思えば、家族全員で決めたあの日のためのあれこれ。

まっとうな人たちは、
眉を顰めるかもしれない。

でも4人で一致して決めたのだから、
それが一番なんだ。
5人で一つのへんてこ家族だったんだからそれでいいんだ。

宗教葬はしない。
お別れ式の形の火葬式。
だから戒名はいらない。
骨壷は、一番派手な柄物にした。
生前一番充実していた世界で使っていたハンドルネームも併記した。
骨箱のカバーは、好きな世界観に寄せて、
黒地に十字架を選んだ。
位牌の表には名前だけ刻んだ。
本当はとても入れる心境ではなかったが、
裏にいちおう命日を入れた。
一番入れたくなかったけれども、
仕方なく「享年」を入れた(少し後悔)。

すぐ必要だったものは、どうしますかどうしますかと急かされて、
カタログ見せられて、
全員がこれにする、ってなったんだから、それでよかった。
きっと見えないもう一人分の指も、
それを指していたと思う。

もしこの先、あの子を仏弟子にしてやりたいと、
私たち両親が思ったら戒名をつけるかもしれない。
でもみんなまだ隣にいると思っているから、成仏などしなくていい。


一つだけ言えるのは、
逆縁はこの世の摂理に反することだから、
どう見送ろうと悼もうと、フリーダムなんだ。誰も何も指図できない不条理なんだ。