TTT (Teacher Talking Time)が合言葉 | After Five English ネイティブ感覚で英語がしゃべりたくなるブログ☆

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こんばんは。
Kumikoです。
春をカウントダウンしているところです(笑)
それぐらい春が好きなのです


さて、今日は私が教えいている英語プログラム LINC についてちょっと
話そうかなと思います。

LINC (Language Instructions for Newcomers) は、以前は ELSA (English Language Services for Adults) と呼ばれておりました。呼称が変わったのは、2013年の春でして、レベルの呼び方も ELSA 4 が LINC 5 と、変更しました。

この呼称の変更に関しては、管轄が変わったからなのです(以前は州政府と連邦政府の両方の管轄下だったのが、2013年を機に移民局の管轄下で運営されるようになったのです)。この時期は組織規模のみならず、ELSA全体が大幅に変革しました。

そして、LINCはより Canadian Language Benchmark (以下 CLB) に沿ってクラスを進めていくということに焦点を当てることになります。今までもCLB に沿ってクラスは進められてきましたが、もっと掘り下げていき、テストや生徒の過程評価などのシステムも変わりつつあります(これについては以前ちょろっとブログで書いてみました)。

じゃぁ、LINCは何してるの?

『生徒が英語でカナダでの生活ができるようにする』
のが
大きな目標です。

Language Instructions for Newcomers、この Newcomersは、移民してきた人を示します。LINCは移民しか受けることができないのです (ELSAは就労ビザを保持している人も受けることができるプロブラムでした)。

ESL はご存知ですか?
海外の語学学校です (English as the Second Language) 留学生や短期滞在の方が
通う学校なのですが、全編英語での授業です。そして、授業では生徒が話す機会・英語を使う機会を設けています。ESLの場合は、クラスによっては先生が話すことが多い場合があります。

LINCはいわゆる学校の教科とは異なり、先生が話す時間が極端に少ないです。私たちの仕事は、生徒がいかに授業中に最大限英語を用いるかが重要となります。生徒の自律性が問われます。そして、先生は、いわゆる Facilitator と言って、レッスンの流れを作るのです。

タイトルにある Teacher Talking Time は、いかに講師の話す時間を最小限にとどめるか、なのです。

もちろん指示を与えたり、フォローアップをしたりする必要があります。
でも、生徒が中心のレッスンなので、工夫をして TTTを減らすのです。これを私たちは

Reduce Teacher Talking Time
Slim down the instructions
Minimize explanations
Simplify the lesson

などと言っています。

これね、意外と難しいのです!
気づいたら色々と四苦八苦しながら説明したり、指示を与えていたりするのです・・・・

生徒たちは基本クラスでは母国語厳禁なのですが、説明等が難しかったり、話すスピードが速かったりすると、やはりお互い母国語で確認しあったりするのです(多少ですが、中国語で「これなんて意味?」「今なんて?」と言ってお互い聞きあってるのはなんとな~く分かってきました。笑)

他にも、知らない単語が多すぎると辞書に頼って話を聞かなくなってしまったり、文章を見せる(プリントを先に渡したりする)と、目がそっちに走ってしまって、講師の説明は右から左になりがちです。

でもって、講師がTTTを減らすのも容易ではありません。
重要な説明をしたり、気づいたら色々例文を述べていたり・・・

TTTを減らす解決方法は、いくつかあります。
以下、私なりに編み出してみた6つのステップ。

A. 生徒たちのレベルをしっかり把握する - Assess students' levels
B. とっかかりの質問を
とにかく簡素にする - Elicit with simple questions
C. 
デモをしてイメージを掴んでもらう - Give visuals
D. 
アクティビティなどの説明をしたら、「今なんて言ったかな?」と聞いて説明を生徒に繰り返してもらう- Comprehension Questions
E. ピエロになる!- Be animated!
F. 
身近なトピックで例える - Make it familiar

アクティビティではとにかく生徒たちに「聞く・話す・読む・書く」を促します。

たとえば、トピックが『家族を紹介する』というものだったとして、
レッスンの目標は、生徒たちが This is ----.  She is my ----. をスムーズに言えるようになることだったら・・・

まず、生徒たちのレベルを把握していきます。文法的なレベル、発音の程度、理解度等を質問しつつ、クラスの様子を見つつ把握します (What's my name?  Who am I? 等の質問を投げかけて文章で言えるか、発音できるか、等)

そして、Family / Friends の単語を投げかけます。場合によっては写真を見せて、old/young/mother/father/family/teacher など、ちょっとずつトピックのスイッチをオンにしていきます。

アシスタントやボランティアの人がいたらかなり助かるのですが、いない場合は、クラスで一番レベルが高い、もしくは長く在籍している生徒に前に出てきてもらって、目標のフレーズを用いた簡単な会話をモデリングしてもらいます。会話の内容は小さいカードなどに書いて、それを読み上げるように指示し、他の生徒は聞く、等。

実際の状況をイメージを掴んでもらいます。単語や発音をここで繰り返したりおさらいしたりします。

そして、いざ、生徒たちに同じように会話の練習をしてもらう。
You will be in pairs.  You are A, and you are B. Take turns. 
Sam, what did I say?
みたいな感じで動作を加えて説明します。

単語もあまり多くを紹介せず、まずアクティビティに慣れてもらい、クラスを回ってモニターした後にいったんストップして、発音のリマインダーをしたりします。

最終的には、各ペアが前に出てデモをするもよし、先生の前だけで披露するもよし。そしてコメントをしたり応用のアクティビティを紹介したりして、次に進みます。

こんな感じですが、とにかく『達成するべく目標』を先に披露することで、生徒たちはなんとなく頭に「こういうのか」「こういう感じか」ということを浮かべてもらいます。簡単な単語でシチュエーションを説明すると、より身近になります。

この間、TTTは多くて5分。アクティビティ全体にかかる時間はおよそ30分くらいです。

とにかく生徒が中心になってレッスンをするのを、横で監督することに徹し、いざ必要な際は軌道修正をしていく、これが LINC では必須のスタイルなのです。使ってもらってナンボなのです!!!

これによって、何がメリットかって、生徒たちが実際英語を用いる時間が確保できることです。LINCは、先にも述べた通り、カナダの社会で生活していくことを想定してレッスンを進めるプログラムです。生徒が「聞く・話す・読む・書く」というスキルをより多く、そして、明日でなく『今日』使えるものを目指しています。少なくとも多くの LINC Instructors はそういう心積もりでいます。

もちろん、講師が説明しないとならない場合もあります。ただ、それに徹することはありません。

「先生が話さない、って楽じゃない?」

って一瞬、この職場で働き始めて研修を受けた時に思ったことがあります。

それが・・・・・
いかにTTTをSlim downするかで結構頭を使うのです。苦笑
キーワードを判別し、伝わりやすいように話し、さらには生徒達のレベルをチェックし・・・なかなか容易ではありませんでした。自分の教えるレベルも把握しないといけないし、教材も作成することがほとんどです。

でも、やっぱり生徒がいざ習得したものを目の当たりにすると、やはり感激します。You can do it! ってハンコを押すのは本当に気持ちいし、やりがいがあります(^^)


今日は、TTTの話をしましたが、自分自身へのリマインダー的なブログになっておりました。ただ、英会話教室で全編英語で教えていらっしゃる方がこれを読んでくれていたら、何らかの参考にしてもらえればと思っております。


最後まで読んでくれて、ありがとうございました☆

Kumiko