中日新聞も長坂氏も、「嘘は(一応)ついてないよ。隠していることはあるけどね」の世界で生きています。東海テレビ、CBC、中京テレビなんかも、概ね同じです。決して、それだけをそのまま信じたりしないように。

 

 

豊橋市議会12月定例会は、大詰めになってから猛烈バタバタしましてですね。

 

年末年始を挟み、私自身、少し〜落ち着いたので、ここら辺りで、私なりの中日新聞ウォッチを披露しておこうと思います。

 

 

今回は、こちら、年末によくある回顧記事。

 

この手のモノは、大抵予定稿だったりするのですが、何しろ、その掲載日に「事態は思わぬ方向に急展開」となりまして、若干、尻切れトンボというか、引っ張り最終回というか・・・になっていますね。

 

 

(中日新聞12/27-19東三河版)

 

 

それでは、以下、私なりの茶々を入れて行きましょう。

 

 

新アリーナ計画、継続か中止か… 豊橋市の戦後最年少市長と議会が対立、結論見ぬまま年越し 

 

 看板公約の実行が混迷を招いている。11月の豊橋市長選で、同市では戦後最年少の市長となった元市議で無所属新人の長坂尚登さん(41)。多目的屋内施設(新アリーナ)計画を公約どおり中止すべく、初登庁日に約230億円の整備運営契約を解除するための手続きに入った新市長に対し、計画推進派が多数を占める市議会は対抗策を二転三転させ、結論を導き出せぬまま年の瀬を迎えた。 

 

⎯⎯「市議会は対抗策を二転三転させ」って・・・のっけから、やや、長坂氏寄りのスタンスが見えます。

 

 

「政党、特定団体の応援がない私が、各方面から支援を受けた現職を破った。市民が豊橋を変えたのだと思っている」。投開票日の11月10日、当選を決めて声を上ずらせた長坂さん。新アリーナ計画については「すみやかに解除手続きに入る」と言い切った。

 

⎯⎯「政党、特定団体の応援がない私」・・・確かに、既成政党の支持や推薦はありませんでした。が、長坂氏の言い分を無批判に引用するっていうのはなあ。

 

実態として、共産党、れいわ新選組、それに立憲民主党支持者の多くが束になって応援しているのは(ある程度政治に関心のある人にとっては)周知の事実です。

 

ついでに言えば、市長選の2週間前にあった衆議院選挙の残響があり、反体制(大勢)の空気が追い風になったという側面もあると思います。

 

そこら辺、知ってか知らずか、あるいは、知ってて知らないフリしてて、かは分かりませんが、ま、とにかく・・・

 

調子に乗って「すみやかに解除手続きに入る」と言い、実際、そのとおりに行動してしまったことが後の「混迷」の原因になった、ということをお忘れなくっ。

 

 

 新アリーナ計画がこじれる発端は2020年市長選。浅井由崇前市長(62)が豊橋公園への新アリーナ整備を「ゼロベースで見直す」と訴えて初当選したことにある。 

 

⎯⎯中日新聞も長坂氏も、二言目にはコレをうのだけれども。「ゼロベースで見直す」・・・見直した結果「やっぱり豊橋公園で」ということだって、そりゃあるでしょうよ、と思うんですけれども。

 

ま、浅井さんも、その時点で、ちゃんと謝りしっかり説明すれば良かったし(そうしたにもかかわらず、メディアがスルーしてたという可能性もありますが)、であれば、後の展開も多少違っていたのではないか、という気もします。

 

 

実は、この選挙時にも、新アリーナ問題が最大の争点だったかと言うと、ちょっと微妙。ま、そもそも、選挙はワンイシューで争われるものではないから、と言ってしまえばそれまでなんですけれども。

 

こちら、その折の選挙公報と、拙ブログ。

 

 

 

ということで、前回よりは競るかもしれない雰囲気です。でもやっぱり街は至って静か(ただ、自民党の県議さん市議さん達は頑張ってるようです)。

争点らしきものが無いことも無いのですが(アリーナ建設とかユニチカ跡地とか)、さて、どうなんでしょう。

佐原さんが当選すると4期目となるわけで、そこら辺の多選批判や「もう飽きた」という意味での浮動票がどれくらい出てくるか、っていうのが見どころですかね。

 

 

 

 浅井さんは結局、就任1年半後に同公園への整備方針を発表。反発する市民団体が23年と24年に建設の賛否を問う住民投票を求めて直接請求したが、最大会派の自民党はじめ計画推進派が多数を占める市議会が2回とも否決。市は9月、市議会の議決を経て57年度までの管理運営も含む契約を民間事業者と交わした。

 

⎯⎯中日新聞も長坂氏も、三言目にはコレを言うのだけれども。市長と市議会とが同じ方向性でいる時、いちいち住民投票なんて、しないのが当たり前でして。

 

「賛否を問う」と言いつつそれを請求すること自体、反対の為のパフォーマスでしかありません。それに、市議会で計画推進派が多数を占めているのだって、ちゃんと選挙を経た結果なんですから。

 

 

2023年の市議会議員選挙の折には、(主に反対派が)新アリーナについて一所懸命訴えていたのは確かです。が、その結果としての、反対派少数→推進派多数(反対派は候補者の数自体が少数だったという人もいますが、それはつまり、その程度しか当選の見込みがないということ)です。

 

こちらも、当時の拙ブログから。見直してみると、反対論のほとんどは「豊橋公園内へのアリーナ建設反対」。そして、だったら、どこなら良いのか、を誰も言わない。今にして思えば、(極少数の「建設自体絶対反対」を除き)長坂氏同様、皆、詐話に勤しんでいたわけで。

 

今回の豊橋市議会議員選挙は、定数36に、立候補者48人。

そのうち、ポスター掲示板で「新アリーナ」に触れているのは、この4人。

 

 

 

 

 

 

選挙公報で触れているのは、こちらの7人。

現職の一人会派が2人と共産党3人、新人れいわ1人、元職社民推薦が1人です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうした中で行われた今回の市長選で、長坂さんは「公約をたがえた」と浅井さんを批判。特定の政党や団体の支援を受けなかったが、計画反対の有権者の受け皿となり、次点の浅井さんに約4千票差をつけて勝利を収めた。

 

⎯⎯約4千票差。それは大きいのか、小さいのか、これだけでは判断のしようがありません。

 

 

 連合愛知や公明党豊橋支部の推薦を受けた浅井さんは、計画推進や1期目の実績を訴えたが、自民党市支部の推薦を受けた新人で前市議長の近藤喜典さん(45)と計画賛成票を分け合う形になった。現職が再選を逃したのは同市では戦後初のことだ。 

 

⎯⎯「計画賛成票を分け合う形になった」と、そこに触れているのは良いのですが、ちゃんと数字を挙げてほしかったですね。

 

変わりに、私が挙げておきます。

 

 

数ある公約の中からアリーナだけを取り上げるなら(それを先に言いだしたのは長坂氏と彼の支持者です!)、浅井さんと近藤さん、計画継続・推進派として、足して77,173票になります。

 

 

 就任早々に契約解除手続きを指示した新市長に対し、今度は推進派が声を上げる。新アリーナを本拠地に予定するプロバスケットボールBリーグ1部(B1)三遠ネオフェニックスの協力も得た市民団体が市内外約13万4千人分の署名を集め、計画継続を求める請願を市議会に提出。20日の市議会で採択された。 

 

⎯⎯市長選挙の票数を知っていればこそ「約13万4千人分の署名」という重さが分かるというもの、です。

 

ちなみに、豊橋市内だけでも約5万9千人分でした。

 

 

 市議会では自民、公明などの計画推進派を中心に、事前相談なく契約解除を進める長坂さんを「議会軽視」と批判。市長不信任議案を模索する動きも経て、住民投票で民意を確かめる方向で市議会が一致するかに見えた26日、事態は思わぬ方向に急展開することになる。

 

⎯⎯この「思わぬ方向に急展開」というのが、延長された市議会定例会最終日の「豊橋市議会の議決すべき事件に関する条例の改正案」可決のことです。

 

中日新聞的には、ぶっちゃけ「住民投票で決着」が、これまでの(反対派寄り)報道の責任を取らずに済むということで、歓迎だったのでしょうけれども・・・

 

 

 継続か中止か。二元代表制の両輪である市長と市議会が対立を深める新アリーナ計画は、その結論を見ないまま25年に入ることになりそうだ。 (坪井千隼) 

 

⎯⎯はい。しっかり、そうなりました。

 

議会無視・独断専行した、他ならぬ長坂氏(と、陰に陽に彼を応援してきた、他ならぬ中日新聞)の責任です。

 

 

豊橋市長選 11月3日告示、10日投開票。新人で元市議の長坂尚登さんが、2期目を目指した現職の浅井由崇さん、いずれも新人で前市議長の近藤喜典さん、ちくわ店経営の蔵地雅彦さん(65)の3人を破って初当選。新アリーナ計画や浅井市政4年間の評価が争点で、投票率は前回比0・29ポイント増の43・43%。

 

⎯⎯「新アリーナ計画が争点」だったと言っているのは、長坂氏とその支持者、および中日新聞だけです。

 

その他、多くの市民にとっては継続 or 中止なんて話題にすらなっていませんでした。

 

何しろ、整備・運用計画は、既に契約・着手済みであり、その旨「広報とよはし」(全戸配布)で正式に伝えられていたことなんですからっ。

 

 

 

以上、中日新聞の伝えようは、ツッコミどころ満載だということだけ、分かっていただけたなら幸いです。

 

ま、そんなのは「個人の感想でしょ」と言われれば、それまでですが、それでも、ちゃんと「自分の頭で考えた」ことだからねと、そこは強調しておきましょう。