シンガーソングライターの谷山浩子さんの歌、
『よその子』っていう帰る家のないネグレクトを彷彿とさせる楽曲があるんですが
初めて聴いた時号泣したんですね。
それから私も人生のステージが変化するにつれ、その曲を聴くことを忘れていたのですが
曲は聴いてないのに私の人生のどこまでも付いてくる歌でした。
この歌は悲しく苦しい序盤から終盤にかけては心理的には救いがある曲でほっとしたり感動したりするのですが
私には悲しみが強烈過ぎて救いの部分があまりピンと来なかった。
全ての開かない窓がひとつ、やがてまたひとつ開いた・・・そんなことあるのかなって懐疑的に見ていたんです。
よその子を物理的にではなく、心理的に受け入れてくれる場所はあるのか。
私自身が、よその子が苦手でした。
自分の子どもと、自分の心を守ることに精一杯で
誰かに傷付けられるんじゃないか
誰かに奪われるんじゃないか
誰かに侵略されるんじゃないか
怖くて攻撃的にさえなる場面が今までずっとありました。
1年前、私は息子の友達が家の前に来るだけで拒絶感でいっぱいでした。
来ちゃだめ!と言ったこともある。
だけどこの1年で息子の遊び場所に顔を出したり息子の友達と実際に言葉を交わしたり、話を聴いたり、子ども達の眼差しを目の当たりにするうちに
最初の頃の拒絶感や恐怖感、不信感、警戒心はいつの間にか溶けていきました。
そして最近は家に息子を誘いに来る子ども達がインターフォンを押し訪ねてきた際は、
今までは何が来ても頑としてドアを開けなかった私が
「はーい。」
と言って出るようになった。
私の心は子ども達を受け入れているんだな、と思いました。
かつて、開かない窓の前に立たされていた子ども時代のわたし。
開かない窓に打ちのめされそうになっていたのはわたしだった。
ずっと、誰かが開けてくれることを夢見てた。
だけど今、私は開かない窓に打ちのめされている子どもではなくて、子ども達に窓を開けられる側に立っているのですね。
開かない窓が開いた。
そしてそれは私自身にも。
出産して心身のバランスを崩しても、毒親の実家へ里帰りも出来ず
夫が仕事だったり悪化する精神疾患を抱え喧嘩ばかりして
しんどい身体を引き摺りながら息子を抱っこバンドで抱っこしてトランクに荷物を詰め込んで家を出ても行く場所がなくて
早朝の公園や近所をうろうろしてた。
家に息子と二人きりでいるのが煮詰まってしまうこともあった。
預け場所もなく、あっても有料だったり。
頼れる場所がなく行き場所がない状態が7年続いた。
そして息子が7歳になった今、少しずつ居場所を見つけ出しています。
最近は子ども食堂や居場所づくりの提供をしてくださっている場所にたどり着きました。
今までもずっと支援者の方に子ども食堂の紹介はされていたのですが、何故か情報がうまく収集出来なくてどこにあるかわからないとか、遠くて気軽に行けないとか、行ってみたけど見当たらない
なんてことが多々あり、諦めかけていたのですが、社会福祉協議会のボランティアさん経由で近所の子ども食堂に繋がることが出来ました。
食べるだけでなく、居場所の提供もしてくださっていて、昨日初めて利用させて頂きました。
ずっと探していました。
7年子育てをしていて、やっと!です。
でも、受け入れてくれる場所が見つかって嬉しかったです。
難しい手続きもなく無料で参加可能で有り難かったです。
スタッフさんも穏やかな人柄の方々で息子も居心地が良いようです。
毎日はやっていないのですが、そういう場所が近所にあるというのが心強く有り難くて。
ここまで息子も私もよく頑張ってきたなあとしみじみ思いました。
これからは少しずつ他者を受け入れ、受け入れられる感覚を体験していきたいです。