裁判長から、請求の趣旨について、問われました。
この時点での、僕の請求の趣旨は、
1 被告が、A社に対し、令和4年3月22日付けで通知した原告の標準報酬月額を改定しないこととした処分を取り消す。
2 被告は、A社が令和4年3月1日付けで提出した健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届に基づき、原告の標準報酬月額を令和4年2月に改定せよ。
3 訴訟費用は、被告の負担とする。
との判決を求める...でした。
このうち、上記2の請求について問われました。
裁判長が確認したかったのは、健康保険法44条1項の適用についてです。
健康保険法 第四十四条(報酬月額の算定の特例)
保険者等は、被保険者の報酬月額が、第四十一条第一項、第四十二条第一項、第四十三条の二第一項若しくは前条第一項の規定によって算定することが困難であるとき、又は第四十一条第一項、第四十二条第一項、第四十三条第一項、第四十三条の二第一項若しくは前条第一項の規定によって算定した額が著しく不当であると認めるときは、これらの規定にかかわらず、その算定する額を当該被保険者の報酬月額とする。
この裁判長の指摘はごもっともで、僕自身、訴訟の状況に応じ、健康保険法44条1項も請求の趣旨に追加するつもりでした。
僕が、法廷で述べたのは、
1.健康保険法44条1項の主語は、保険者等です。
2.原告の法律上の義務は、月額変更届の提出のみです。
3.健康保険法44条1項の適用については、この月額変更届に基づき、被告が判断するものです。
という趣旨の答弁をしたところ、裁判長は、僕の意図を理解してくれたようで、後日、裁判所から補正を指摘するかもしれませんので、その時は応じてくださいとのことで、了承しました。
で、被告に向かって、「原告の第1準備書面に対する反論をしてください。」と言ったところ、被告は、「請求の趣旨が変わるかもしれないのに、いったい、何を書けばいいのですか?」と。
被告の心情、理解できます。笑
これに対し、裁判長は、「裁判所が、どう書くか教えるのも変ですので...。」と。笑
すると、被告は、僕に向かって、「どのような判決を望んでいるのですか?」と尋ねてきたので、「まず、処分の取り消しです。次に、標準報酬月額を改定して頂ければ、健康保険法44条1項の適用は、どちらでも良い。まぁ、できれば、適用して頂ければありがたい。」というような返答をしました。
そのような内容をまとめたのが、上記の口頭弁論調書です。
つづく