先日、友人の税理士と話していた時に、口頭弁論調書について触れたので、僕の事件に関するもので紹介しておきます。
 
民事訴訟は、口頭弁論期日までに、言いたいことを書面にして、裁判所に提出します。
 
僕の事件では、
 
令和5年12月25日 原告、訴状を提出
令和6年2月2日 被告、答弁書を提出
令和6年2月6日 原告、求釈明申立書を提出
令和6年2月9日 第1回口頭弁論
 
これらを調書にしたのが、これです↓。

 

実際の裁判も、

 

裁判長「原告は、訴状及び求釈明申立書を陳述しますか?」

原告「はい、陳述します。」

 

裁判長「被告は、答弁書を陳述しますか?」

被告「はい、陳述します。」

 

被告に向かって、

裁判長「原告から、求釈明申立書が提出されていますが...。」

被告「こちらの主張は、答弁書で尽くしています。求釈明に対する回答は不要です。」

 

原告に向かって、

裁判長「反論書、書けると思いますので、令和6年3月12日までに、提出できますか?」

原告「はい。」

 

で、終了でした。

 

 

僕が、求釈明を申立てたのは、答弁書「第3 請求の原因に対する認否」についてです。

 

 

第3 請求の原因に対する認否

「全体として争う」

 

 

このような答弁って、よくあるのでしょうか?

( マジで、弁護士に尋ねてみたいです。 )

 

 

たとえば、訴状において、

 

1.A子と不倫した。

2.B子とも不倫した。

3.C子とも不倫した。

4.以上のことから、慰謝料として1千万円払え

 

と請求した場合、通常、答弁書には、

 

1については認める

2については争う

3については認める

4については争う

 

というように答弁します。

 

「認める」と答弁したものについては、裁判所は、調べずに、「不倫があった」と判断して取扱い、B子との不倫についてのみ、双方の言い分を聞き、慰謝料として妥当な金額を算定するはずです。

 

 

僕の事件の場合、「全体として争う」という答弁だったので、

 

1.訴状に記載した各項目のどの部分を争うのか明確にせよ。

2.原告は、被告の取扱いについて憲法違反を指摘してるが、この点について認否を明確にせよ。

3.被告が主張したもの以外の法律要件については、法律要件を充足しているとの認識か明確にせよ。

 

というような内容のものを申立書に記載しました。

 

 

上記2の憲法違反に関する部分について、判決を予想します。

 

僕の主張は、

「被告は、憲法違反していることを認識して、そのような取扱いしてるのですか?」

「それとも、憲法違反していないという認識で、そのような取扱いしているのですか?」

というようなものです。

 

ふつう、「憲法違反していません。」と答弁すればいいと思いませんか?

けど、口頭弁論調書には、「回答は不要である」と、しっかり記載されています。

 

 

ここで、ポイントとなる法律は、以下の条文です。

 

民事訴訟法第百五十九条(自白の擬制)

当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。

 

民事訴訟法第百六十条(口頭弁論調書)

裁判所書記官は、口頭弁論について、期日ごとに調書を作成しなければならない。

2 調書の記載について当事者その他の関係人が異議を述べたときは、調書にその旨を記載しなければならない。

3 口頭弁論の方式に関する規定の遵守は、調書によってのみ証明することができる。ただし、調書が滅失したときは、この限りでない。

 

 

これまでの裁判の流れを、分かりやすく説明すると、

 

原告:被告の取扱いは、憲法違反しており、違法である!

被告:我々は、厚生労働省の命令に従ってる!

原告:そんなことは聞いていない。憲法違反してるかどうか、明確にせよ!

被告:その質問に対する回答は、不要だ!

 

上記のやりとりから、被告は、憲法違反してるかどうかの事実について争っているといえるでしょうか?

一般人の感覚から、争うことを明らかにしていない!と判断するのが妥当かと思うのですが...。

 

もし、裁判所が、争うことを明らかにしていないと判断すると、原告の主張を認めた取扱いになります。

 

つまり、被告は、

「憲法違反していることは認める。けど、厚生労働省の命令に従ってるだけなんだ!」

「憲法なんてどうだっていい!」

「憲法より厚生労働省の命令が絶対なんだ!」

と言ってるようなもんですからね。

 

 

ここまでの展開で、僕に落ち度があるのだろうか...。

 

 

つづく