大好きな本のひとつ、辰巳浜子さんの著書『料理歳時記』を紹介したいと思います。
この本はいつもカバンに入れておきたいくらい、
私にとっては最大のバイブルの書です。
季節に応じた四季折々の食材を愛してやまない辰巳浜子さんが、その素材を生かした調理法のみならず、素材が持つ背景や特性、まつわるエピソードを、独特の表現で描く本です。
おそらく同じような手法で書かれた本は他に存在しないのではないでしょうか。
読み始めるやいなや、誰もが日本に生まれたことを感謝せずにはいられません。
さて、料理本と聞けば、写真入りもしくはイラスト入りのものを想像されるでしょう。
驚く事なかれ、オール活字の文庫本なんです。
立ち読みの時点では、写真のない料理本なんて大丈夫なのか。と、にわかに一抹の不安にかられましたが、その歴史感じる本の佇まいに購入を決めずにはいられませんでした。
読んでみると、ページを追うごとに、まさに辰巳ワールドに吸い込まれるようです。
辰巳浜子さんのその知識を包み隠さず披露される姿、その奥の深さ、そしてなにより辰巳浜子さんの人柄溢れる文章の優しさ、キレの鋭さ。
あぁ。コレコレ!わたしが憧れる女性とは。
こんな風になりたい!!
感性豊かで賢くたくましく生きる女性…
女性としての知性、知恵を発揮するのは、あくまでも家庭の場。
控え目ながら慎ましくも、そしてしたたかに支え、
豊かに、一つひとつ丁寧に生きる姿。。。
まさに理想とする女性を目の当たりにして、本を読み進めるにつれ、ため息が出るほどです。
母親が子に継ぐ食の尊さ。
現代はその大切さが軽視されている気がしてなりません。
今でも思い出します。
大垣に住んでいた母方のおばあちゃん。
わたしが大学生のとき、大腸がんで亡くなってしまったおばあちゃん。
お料理がとっても上手で、母親はお嫁に行ってからもおばあちゃんの料理に頼りっぱなしでした。
大垣まで車を走らせ、おばあちゃんが作ったお料理を運ぶわけなんですが、
すり鉢でゴマをすり、青菜の胡麻和えを作る姿。
目分量でお醤油を足して、さっと味見をする姿。
腰に手をあてて天ぷらを揚げている姿。
慣れた手つきで台所に立つおばあちゃんの姿は、ひどく新鮮でとってもスマートに映った記憶があります。
質素な暮らしのおばあちゃんでしたが、確かに豊かにみえました。
今晩作ったものを今晩温かいうちに感謝して頂く。
これって本当は当たり前のことですよね。
外食が多い上、時間帯がバラバラだった実家は、おかずはラップをかけて冷蔵庫が当たり前で、いつもそれぞれがおもいおもいの時間にレンジでチンしていただいていました。
これではせっかくの旬の素材を使ったお料理も台無しですよね。
もしかしたら、わたしが辰巳浜子さんのような女性に憧れるのは、小さい頃から無意識に追い求めていた姿なのかもしれません。
今はまだ頭でっかちで、有言不実行といわれても反論はできませんが、
少しでも理想に近づいていけるよう学んでいきたいと思います。




