裁判とは、 橋下徹 VS 大石晃子 の事件です。

 

事件の概要を知りたければ、下記リンクを参照してください。

 

橋下氏が訴えた理由は、下記をサイトに掲載されています。

原告の主張を簡単にまとめると、「弁護士、コメンテーターとしての社会的評価を低下させられ、その損害額は300万円は下らない。」というものです。

 

 

今回の紛争を解決する法律は、民法709条(不法行為による損害賠償)です。

 

 

民法709条(不法行為による損害賠償)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

この条文のポイントは、「生じた損害」にあります。

※「生ずる損害」ではありませんので、注意が必要です。

 

 

争点は、

 

1.権利侵害行為があったか否か?

2.権利侵害行為により生じた損害額はいくらか?

 

かと思われます。

 

 

僕は、この事件の第1回口頭弁論後に、大阪地方裁判所に、事件記録の確認に行っています。

その時のメモが、これです↓。

 
訴状には、
 
1.当事者
2.名誉棄損行為
3.社会的評価の低下
4.損害額
 
を記載しており、被告は、すべて争う という展開です。
 
先日の尋問の内容から、被告は、刑法230条(名誉棄損) 及び 刑法230条の二(公共の利害に関する場合の特例)を用いて、
 
1.今回の行為は、名誉棄損行為に該当しない。
2.仮に、名誉棄損行為に該当しても、公共の利害に関するものなので、違法性はない。
 
という主張をしているかと思われます。
 
先日の尋問の終わりに、左陪席裁判官から、被告に対し、「テレビの報道を事前に知っていたか?」と問い、「知っていた。」との回答から、おそらく、刑法230条の二(公共の利害に関する場合の特例)に該当するものとして、原告の請求を棄却するのではないか?と思われます。
 
この訴訟は、大石氏は弁護士に依頼したので、 弁護士 VS 弁護士 の戦いで、プロ VS プロ の戦いです。
 
 
もし、この事件、素人の僕が被告として訴えられたなら、以下のように反論します。
 
 
まず、弁護士である橋下氏の主張する「名誉」とは何かを追求します。
真面目な話、 名誉 って言葉の意味、キチンと伝えることができますか?
 
 
そもそも、法律用語で「名誉」が定めれられていないので、僕は、広辞苑を参照します。
 
広辞苑では、「①ほまれあること。よい評判を得ること。」、「②名高いこと。有名。」、「③世間から高く尊敬・賞賛せられること。」などが記載されています。
 
つまり、「名誉」は、誰もが生まれ持って平等に有しているものではないのです。
僕は、名誉とはノーベル賞や国民栄誉賞なんかが、これに該当するのかなぁ...という感覚です。
 
その感覚で、原告が提出した証拠物を確認すると、名誉に関するものの提出がありませんので、当然に、その点を指摘します。
真面目な話、橋下氏は、自身にどのような名誉があると認識しているのでしょうか?
 
 
さて、次に、原告は、「社会的評価が低下」したと主張しています。
 
「社会的評価」とは、言い換えれば、「世間の評価」ですよね?
 
となれば、問題となった記事が「公にさらされる前」と「公にさらされた後」のそれぞれの「世間の評価」に関する証拠物を提出して、両者に差異があるかどうか確認する必要があるのではないでしょうか?
 
「世間の評価」って、世間に対してアンケートでもしなければ分かりません。

 

それが出来ないなら、記事により「顧問契約が激減した。」、「レギュラー出演していた番組から降ろされた。」など、結局のところ、収入が減少したという証拠が必要ではないでしょうか?

 
これらの証拠物によって「社会的評価が低下した」と認められる場合において、「原告の請求には理由がある。」といえるのではないでしょうか?
 
今回の件については、これらの証拠の入手は困難かと思われます。
 
よって、答弁書の結論に、「原告の請求には理由がないことから、速やかに棄却されるべきである。」旨の主張をするとともに、求釈明の申立てをして、証拠に基づいた主張をするように促しますね。
 

 

つまり、第1回口頭弁論は、

 

裁判長「原告は、訴状を陳述しますか?」

原告「はい。陳述します。」

 

裁判長「被告は、答弁書、求釈明申立書を陳述しますか?」

被告「はい。陳述します。」

 

裁判長「被告から求釈明がありますが、原告は、速やかに証拠を提出できますか?」

 

という流れに持ち込みます。

 

 

僕は、

 

1.橋下徹氏の主張する「名誉」とは何か?

2.橋下徹氏の主張する「社会的評価の低下」とは何か?

 

を証拠物で確認できた後、刑法230条(名誉棄損)及び刑法230条の二(公共の利害に関する場合の特例)に関する反論をするという流れで争っていきます。

 

このような展開を選択する根拠は、前号で紹介した 民事訴訟の弁論主義のルール から導いたものです。

裁判は、論より証拠です。

「はい、論破。」ではなく、「はい、証拠。」です。

 

なかなか面白い防御方法だと思うのですが...。