2007年が明けた。
キリストがこの世に誕生してから2007年。
地球の歴史を辿ればまだホンの2007年だが、人の一生と比較するならとてつもなく永く遠い。
1年はおよそ365日。
1日は24時間。
1時間は60分。
そして1分は60秒。
ここまでは、誰でも知っている。
それでは、1秒とはいったいどのくらいの長さなのか。
何か別のものに置き換えることはできるのだろうか。
「セシウム133の基底状態の二つの超微細単位間の遷移放射の91億9263万1770倍の周期の継続時間」
実は、これがSI単位系(普遍的な国際単位系)で定められた正確な「秒」の長さなのだ。
永い間待ち焦がれた夜明けとともに、私は家を出る。
向かう先は、あの人がいる街。
今までの寂しかった想いや切ないほどの愛情も、リュックいっぱいに詰め込んで列車に乗った。
窓越しに流れる景色は、数ヶ月前と同じ。
全てのものが、私を優しく包んでくれている。
やがて列車は駅に着く。
正確無比に時計の針を巻き戻しながら、いつものホームへと滑り込む。
もうすぐあの人に逢えるんだ・・・。
私は興奮を抑え切れない。
夢にまで見た、この瞬間。
1秒が1000秒に、いや、1万にも10万にもなればいい・・・。
できるだけ長く、少しでも一緒にいたいから。
待ち合わせ場所に佇むあの人は、経過した月日とともに数段キレイになっていた。
きちんと目が合わせられない・・・。
そのくらい、限りなくステキな表情をしていた。
いつもの部屋でしっかり抱きしめると、愛しさが次から次へと込み上げてくる。
情熱と優しさに満ち溢れた空間。
私たちはこれまで以上に深く深く愛し合う。
お互いの存在は、もはや普遍のものなのだろう。
立場も環境も、あらゆる壁も乗り越えて、唯一無二の大切な人になる。
精一杯愛することに、理屈はいらない。
抱きしめることで満たされるなら、死ぬまでこの場を離れたくない。
ただただ目の前にいる人が愛しくて、その人のために何かしてあげたいだけなのだ。
その理由を説明することが、いかに陳腐か・・・。
私の心は、いつでもあの人がしっかりと握り締めている。
愛情の定義は語れなくても、あの人への想いは変わらない。
それは「秒」の単位を説明できないのと、全く同じだ。
普遍であるが故に、理屈を述べる必要はなし。
身体中に刻み込まれたものが、私たちにそう答えてくれた。