シスキン君「た、た、ただいまなんだぜ!」
 
ロビンちゃん「シスキン君ったら、遅いよ!
今日は『ノーマとナオ子の「THE☆談!」』の放送日だって、言っといたじゃないか」
 
マレットちゃん「もう始まってますっ。早く早く!」
 
シスキン君「ちょ、ちょっと待ってくれなんだぜ!
走って来たんだよ、だんぜん大急ぎで」
 
クックちゃん「大丈夫だよ。まだテーマ曲始まったばかりだから!」
 
ロビンちゃん「うん。シスキン君のお茶入れて、ケーキ切っておくから、椅子、持って来てね」
 
シスキン君「た、助かるんだぜ!」

 

 

・・・・・

 

 

(テーマ音楽♪)

ノーマ「は〜い、今週も始まりました。…私、ノーマ・キアステンと」

 

ナオ子「桜貝ナオ子の」

 

ノーマ&ナオ子「THE☆談!」

 

ナオ子「今回のテーマは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』についての、哲学ミステリーです」

 

ノーマ「銀河鉄道の夜……。
私、読んだんですけど、何だか、ず~っと引っかかってた話だったんですよね」

 

ナオ子「引っかかってた?」

 

ノーマ「ええ……。
凄く幻想的で綺麗な物語のはずなのに、どこか、胸の奥がざわざわするというか……」

 

ナオ子「それでは今日は、その“ざわざわ”の正体を、一緒に考えてみましょう」

 
ノーマ「はい。
まず舞台は、どこの国ともはっきりしない、架空の町です。
主人公は、ジョバンニとカンパネルラという、二人の少年」
 

ナオ子「ただ、この二人、仲は良いんですけど、置かれている境遇はかなり違うんですよね」

 

ノーマ「そうなんです。
ジョバンニは貧しくて、放課後、みんなと遊びに行かずに、活版所で働いています。
お母さんは病気で寝たきり、お父さんは北の海に漁へ出たきり、何年も帰ってこない」

 

ナオ子「しかも、町の人たちは、お父さんが密漁で捕まったんじゃないかと噂している」

 

ノーマ「クラスメイトたちも、それを信じて、ジョバンニをからかうんですよね」

 

ナオ子「特にザネリたちが」

 

ノーマ「はい」

ナオ子「それにしても、奥さんにまで疑われてるって、この父親、連絡くらい寄越せばいいのに…」
 
ノーマ「お母さんは病気のせいで、疑心暗鬼になってしまっているのかもしれないですね。
後に判るんですが、親友であるカンパネルラのお父さんなんかの方が、かえって、彼を全く疑ってないんですよ。
ジョバンニのお父さんは、良い仕事をする誠実な漁師だと信頼し、尊敬している。
学校の先生も、ジョバンニのお父さんが持って来て寄贈した標本を、今も教材として大事に使っています」
 
ナオ子「なるほど…」
 

ノーマ「はい。…ジョバンニは、そんなわけで、ずーっとクラス内で孤立しています。

でも、そんな中で、カンパネルラだけは違う。無口だけど、ジョバンニのことを気にかけてる」

ナオ子「子供にしては、かなり繊細です」

 

ノーマ「でもジョバンニの方は、むしろカンパネルラを避けている感じもあります」

 

ナオ子「身分の差を意識してるんでしょうね」

ノーマ「でしょうね。
昔は仲良く家を行き来していたけど、今は違う。
ジョバンニは、自分はもう、カンパネルラの隣に立てないと思っている」

 

ナオ子「切ないですね……」

 
ノーマ「先生に当てられたジョバンニが答えられなくなった時、自分も一緒に黙って立っていた場面とか、象徴的ですよね」
 

ナオ子「ええ。
あれ、助けてるんですよね。“ジョバンニだけが恥をかかないように”って。

カンパネルラは、ジョバンニへの友情や優しさを、今も捨てていないんです」

 

ノーマ「そして星祭り、ケンタウルス祭の夜。
ジョバンニは仕事を終えて、病気の母親のための牛乳を受け取りに行った帰り、一人ぼっちになります」

ナオ子「みんなの輪の中に入れない」

 

ノーマ「はい。
それで、広場でカンパネルラを探すんですけど、ザネリたちにまたからかわれる」

 

ナオ子「『お父さんが、ラッコの上着を持って来るよ』でしたっけ」

 

ノーマ「ええ。
ジョバンニは、いたたまれなくなって逃げ出します」

 

ナオ子「………」

ノーマ「そして、一人で夜空を見上げている時です。
突然、“銀河ステーション、銀河ステーション”という声が聞こえて――金剛石、つまりダイヤモンドをぶち撒けたような光とともに、突如、銀河鉄道が現れる」

 

ナオ子「この場面、圧倒されますよね」

 

ノーマ「はい。
夜空を走る列車という発想自体、日本文学では非常に独創的でした」

 

ナオ子「そしてジョバンニは、気付くといつの間にか、その列車の客席に座っていた」

 

ノーマ「最初は一人だと思っていたんですが、向かい側に、懐かしい顔が座っていました。
カンパネルラです」

 

ナオ子「やっと、二人きりになれたんですね」

ノーマ「ええ。
でもジョバンニは、どこか違和感を覚える。
カンパネルラの顔色が悪い。服も濡れているように見える」

 

ナオ子「しかも、言ってる言葉が妙なんですよね。

『みんなはね、ずいぶん走ったけれども 遅れてしまったよ。ザネリもね、ずいぶん走ったけれども 追いつかなかった。』」

ノーマ「まるで、何かがもう終わってしまった後みたいなんです」

 

ナオ子「でもジョバンニは、深く考えない」

 

ノーマ「はい。
ところが、カンパネルラは、さらにこんなことを言い出します。

『ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸いになるなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸いなんだろう。』」

ナオ子「この台詞、すごく重要ですよね」

 

ノーマ「ええ。
そして後でわかるんですが、この時点で、カンパネルラはすでに死んでいるんです」

 

ナオ子「ザネリを助けようとして、川に飛び込んだ…」

ノーマ「はい。
ザネリは助かった。でもカンパネルラは流されてしまった」

 

ナオ子「つまり、この銀河鉄道の旅は、死の直前、あるいは死後の幻想なんですね」

ノーマ「そう考えられています。
ところが――暫く二人は一緒に旅を続けているんですが、奇妙なことが起きる」
 

ナオ子「奇妙?」

 

ノーマ「カンパネルラは、こんなことを言い出すんです。

『あれが本当の天上なんだ。…ああ、あすこにいるの、ぼくのお母さんだよ。』」

 

ナオ子「……え?」

ノーマ「でも、その少し前では、『おっかさんは僕を許してくださるだろうか』と不安がるカンパネルラに対し、ジョバンニがビックリして、こう言ってるんです。

『きみのおっかさんは、なんにもひどいことないじゃないの。』」

 

ナオ子「つまり、“生きている母親”として会話してるんですよね。

ジョバンニの母親のように寝たきりの病人でもない、健康な体の…」

ノーマ「そうなんです。
なのに後半では、“天上にいる母親”みたいに描かれる。

あと私、やっぱり最初に読んだ時、一番引っかかったんですけど…」

 

ナオ子「どこですか?」

 

ノーマ「カンパネルラのお母さんが、川に来ないことです」

 

ナオ子「………」

ノーマ「だって、一人息子が川に落ちたって言って、街中が捜索に大騒ぎしてるんですよ?あれだけ息子に慕われているお母さんですよ?
普通、探しに来ませんか」

 

ナオ子「来ますね……」

ノーマ「しかもカンパネルラ、銀河鉄道の中で、ずっと怯えてるみたいに、
『おっかさんは僕を許して下さるだろうか』って言うんです」

 

ナオ子「ええ」

 

ノーマ「これ、“死ぬのが怖い”というより、
“母親を悲しませてしまう”ことへの恐怖に聞こえるんですよ」

 

ナオ子「……そうですね」

 

ノーマ「なのに現実の場面では、その母親だけが描かれない」

ナオ子「……これは、どういうことなんでしょう」

 

ノーマ「はい。
後半は、“なぜカンパネルラの母親の存在が揺らいでいるのか”について、考えてみたいと思います。
――その前に、ここで一旦CMです」

 

(テーマ音楽♪)

 
 
 
 

(テーマ音楽♪)

 

ナオ子「さて、『銀河鉄道の夜』続きです」

 

ノーマ「はい。
ここからは、“カンパネルラの母親”について考えます」

ナオ子「私、最初は単純に、“設定の揺れ”かなと思ったんです」

 

ノーマ「推敲不足みたいな?」

ナオ子「はい。
『銀河鉄道の夜』って、未完の遺稿ですから」

 

ノーマ「でも、読み返してるうちに、少し考えが変わって来たんですね」

 

ナオ子「ええ。
たぶん賢治は、“設定を忘れた”んじゃない。
むしろ、自分の思想と感情が、ここでぶつかってるんです」

ノーマ「思想と感情?」

 

ナオ子「この作品では、“自己犠牲”が繰り返し、美しいものとして描かれます」

 

ノーマ「さそりの話とかですね」

 

ナオ子「はい。
“みんなの幸いのために、自分を燃やす”という思想です」

ノーマ「ジョバンニも、こう言いますよね」

『僕はもうあのさそりのように ほんとうにみんなの幸いのためならば 僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。』

 

ナオ子「でも、ここで問題が生まれるんです」

 

ノーマ「問題?」

ナオ子「“みんなの幸い”のために自分が死んだ時――

絶対に、幸せになれない人がいる」

 

ノーマ「……お母さん」

 

ナオ子「そうです」

 

ノーマ「………」

ナオ子「もちろん、誇りに思おうとする母親はいるかもしれません。
“息子は立派だった”と、自分に言い聞かせる人もいるでしょう」

 

ノーマ「でも、悲しみは消えない……」

ナオ子「ええ。
少なくとも賢治には、“母親が完全に納得して、自己犠牲を祝福する姿”は、書けなかったんじゃないかと思うんです」

 

ノーマ「だから、カンパネルラはあんなに、“おっかさんは僕を許してくれるだろうか”って怯えていた……」

 

ナオ子「そうです。
あれ、“死ぬのが怖い”というより、“母親を不幸にしてしまうこと”への恐怖なんですよ」

ノーマ「うわぁ……」

 

ナオ子「しかもカンパネルラ、自分でこう言うんです」

『いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸いなんだろう。』

 

ノーマ「………」

 

ナオ子「でも、本当はもう、答えを知ってるんですよ。
“生きて帰ること”だって」

ノーマ「……あ……」

 

ナオ子「だから賢治は、そこで揺らいだんだと思います」

 

ノーマ「揺らいだ?」

 

ナオ子「頭では、“自己犠牲は美しい”と信じたい。
でも感情では、“母親はそんなふうに割り切れない”と知っている」

ノーマ「………」

 

ナオ子「悲しみを堪えて、真っ直ぐ立って『もう駄目です』と言う父親なら、賢治は何とかギリギリ書けた。
母親でそれは、絶対に無理だって、途中で気付いたんです。たとえ創作であっても、書けなかった」

ノーマ「“みんなのさいわい”の、“みんな”の中に、母親だけは含まれていない……

残された母親を描くと、どんな美しい自己犠牲でも、いっぺんで無効化される……」

 

ナオ子「ええ。その矛盾が、“母親は生きているのか、死んでいるのか”という、奇妙な揺らぎとして、作品の中に噴き出しているんじゃないでしょうか」

ノーマ「つまり、“設定ミス”じゃなくて……」

 

ナオ子「賢治自身の迷い、なんです」

ノーマ「うわあぁ……」

 

ナオ子「だから私は、この作品って、“自己犠牲を賛美した物語”というより、“本当の幸いとは何か、最後まで迷い続けた物語”なんじゃないかと思うんです」

ノーマ「確かに……。
ジョバンニも“みんなのほんとうの幸いを探す”って言ってますもんね」

 

ナオ子「はい。
つまり、答えはまだ出ていない」

ノーマ「……難しいですね」

 

ナオ子「難しいです。
誰かの幸せのために、自分を犠牲にすることは、本当に正しいのか。
そして、その“誰か”の中には、自分を愛している人も含まれているのか」

 

ノーマ「……」

ナオ子「賢治も、最後まで悩んでいたのかもしれませんね」

 

ノーマ「……本当の幸いって、何なんでしょう」

 

ナオ子「強いて言うなら――
“誰か一人の犠牲の上に成り立たない幸せ”を、考え続けることかもしれません」

ノーマ「難しいですね……」

 

ナオ子「はい。でも、だからこそ、人は考え続けるんだと思います。
皆さんは、どう考えますか?」

 

この番組は「M’sバーガー」の提供でお送りいたしました。

 
・・・・・
 
これまでのお話

・・・・・

 

「14のロマンスより『そんなことはない!』」ラフマニノフ

…そんなはずがあるか!そんなはずはない!

彼女は生きている!今にも目を覚ますんだ…

見ろ、話そうとしているんだ

目を開けて、微笑んで、僕を見て、理解するだろう

僕の慰めようのない涙の意味を

そしてすぐに、微笑みながらささやくだろう

「ねえ、私は生きているのよ!あの人ったら一体、どうして泣いているの?」

いや、違う!横たわっている……静かに、無言で、動かずに……

 

・・・・・

 

土浦駅前の天ぷら専門店「八起」さん。

 

天ぷらの盛り合わせ、この写真の二皿併せて2000円。

末尾に8の付く日だと更に半額で1000円!

 

天ぷら「専門店」で、このお値段。

夫婦でこれ一つ頼んで、お腹いっぱいに。

勿論、すっごく美味しかったです!

 

今時、採算は取れているんだろうか?

と心配になるお安さです。

 

 
寒くなったり、暑くなったり…
皆さん、お体大丈夫でしょうか。
 
ただ、真夏になると絶対、
「たまに涼しくなるあの5月末頃は、まだ過ごしやすかったなあ…」ってなりそうですよね。
 
これから来るであろう猛暑、どのくらい暑くなるのか心配ですが…
皆さん、変わりやすい気候にお気をつけて、この時期を健康にお過ごし下さいませ。