講師も一人の人間(ワークショップに参加しました) | After Five English ネイティブ感覚で英語がしゃべりたくなるブログ☆

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こんにちは、
Kumikoです。

先週から春季休暇に入り、クラスはお休みに入ったのですが、先週1週間は研修が入っていて、レッスンの準備をする必要はなかったのですが、4月から新しいレベルを教えることがわかった私は、引き継ぎや新しいレベルの研究をしてみたりして準備を始めてみました。

研修中はずっと座っていたので、「おざぶ」が必須でした。苦笑

参加したワークショップに2つほど、とても興味深い内容のものがあったのですが、今日はそのうちの1つについて書いてみたいと思います。

ワークショップの内容は、Trauma Response(トラウマに対する対応)について。心理カウンセラーがスピーカーとして来てくれて、トラウマについての話、そして、どのようにしてトラウマに向き合うかの意見を述べ合う機会がありました。

まずは、トラウマとは何か。
体に残るトラウマもあれば、心に残るトラウマもあり、トラウマの規模・程度は様々です。生徒がトラウマを抱えていることもあれば、講師たちもトラウマを抱えています。

そして、トラウマを抱えた際の生活に与える影響やクラスで見受けれらる態度を検証していきました。判断力が衰える・何かに依存する・極端に注意力が増す・一切話さなくなる・目には見えない反応もある、等色々な状態があげられました。

教室は、「安全で信頼関係を築き上げることができる場」ということが前提です。トラウマを抱えた生徒・講師も教室に来ます。その時講師にできることは、自身のトラウマを一旦教室の外に置くこと。でも、決してそれを否定するわけではなく、講師が抱えるトラウマにも目を向けることを意識しないといけない、ということを学びました。

トラウマは自身が招いたものなんかではありません。
できることならトラウマを抱えたくはありませんよね。
忘れられないでいるけど乗り越えていけるトラウマもあります。
けれども全てがそうではありませんよね。

幼少期に虐待を経験した人が大人になってから暴力的になっていることもあります。これは、幼少期でいくら記憶があまりなかったとはいえ、影響は少なからず受けています。潜在的に防御する能力が脳にはあるそうです。そして大人になってから、その防御する能力が攻撃的なものに変わっていくことがあります。防御するあまりに、注力が欠如してしまう場合もあります。

トラウマを与えた出来事自体は終わっているかもしれませんが、そこから受ける影響は残り続けます。

The event may be over, but the impact remains.
スピーカーはそう言っていました。

自傷行為をする・依存症になる・集中力が著しく欠ける・挙動が不自然になる・人と目を合わせるのが怖くなる・外出することを恐れる・・・トラウマは生活態度に色々な影響を与えます。

人間は完璧ではありません。
トラウマを抱えないで生きている人はいないと思います。
生い立ちは人格形成に大きなインパクトを与えます。
人生に起きる様々なことで顔の表情や目だって変わってきます。

そして、これは生徒のみならず、講師も同じことが言えます。

今回、心理カウンセラーが言った一言でちょっと楽になった言葉があります。

You are an instructor, but you are also a human being.

あなたは講師である。でも同時にあなたは一人の人間である。

教室でのレッスンは、講師がリードして進めていきます。
ふとした時に講師ではなく一人の人間になることもあります。

心理カウンセリングがトラウマを乗り越える全ての答えを持っているわけではないでしょう。色々な方法で乗り越えることができると思います。
でも、カウンセリングを受けることで自分の身に起きたことを「normalize」することが少しはできるようになるのではと思います。

生徒がもし自身に起きたことを打ち明けた際、講師としてできることは限られています。カウンセラーを紹介する・ソーシャルワーカーを紹介する、もしくはよっぽどのことがあった際は警察に通報するという手段を選ぶこともあります。私たち講師はそのことを再認識しました。生徒によっては、「ただ話を聞いてほしい」という人もいます。



映画を見たり、人の話を聞いたり、誰かが怪我した瞬間に出くわしてしまった際、思わず劇中の人物・話し手・怪我した人と同じ「気持ち」になることはありませんか?

たとえそのような状況を経験したことはなかったとしても思わず泣いてしまったり、「痛い!」って言ってしまったり、何かしらの反応をすることを vicarious と言います。

スピーカーが、ワークショップに参加した講師たちに「クラスで vicarious の状況に遭遇したことはあるか」という質問をしたところ、実に多くの講師たちが挙手していました。私は正直驚きました。

私も、生徒が話してくれた話に思わずボロ泣きした過去があります。
その生徒が経験したようなことは私にはありませんでしたが、思わず涙が溢れてきていたのです。

「レッスン中なのに・・・」
「教える立場なのになんで冷静でいれないのだろうか」

という自責の念がその時は後になって生まれました。講師とあるべき者が・・・という自分に対する失望が襲っていて、その後は泣かないように心がけていたのです。

蓋を開けたら、同じような気持ちでいた人たちが多くいて、驚いたけれどもなぜだか「あ、私だけじゃないんだ」という安堵も感じました。

Vicarious の状態になることは多々あります。
教室内外であります。

その時に、「これは誰の痛み?」と自問することで冷静さを取り戻してみて、というアドバイスをしてくれました。「なぜ泣いてるの?」ではなく、「この痛み・苦しみは自分のものなのか、もしくは相手の苦しみ・痛みを感じてなのか」と問うのです。それを受け止めることが大事なんだ、と思いました。

ホルモンなのか、歳なのか・・・私はしょっちゅうもらい泣きするし、全然関係ない時にふとしたことで涙腺がゆるゆるになりますが・・・苦笑

教室でそのようなことを経験した時は自分を責めることなく受け入れていこうと思いました。

そして、私の教室は、生徒たちにとって安全な場であるとともに、講師としても自分らしく振る舞える場にしていこうと思ったワークショップでした。

Know your skill, use with limit.

(自身のスキルを認識して、その範囲内で行使すべき)
これは、スピーカーが残した言葉です。

取り留めもないことをポロポロと書いてしまいましたが・・・

どんな職業に携わっていても、みんな一人の人間なのです。
自分自身を、そして、関わる人たちを優しく受け止めてあげてくださいね(^^)

Thank you so much for reading.

Kumiko