水球のチームを任された僕には、一つの目標がありました。
それは、
世界で戦える水球選手を育てること。
そして、オリンピック選手を輩出すること。
当時、僕はこう考えました。
水泳競技には、
競泳、飛び込み、アーティスティックスイミング、そして水球があります。
その中で、競泳では日本から世界で戦う選手が出ている。
オリンピック選手も育っている。
では、
なぜ水球では同じように選手が育たないのか?
ここが僕の問題意識でした。
そこで、スイミングクラブにいるという環境を利用して、競泳のジュニア育成について徹底的に勉強しました。
競泳選手は、どのようにジュニアから育てられているのか。
どんな練習をしているのか。
どの段階で、何を身につけさせているのか。
それを研究して、
「競泳で行われている育成方法を、水球にも取り入れられないか?」
と考えました。
そして、水球のジュニア育成に取り入れていきました。
ところが――。
簡単には結果が出ません。
1年。
2年。
3年。
……。
気がつけば、
7年間。
7年間、思うような結果が出ませんでした。
でも、不思議と「もうやめよう」とは思わなかった。
なぜなら、
「まだ問題の解決方法が見つかっていないだけだ」
と思っていたからです。
できない理由を探すのではなく、
「何が足りないんだ?」
と考え続けました。
技術なのか。
体力なのか。
練習方法なのか。
育成システムなのか。
そして7年目。
ついに、
「これじゃないか?」
というものが見えてきました。
それは、今まで一生懸命取り組んできた、
技術でも体力でもありませんでした。
もっと別のところにあったんです。
メンタルでした。
そして、それに気づくきっかけになったのが、ある試合でした。
しかも、その試合は、
僕の指導人生の中でも忘れられない試合になりました。
つづく。
