最近、 高田純次 をCMで頻繁に目にします。
「BIG 6億円クジ」と、「WILLCOM」です。
あと、「ZOZOTOWN」とか、他にもあるようですが...

私は、「BIG 6億円クジ」の方のCMを見るたびに、せつない気分にさせられていました。

内容は、こんな感じ。

 1 都会の上空を、覆面をした男が尻からの噴射で飛んでいる。
 2 覆面男、ビルの屋上に降り立つ
 3 若い女性が、不良らしき男たちに囲まれている。
 4 「きゃあ、助けて~!」
 5 覆面男、あっさりと、「それは無理です。」
 6 不良たち、振り返って覆面男に凄み、「誰だ、オマエ?」
 7 覆面男、全身で「6」の文字のポーズをとり、「6億円、BIGマン!」
 9 女、
 9’ 「最高6億円クジね?」
 14 女と不良たち全員で、クジ売り場の列に並び、
 15 不良:
 15’ 「当たるのか?」
 16 覆面男:「当たりたいなら買うしかない!」
 18 クジを買い終わり、既に不良たちはいなくなっている。
 19 女:「ところであなたの正体は?」
 23 覆面男:「クレオパトラです。」
 24 覆面男がアップになり、「ワハハハ!」と高笑い
 25 ナレーション:「BIG!今年も発売開始!」

このCMが残念なのは、
せっかくの高田純次の持ち味が活かされていない事です。

  ちなみに、「WILLCOM」のCMは、成功例です。
  こちらのCMは、見ていて楽しいです。
  シリーズ化、というか、バリエーションが多いので、同時に複数の作品が
  オンエアされているようです。
  現在流れているのは、「ドン引き編」とでも言うのでしょうか。

不快だと思うシーンが、23→24の場面です。

23 覆面男:「クレオパトラです。」
24 覆面男がアップになり、「ワハハハ!」と高笑い

この場面のつなぎがダメすぎて、腹がたつくらいです。

完全に高田純次を殺してます。

最初に見た時には、
「このCMの制作者(脚本家? 監督?)は、高田純次を理解してないのでは?」
と思いました。

「”適当な事を平然と言い切っても許される愛されキャラ”という認識止まりで、
 『ヤツにデタラメを言わせれば、キャラの魅力で面白CMができあがるだろう』
 との浅い考えで作ったんじゃないか?」
とまで想像しました。

高田純次の魅力は、ボケとツッコミの成立にあると思います。

よく、インタビューにデタラメな返事をして、それを「爆笑インタビュー」として
広く受け入れられてますが、実際にはボケて終わっている訳ではありません。

高田純次のデタラメ発言に、インタビュアが、

 → 「何言ってるんですか!?」、
 → 「えっ?」、
 → 「またまたバカな事を!」、
 → 「...(無言で苦笑い)」、
 → 「...ポカーンとした顔)」、

と、受け方はバラバラですが、彼らの対応がツッコミとなっているのです。

テレビカメラに向かってのデタラメ発言には、視聴者側が、

→ 「何だ、○○って? バカじゃないの!?」

と、心の中でツッコミをいれているはずです。

テレビ共演者もしくは視聴者自身によるボケ/ツッコミの流れがあって、
視聴者も高田純次の計算、あるいは無意識にまで高められたボケの反射能力に
賞賛を送るのです。

ボケとツッコミの図式を例えるならば、「ダウンタウン」。

松本の高度なボケには、子供の頃から付き合いのあった相方ならではの
遠慮ないキビしい浜田のツッコミでないとつとまりません。
浜田の代わりに、吉本の後輩芸人などが松本にツッコミを入れても、
遠慮や上下関係から、生ぬるいものとなるはずです。
未だに、浜田に取って代われるツッコミ芸人は見た事がありません。

この松本も、浜田のツッコミがない番組では、一気に輝きを失います。

昔の「ひとりごっつ」は、ニヤリとする笑いはあっても、爆笑までには行きません。
「絶対にすべらない話」などは、共演の中堅芸人の力を借りて、笑いを取っている
感じがします。

最近は見ませんが、以前の「ガキの使い」では、毎回、企画コーナーの後の二人の
フリートークがありましたが、もう大爆笑でした。

練られたネタではなく、アドリブのような掛け合いなのに、このやり取りが死ぬほど面白かった。

神がかったボケを発する松本に、これ以上ないというタ絶妙のタイミングで
ツッコミを入れる浜田。

このコンビ連携があって、初めてダウンタウンの面白さが成立します。

今なら、深夜にやっている「さまーず」の番組で二人がやっているフリートークが、
「ガキ使」の頃のダウンタウンに近い感じがして、今でも笑えます。


これを踏まえて、成功例のWILLCOMのCMを振り返ってみると、

高田純次のペラペラに薄い人格が発するデタラメな発言(ボケ)に対しては、
佐々木希が主にツッコミ役となって切り返しています。

<ナハシコム枕編>
  離れた場所で通話中の二人、
     (途中省略) 
  高田:「おじさんねぇ、ピロートークにちょうどいい下ネタをを知っているんだ…」
      →エロネタによるボケ
  希 :怒ってブチッと通話を切って、そっぽを向いて寝てしまう。
      →黙殺するツッコミ

<ドン引きキャンペーン編1>
     (前半省略)  
  高田:「えっ、なになにも一度言って?おじさんの鼓膜、さっき怒って帰っちゃったんだよ!」      →デタラメ言動のボケ
  蛭子:「よくあるよねぇ!」
      →デタラメ言動のボケその2
  希 :冷静な顔で、「いや、ないです!」
      →ツッコミ

<ドン引きキャンペーン編2> 
  高田、蛭子、ちょっとヒワイなポーズを交えて、
      「ドンドン引き引き、ど~ん引き!ドンドン引き引き、ハッ!」
      と踊り、希に続きを振る。
      →ボケ
  希 、笑顔でソファから立ち上がり、むしろ楽しそうに、
      「ドンドン引き引き、ど~ん引き!ドンドン引き引き、ハッ!」
      と同じ振り付けで踊り、もこみちに続きを振る。
      →ボケ2
  もこみち、希の意外な行動にあっけに取られた顔で希の顔を覗き込む。
      →「ポカーン」の態度によるツッコミ

このように、どれも高田純次のボケにちゃんとツッコミで対応しているから、
彼の面白さが活きてきています。

BIG 6億円クジに戻って、23→24の場面。
23 覆面男:「クレオパトラです。」
    →ボケ
24 覆面男がアップになり、「ワハハハ!」と高笑い

⑨高田:「クレオパトラです!」(ボケ)
⑩高田:アップになり、「ワッハッハ...」と豪快に笑う

23のボケへのツッコミがありません。

間を空けずに、24の高笑いにつながるので、高田純次が自分の発したくだらない
ギャグに大受けする見苦しい親父にしか映りません。

せっかくのボケが、ツッコミによってギャグへと昇華されていないのです。

(もっとも、「クレオパトラ」という選択も、ボケとしてはどうかと思いますが…)

最初にこのCMを見たときには、冒頭に書いた通り、制作者が高田純次の笑いを
理解しないで作ったからだと思っていました。

しかし、後になって、ロングバージョン(30秒バージョン)の存在を知って、
ちょっと考えが変わりました。

30秒バージョンではちょっと事情が違います。


今週、初めて目にしました。
内容はこんな感じです。

嵐の二宮くんが、コンビニのレジで支払いをしようとすると、
カウンターの陰からタキシード姿のカエルが声をかけてくる。

カエル:「それ、JCBカードで支払ってよ!」

二宮くん、びっくりして、
「なんだ、オマエ?」

カエル、二宮君に歩み寄って、
「私、キムラです。カエルにされてしまったの。」

カエルの回想シーンが始まる。

人けのない暗い林の中、いかにも魔女らしき老婆がカエルに向かって告げる。
魔女:「JCBカードの会員数が世界一に増えたら、元に戻そう!」

実はこのカエルは、魔法使いによってカエルにされてしまった人間だった。

カエル:「だから、JCBに入ってよ!」

詰め寄るカエルに、困惑顔の二宮くん、「いや、俺もう入っているから...」

カエル、「ゲロゲ~ロ」と叫んで飛び上がる。

二宮くんのナレーション:「買い物は世界を救う。JCBカード」


爆笑してしまいました。

カエルの声は落ち着いた大人の女性のもので、「キムラ」とい名前からも
おそらく木村多江さんでしょう。

さて、ここでひとつ疑問が湧きました。
CM企画時点でも、カエル役には木村多江さんだったでしょうか?

木村カエラで作った方が、シャレが効いていたのでは??

「キムラ」と名乗るカエルは、実はカエラだったという隠されたダジャレ...
その事実は公表されないまま、勝手にネットで噂にのぼり、メディアでも取り上げ
られて、改めてみんなが
「あぁ、なるほど!」
と感心するという、長期にわたる話題作り。

本当は、それを狙ってCM制作が始まったけれど、何かの事情で、
途中で多江さんに変更になったのではないか、と。

 同じ時期に、カエラさんの方は、キシリッシュガムの新CMが放映されています。
 こちらも、出産を終えたカエラさんが、怪しいかぶりものをして、misonoのような
 ウザい関西弁でまくしたてるユーモア溢れる作品に仕上がっています。

実際、あの映像に当てる声としては、カエラさんの方がふさわしかったのかも。

カエラさんなら、いくら妻、そして母になったとは言え、もう少しガチャガチャした
落ち着きのないセリフになった事でしょう。

あの展開なら、二宮くんの演技とカエラさんのガチャガチャ声の組み合わせは、
むしろ非常にマッチしたと思います。
結果として、コミカルで良いデキのCMに仕上がった事と思います。

しかし、このCMの凄かったところは、あえてイメージにそぐわない木村多江さんを
抜擢した事にあるように思えます。

何といっても、あの民主党の小沢一郎そっくりの腫れぼったい目をしたカエルが、
あんなにしっとりとしたいい声でしゃべるミスマッチ感がたまりません。

しかも、その抑揚のない話し方は、もはや感情を殺しているような感すらあります。
その低いテンションのまま、美人女優がまさかの「ゲロゲ~ロ」発言!

あぁ、その音入れの現場を覗いてみたい!

また、多江さんの声以外でも印象に残るのが、カエルの顔のアップ。

牧伸二そっくりの切れ目のようなマブタで魔法使いを見上げるシーンには、
よくマンガで使われる、「・・・・」という無言状態が表現されています。
映像でこの無言表現をする時は、大概は呆然とした様を表しますが、
このカエルの「・・・・」は、その「間」といい、表情といい、
本当に4コママンガで使われるような「・・・・」なのです。
これが多江さん本人だったら、降り掛かった不幸に悲痛の表情を浮かべた
シーンになったでしょうが、映像はカエルの無表情なボンヤリ顔。
そのあまりに状況にそぐわないボンヤリ顔が、逆にいい味だしてます。

もうひとつの笑いポイントは、
多江さんカエルが「ゲロゲ~ロ!」といいながら飛び上がるシーン。
いくら、カエル = ジャンプ の図式があっても、
必然性もないのにジャンプさせる事はないじゃないかと普通は思うでしょう。
しかも、通常の四つんばいの体勢からならともかく、2本足で直立しているのに?

そんな疑問をあざ笑うかのように、多江さんカエルはなんの前触れもなしに、
その場でスーっと浮かび上がります。
それは、決してジャンプではありません。浮かび上がるのです。

既にお約束となったコメディアンの「ボケ」のポーズを見せられたような錯覚を
起こす程です。

タイミングといい、その唐突さといい、ツボにはまってしまいました。
大変秀逸なCMです。

出勤前に朝の情報番組を見ていたら、早くも別バージョンが流れていました。
身支度をしていた最中だったので、途中まで気がつきませんでしたが、
タクシーに乗り込む二宮くんと多江さんカエルのシチュエーションでした。

ぜひ、いろいろなバージョンを見てみたいと思います。


芦田愛菜ちゃんが、ひよこの着ぐるみを着てチキンラーメンを満載した
カートを押しながら歌うバージョン。

愛菜ちゃんが可愛いかどうかはさておいて、
気になるのは、途中で出会ったおばさんが、

「ボクちゃん、う・る・さ・い!」

とたしなめるところ。


まず、状況的にも、静かにすべき場所で騒いでいる訳でもないし、
「うるさい」とまで言われてしまうのは、
CMを見ている側にしても心外です。

なにより、あんな幼児に対して、いい大人が、
「うるさい」などと直接的な文句を言うでしょうか?

「声が大きいわよ。」

「もう少し静かにしてね。」

など、もっとふさわしい言い方はいくらでもあると思うのですが。


CMの演出上では、愛菜ちゃんが男の子に間違われ、ションボリと落ち込んで
しまう所が軸になって展開しているのでしょうが、

いくらおばさんの言い方が優し目とはいえ、

「うるさい」

と、子供に対しては過激にも聞こえてしまうセリフのせいで、

そのあとに続く、

「ぼくちゃんじゃないもん。シュン!」

という、思わずキュンとなってしまう愛菜ちゃんのオチの演技があっても、
後味が悪く思えてしまうのです。