私は子供を産んで間もなく離婚し、今日まで ひとりでやってきた。
恋愛や再婚をしない主義ではないけれど、子育て、家事、仕事、バイト、とても そんな浮ついた気持ちになれるほど、心にも時間にも余裕がなかった
今の時代は離婚しても養育費がきちんともらえたり、子供との面会があったりしているけれど、私が離婚した頃は、まだ世の中にこんなにバツイチなんか居なくて、養育費の約束なんかしたって いずれ滞るというのが当たり前にあって、私は振込の有無で毎月神経を擦り減らしながら暮らすのは嫌だと思ったし、離婚時は信じたとしても、お互い時間と共に環境も変われば確約なんて無いと思っていたので、変な約束事はしたくなくて、何も受け取らない選択をしたし、その代わり私達の事は忘れて欲しい、一切関わらないで欲しいと言った。
母子家庭の手当も、もらわなかった。
正確には離婚時にそういう手当がある事を知らなかったし、説明もなかったから、ただ離婚届を提出しただけ。
その後そういう手当があると知って役所に行ったけど、税金を使う訳だから いろいろと制約もあり、当時はまだ若かったので、守れる約束は出来ない気がして申請しなかった。
バカ正直というか…
男と住んでたって上手くやって もらい続けてたり、本当は子供を実家に預けっぱなしなのにもらっていたり、ズルく立ち回っている人ばかりだけど、私は子供の母親として、クリーンでいたかった。
ズルさなんか身に付けるより、正直に育って欲しかったし、その為にも自分がズルしたらダメだとも思ったし。
子供を育て上げ、社会に送り出し、これからは老後資金も作らなきゃと思った矢先、突然 病気になって、2年くらいは毎日が死と隣り合わせの状態を繰り返して、僅かな貯蓄は治療と療養に消えた
そんな中で、正社員だけど手取14万で、老後資金どころじゃないっていうか、まず日々を楽しんで生きようと思った。
死にかけたからこそ、そう思ったっていうか…。
だって、どこも似た給料なら どうしようもないもん。
安いだ、少ないだ、悩んだり騒いだところで、結局もらった額でやるしかないじゃん…。
転職しても同じ、大手に入る学歴も年齢もないもん。
保険とか最低限だけど、別に連れ合いが居る訳でもないし、いつもカツカツでの生活だけど、食べたい物も食べられて、お酒も飲めて、なんか そんな事も幸せだなぁと思えるのは、死にそうな2年があったからだと思う。
私が働く原動力って『家族』なんだよね。
子供、『まめ』、父。
アラサーの子供に何をするって訳でもないけれど、子供に出来るだけ迷惑かけないように、『まめ』と出来るだけ長い時間を共に出来るように、父に冥土の土産ではないけれど、もう後期高齢者だし、あまり悩み事を持たず楽しく生活して欲しい。
その思いがあるから、病気でも何でも やれるだけ働こうって思える。
もしも ひとりだったら、きっと もう働いてない。
手取14万より生活保護の方が高いみたいだし