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ナオ子「今回のテーマは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』についての、哲学ミステリーです」
ノーマ「銀河鉄道の夜……。
私、読んだんですけど、何だか、ず~っと引っかかってた話だったんですよね」
ナオ子「引っかかってた?」
ノーマ「ええ……。
凄く幻想的で綺麗な物語のはずなのに、どこか、胸の奥がざわざわするというか……」
ナオ子「それでは今日は、その“ざわざわ”の正体を、一緒に考えてみましょう」
まず舞台は、どこの国ともはっきりしない、架空の町です。
主人公は、ジョバンニとカンパネルラという、二人の少年」
ナオ子「ただ、この二人、仲は良いんですけど、置かれている境遇はかなり違うんですよね」
ノーマ「そうなんです。
ジョバンニは貧しくて、放課後、みんなと遊びに行かずに、活版所で働いています。
お母さんは病気で寝たきり、お父さんは北の海に漁へ出たきり、何年も帰ってこない」
ナオ子「しかも、町の人たちは、お父さんが密漁で捕まったんじゃないかと噂している」
ノーマ「クラスメイトたちも、それを信じて、ジョバンニをからかうんですよね」
ナオ子「特にザネリたちが」
ノーマ「はい」
ノーマ「はい。…ジョバンニは、そんなわけで、ずーっとクラス内で孤立しています。
でも、そんな中で、カンパネルラだけは違う。無口だけど、ジョバンニのことを気にかけてる」
ナオ子「子供にしては、かなり繊細です」
ノーマ「でもジョバンニの方は、むしろカンパネルラを避けている感じもあります」
ナオ子「身分の差を意識してるんでしょうね」
ノーマ「でしょうね。
昔は仲良く家を行き来していたけど、今は違う。
ジョバンニは、自分はもう、カンパネルラの隣に立てないと思っている」
ナオ子「切ないですね……」
ナオ子「ええ。
あれ、助けてるんですよね。“ジョバンニだけが恥をかかないように”って。
カンパネルラは、ジョバンニへの友情や優しさを、今も捨てていないんです」
ノーマ「そして星祭り、ケンタウルス祭の夜。
ジョバンニは仕事を終えて、病気の母親のための牛乳を受け取りに行った帰り、一人ぼっちになります」
ナオ子「みんなの輪の中に入れない」
ノーマ「はい。
それで、広場でカンパネルラを探すんですけど、ザネリたちにまたからかわれる」
ナオ子「『お父さんが、ラッコの上着を持って来るよ』でしたっけ」
ノーマ「ええ。
ジョバンニは、いたたまれなくなって逃げ出します」
ナオ子「………」
ノーマ「そして、一人で夜空を見上げている時です。
突然、“銀河ステーション、銀河ステーション”という声が聞こえて――金剛石、つまりダイヤモンドをぶち撒けたような光とともに、突如、銀河鉄道が現れる」
ナオ子「この場面、圧倒されますよね」
ノーマ「はい。
夜空を走る列車という発想自体、日本文学では非常に独創的でした」
ナオ子「そしてジョバンニは、気付くといつの間にか、その列車の客席に座っていた」
ノーマ「最初は一人だと思っていたんですが、向かい側に、懐かしい顔が座っていました。
カンパネルラです」
ナオ子「やっと、二人きりになれたんですね」
ノーマ「ええ。
でもジョバンニは、どこか違和感を覚える。
カンパネルラの顔色が悪い。服も濡れているように見える」
ナオ子「しかも、言ってる言葉が妙なんですよね。
『みんなはね、ずいぶん走ったけれども 遅れてしまったよ。ザネリもね、ずいぶん走ったけれども 追いつかなかった。』」
ノーマ「まるで、何かがもう終わってしまった後みたいなんです」
ナオ子「でもジョバンニは、深く考えない」
ノーマ「はい。
ところが、カンパネルラは、さらにこんなことを言い出します。
ナオ子「この台詞、すごく重要ですよね」
ノーマ「ええ。
そして後でわかるんですが、この時点で、カンパネルラはすでに死んでいるんです」
ナオ子「ザネリを助けようとして、川に飛び込んだ…」
ノーマ「はい。
ザネリは助かった。でもカンパネルラは流されてしまった」
ナオ子「つまり、この銀河鉄道の旅は、死の直前、あるいは死後の幻想なんですね」
ところが――暫く二人は一緒に旅を続けているんですが、奇妙なことが起きる」
ナオ子「奇妙?」
ノーマ「カンパネルラは、こんなことを言い出すんです。
『あれが本当の天上なんだ。…ああ、あすこにいるの、ぼくのお母さんだよ。』」
ナオ子「……え?」
ノーマ「でも、その少し前では、『おっかさんは僕を許してくださるだろうか』と不安がるカンパネルラに対し、ジョバンニがビックリして、こう言ってるんです。
『きみのおっかさんは、なんにもひどいことないじゃないの。』」
ナオ子「つまり、“生きている母親”として会話してるんですよね。
ジョバンニの母親のように寝たきりの病人でもない、健康な体の…」
あと私、やっぱり最初に読んだ時、一番引っかかったんですけど…」
ナオ子「どこですか?」
ノーマ「カンパネルラのお母さんが、川に来ないことです」
ナオ子「………」
ノーマ「だって、一人息子が川に落ちたって言って、街中が捜索に大騒ぎしてるんですよ?あれだけ息子に慕われているお母さんですよ?
普通、探しに来ませんか」
ナオ子「来ますね……」
ノーマ「しかもカンパネルラ、銀河鉄道の中で、ずっと怯えてるみたいに、
『おっかさんは僕を許して下さるだろうか』って言うんです」
ナオ子「ええ」
ノーマ「これ、“死ぬのが怖い”というより、
“母親を悲しませてしまう”ことへの恐怖に聞こえるんですよ」
ナオ子「……そうですね」
ノーマ「なのに現実の場面では、その母親だけが描かれない」
ナオ子「……これは、どういうことなんでしょう」
ノーマ「はい。
後半は、“なぜカンパネルラの母親の存在が揺らいでいるのか”について、考えてみたいと思います。
――その前に、ここで一旦CMです」
(テーマ音楽♪)
(テーマ音楽♪)
ナオ子「さて、『銀河鉄道の夜』続きです」
ノーマ「はい。
ここからは、“カンパネルラの母親”について考えます」
ナオ子「私、最初は単純に、“設定の揺れ”かなと思ったんです」
ノーマ「推敲不足みたいな?」
ナオ子「はい。
『銀河鉄道の夜』って、未完の遺稿ですから」
ノーマ「でも、読み返してるうちに、少し考えが変わって来たんですね」
ナオ子「ええ。
たぶん賢治は、“設定を忘れた”んじゃない。
むしろ、自分の思想と感情が、ここでぶつかってるんです」
ノーマ「思想と感情?」
ナオ子「この作品では、“自己犠牲”が繰り返し、美しいものとして描かれます」
ノーマ「さそりの話とかですね」
ナオ子「はい。
“みんなの幸いのために、自分を燃やす”という思想です」
ノーマ「ジョバンニも、こう言いますよね」
『僕はもうあのさそりのように ほんとうにみんなの幸いのためならば 僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。』
ナオ子「でも、ここで問題が生まれるんです」
ノーマ「問題?」
ナオ子「“みんなの幸い”のために自分が死んだ時――
絶対に、幸せになれない人がいる」
ノーマ「……お母さん」
ナオ子「そうです」
ノーマ「………」
ナオ子「もちろん、誇りに思おうとする母親はいるかもしれません。
“息子は立派だった”と、自分に言い聞かせる人もいるでしょう」
ノーマ「でも、悲しみは消えない……」
ナオ子「ええ。
少なくとも賢治には、“母親が完全に納得して、自己犠牲を祝福する姿”は、書けなかったんじゃないかと思うんです」
ノーマ「だから、カンパネルラはあんなに、“おっかさんは僕を許してくれるだろうか”って怯えていた……」
ナオ子「そうです。
あれ、“死ぬのが怖い”というより、“母親を不幸にしてしまうこと”への恐怖なんですよ」
ノーマ「うわぁ……」
ナオ子「しかもカンパネルラ、自分でこう言うんです」
『いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸いなんだろう。』
ノーマ「………」
ナオ子「でも、本当はもう、答えを知ってるんですよ。
“生きて帰ること”だって」
ノーマ「……あ……」
ナオ子「だから賢治は、そこで揺らいだんだと思います」
ノーマ「揺らいだ?」
ナオ子「頭では、“自己犠牲は美しい”と信じたい。
でも感情では、“母親はそんなふうに割り切れない”と知っている」
ノーマ「………」
ノーマ「“みんなのさいわい”の、“みんな”の中に、母親だけは含まれていない……
残された母親を描くと、どんな美しい自己犠牲でも、いっぺんで無効化される……」
ノーマ「つまり、“設定ミス”じゃなくて……」
ナオ子「賢治自身の迷い、なんです」
ノーマ「うわあぁ……」
ナオ子「だから私は、この作品って、“自己犠牲を賛美した物語”というより、“本当の幸いとは何か、最後まで迷い続けた物語”なんじゃないかと思うんです」
ノーマ「確かに……。
ジョバンニも“みんなのほんとうの幸いを探す”って言ってますもんね」
ナオ子「はい。
つまり、答えはまだ出ていない」
ノーマ「……難しいですね」
ナオ子「難しいです。
誰かの幸せのために、自分を犠牲にすることは、本当に正しいのか。
そして、その“誰か”の中には、自分を愛している人も含まれているのか」
ナオ子「賢治も、最後まで悩んでいたのかもしれませんね」
ノーマ「……本当の幸いって、何なんでしょう」
ナオ子「強いて言うなら――
“誰か一人の犠牲の上に成り立たない幸せ”を、考え続けることかもしれません」
ナオ子「はい。でも、だからこそ、人は考え続けるんだと思います。
皆さんは、どう考えますか?」
この番組は「M’sバーガー」の提供でお送りいたしました。
登場人物&設定
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「14のロマンスより『そんなことはない!』」ラフマニノフ
…そんなはずがあるか!そんなはずはない!
彼女は生きている!今にも目を覚ますんだ…
見ろ、話そうとしているんだ
目を開けて、微笑んで、僕を見て、理解するだろう
僕の慰めようのない涙の意味を
そしてすぐに、微笑みながらささやくだろう
「ねえ、私は生きているのよ!あの人ったら一体、どうして泣いているの?」
いや、違う!横たわっている……静かに、無言で、動かずに……
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土浦駅前の天ぷら専門店「八起」さん。
天ぷらの盛り合わせ、この写真の二皿併せて2000円。
末尾に8の付く日だと更に半額で1000円!
天ぷら「専門店」で、このお値段。
夫婦でこれ一つ頼んで、お腹いっぱいに。
勿論、すっごく美味しかったです!
今時、採算は取れているんだろうか?
と心配になるお安さです。
天ぷら八起 アクセスは此方↓
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