーホールドのポケットチーフが
ウイークポイントのようにちらりと覗き、
左耳にピアスを付けていた。
そんなケンジを見て タケシが、
「親から授けてもらった大事な身体に 穴開けて 何がいいんだ!」
などと相変わらずお説教まがいなことをひとくさり語る。
タケシは そういう奴だ。
そういう タケシは、
一般的に好感を抱かせるスタイルなのだろう・・・、
レイバンのグラスに ネイビーの皺皺のジャケットを着ていた。
上質のアイリッシュリネンは、
一見して すぐに分かる。
地風に光沢感があり 華奢な体型には似合わない、
マッチョな体型と 日焼けした肌に よく似合っている。
ただ 後ろのサイドベンツの裾が、
皺で少し跳ね気味なのが 少しばかり気になった。
ちょっとタイトなのかも・・・
タケシは ジーンズが嫌いなのか 穿いたのを見たことがない・・・
コットンチノのパンツに フロントラインの折り目を
いつも マメに アイロンを掛けている。
ズボンプレッサーを 勧めても アイロンで良いと言う。
シャツも 同じように 自分でアイロンを掛けるのが日課のようだ。
「アイロン掛けているときの蒸気の匂いが 堪らなく好きなんだ。」
などと笑う。
「それじゃ 奥さん 要らないねっ」
なんて 冗談も 左程 気にしている様子ではなかった。
マメな部分は もっと別のほうに使えばいいのに
と いつも タカネは思っていた。
しかし、今日の二人は 合コンに行くようだった。
「頼む、途中まで車に乗せてってくれっ」
と懇願され アシを引き受ける羽目になった。
日が長くなったとはいえ
そのレイバンは用を足すのかちょっとばかり疑問に思ったが、
まぁ それはそれで いいのかもしれない・・・
車内に入ってから タケシが、
「この車、随分静かだなっ」 と呟く、
最近のエコカーだから タケシが乗っている車と
その点は 雲泥の差があるのだろう・・・
彼は、ワーゲンビートルの愛好者で
彼がやってくると その車の音ですぐに分かった。
「新しいビートルに しないの・・・?」
と 言っても まったく関知していない・・・
「あれは 別物だっ」 などと、
部品の手配も儘にならないのも 何処吹く風なのだ。
名は体を現すというが、
彼の車はまさに彼の頑固さを物語っていた。
「今夜は、お二人 いいことありますように・・・」
二人と別れ際に そう言って タカネは 悪戯っぽく笑った。
・・・つづく
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