白居易・・・彼は、白楽天の名でも知られる唐の偉大な詩人だ。

玄宗皇帝と楊貴妃の恋物語を綴った、全編120行にも及ぶ壮大な叙事詩。

それが、古来日本人に最も愛された「長恨歌」と呼ばれる作品である。

 在天願作比翼鳥 「天に在りては、願わくば、比翼の鳥となり」

 在地願爲連理枝 「地に在りては、願わくば、連理の枝とならんことを」

この一節から生まれたのが、比翼連理という言葉だ。

私たちが天に召されたら、羽根がつながった二匹の鳥になりましょう。

そして天界から地上へ戻されたら、木目が通じ合った二本の木になりましょう。

私たちは今も、そして何度生まれ変わっても、仲睦まじい夫婦であり続けるのです。

それが二人の間に交わされた永遠の誓いであったと、この詩は綴っている。

五感を研ぎ澄ませて過ごした二日間。

私は、あの人の全てを持ち帰った。

優しい風に頬を撫でられながら歩いた街の中。

しっかりと握り締めた小さな手は、その優しさを伝えてくれる。

向かい合って食事をしたテーブルの上。

その瞳の中には、確かに私の顔が映っていた。

むさぼるように愛し合ったホテルのベッド。

時を忘れて絡み合う二人の間には、切ないほどの愛しさが澱みなく流れている・・・。


比翼の鳥と、連理の枝。

いつまでもそんな関係であり続けたいと、私は祈った。

全身に残っている、あの人の感触。

忘れることのない、あの人のぬくもり。

今は遠く離れていても、きっといつか願いは叶うだろう。

私たちの幸せな日々は、果てることなく未来へと続くのだから・・・。

連休中にも関わらず、昨日は仕事。

しかし、気が重かったのはそのせいではない。

6~7日の2日間。

まだ私の予定が定まっていないからだ。


大切な人は、その胸中に一縷の望みを残しながら、わざわざ予定を空けて待っていてくれる。

本来ならもう少し早く決まるはずだったのに・・・。

いったいどんな気持ちで待ち続けているのだろうか。

もしかしたらダメかもしれない。

でも、逢いたい。

そんなあの人の切なる想いが、私の心に深く突き刺さる。

あぁ、こんなことなら初めから休みますって宣言するんだった。

しかし、肝心な仕事はやはり断れないからなぁ・・・。

そんな葛藤を繰り広げながら、ひたすら連絡を待ちわびる私。

ダメだったときの光景が浮かぶ。

きっとあの人は、仕方ないじゃん、お仕事頑張ってねと、メールを寄越すに違いない。

でも、その表情は決して明るくはないだろう。

私は、神に祈った。

考え付く限りの神様に。

どうかあの人の許へ行かせて下さい。

こんなしょうもない私を愛してくれる、あの人。

その人を、絶対に裏切りたくない。

そして、祈りは天に通じた。

仕事は8日からに決まったのだった。


深夜、帰宅する。

早速列車の予約をしなくちゃ。

Uターンラッシュのピークとなる2日間。

うまく予約が取れるだろうか。

ネットにアクセスすると、どうやら受付は朝5時半かららしい。

仕方がない、先に宿を予約するか。

旅のサイトで落ち合う先の情報を見る。

極力お金はかけたくないが、、やはりいい宿に泊まりたい。

もちろんそれは私のためではなく、大切なあの人にゆっくりとくつろいでもらいたいから。

部屋はきれいで広いほうがいい。

色々と内装の画像を見てみる。

二人にとって貴重な時間だから、すてきなあの人にピッタリの部屋を探したい。

すると、こんな時間だというのに、突然メールの着信音が鳴り響く。

大切なあの人からだ。

恐らく何かの拍子に目を覚ましてしまったのだろう。

遠く離れている二人の距離に、少々不安を感じてしまったらしい。

しかし、心配することはない。

今こうしている瞬間も、私はあなたのことだけを考えている。

お金や趣味、自分の都合などはとうに忘れた。

大切なはずの身内や仕事だって、あの人の存在とは比べようもない。

幸せにしてやりたいと言ったのは、決してその場限りの言葉ではなく、正真正銘、私の本心だ。

あなたが何かを望むなら、私は全てを投げ出してでも叶えてやりたい。

あなたが一緒にいたいと言うなら、私はどんな場所だろうと守り抜く自信がある。

大切なあの人だけのスーパーマンになりたい。

これが私の夢であり、目標なのだから。


しばらくして、メールが途絶えた。

どうやら眠ってしまったらしい。

良かった・・・あの人を心の中でしっかりと抱きしめる。

そして、やりかけていた宿の検索。

一番気に入った場所に予約を入れた。

ここで私たちは二つに溶け合うのだ。

様々な呪縛から開放され、この世で一番尊いものだけを感じながら二人だけの時を過ごす。

誰にも邪魔されずに愛し合える、二人だけの空間。

ふと、あの人の幸せそうな顔がぽっかりと脳裏に浮かんだ。


時計を見ると、5時半を僅かに過ぎていた。

はやる気持ちを抑えつつ、列車の予約状況を確認してみる。

まだ、ぎりぎりなんとかなりそうな感じ。

入力を済ませて、申し込みのボタンを押す。

あぁ・・取れた。

これでやっとあの人に逢える。

その瞬間、私たちの距離が、また少しだけ近くなったような気がした。

今日は割りと早く目が覚めたので、例のブログを更新した。

すると、記事を書いてる途中で、大切な人からのメールが届く。

天気が良くて、気分爽快・・・そーかいそーかい(爆)


さ、ぼちぼち支度でもするかな。

と、思ったところに、またメール。

何もかも幸せ・・・良かった。

大切な人がそんな毎日を過ごしてくれさえすれば、私はもっと幸せだからね。
んじゃ、気分も晴れたし、シャワーでも浴びてこよーっと。


でもって、昼。

にょうぼ子供と駅で待ち合わせて、私の実家へ。

今日はお袋にチャリを買ってもらうってことで、娘はゴキゲンさん。

実家に着くまで学校の話を聞く。

会うのは1ヶ月ぶりなんだけど、ちょっぴりオネーサンになってるような気がするなぁ(笑)


実家に到着。

妹の子供たちがドタドタとハデに出迎えてくれた。

7歳の女の子と、5歳の男の子。

うちの6歳を加えれば、カンチャンぴったし一発ツモかいな(爆)

着いて5分も経たないうちに、怪獣3匹は近所の公園へ。

はぁぁ、やっと静かになったわ・・・。


しばらくして、3匹が再び襲来。

このタイミングで娘とお袋を自転車屋へ連れていく。

店に入った途端、娘は水色のチャリへ一目散。

なになに?

エンジェルブルー(ANGEL BLUE)??

どーやら、子供に人気のブランドらしい・・・私は知らんけどね(笑)

特徴あるキャラクターがデザインされたこのチャリは、水色の車体に黄色いスポーク。

そっか、そういえば水色か黄色のチャリが欲しいって言ってたっけ。

しかし娘のストライクゾーンど真ん中のコイツ、お値段は21800円だって!

たっけ~~~!!

と、思ったのも束の間、お袋はアッサリとサイフを開く。

でも、ま、いっか。

どーせカネ出すのは私じゃないんだし(笑)

ちなみにこのチャリ、22インチなので車に乗せられない。

後日届けてね、と、店員さんに頼んで、ここは撤収。


実家へ戻ると、待ってましたとばかりに怪獣たちが暴れまわる。

こんなヤツらを連れて外食もナンだからと、今日は宅配ピザ祭りに決定。

電話で注文をしていた私だが、ふと気がつくと、一番下のチビ怪獣が横でジャブを繰り出している。

ヤ、ヤバイ・・・。

そう思った瞬間、私の横っ面にチビ怪獣のパンチがヒット!

さらにその横で妹が笑っているが、テメー、ナントカしろよ状態の私。

その後は上の2匹も加わって、ガンジーな私に暴行の嵐。

殴られ、蹴られ、髪の毛を掴まれ、服を引っ張られ、ボロボロになるまで攻撃は続く。

くっそー、いつか仕返ししてやるからな(涙)


ピザが到着。

しかし、あっという間に食い尽くされた。

怪獣たちの食欲に呆然。

と、ここで時計を見れば、もう18時だわ。

明日は仕事だからね、そろそろ帰らなきゃ、なんて娘に言っても、聞いてないフリ。

仕方がないからサッサと帰り支度をして、お袋と妹夫婦にご挨拶。

さ、帰るぞ。

そう言うと娘は、パパだけ帰れば?なんて、冷たいお返事。

おまけに他の怪獣たちも、そうだそうだ!の大合唱。

君たちが仲いいのは知ってるけどね、大人には大人の都合もあるんだよ。

とかナンとか呟きながら、嫌がる娘を車に乗せると、残る怪獣2匹もグリグリと後部座席に乗り込んできた。

3匹並んで、仲良く後部座席。

しかも、カサブタのように張り付いて離れない(苦笑)

と、ここで、正義の味方オフクロ仮面の登場だ。

今度おばーちゃんがお迎えに行くから、そしたらみんな一緒に泊まろうね。

カサブタはアッサリと剥がれ落ちた。


さてと、お前らはどこで降りるのかな?

そう聞くとにょうぼは、家に寄りたいと言う。

あっそ。

何か用事があるのね。

でもって、家に到着。

にょうぼは早速バッグの中から一枚の紙切れを取り出し、私の目の前に置いた。

在職証明書。

こいつがないと市からの児童手当がもらえないから、会社で書いてもらいなさい、と。

私が目を通しているうちに、にょうぼは自分宛ての郵便物をテキパキと振り分けて、バッグの中に詰め込んだ。

さ、帰るよ。

この間、わずか3分少々。

ま、いつもこんな感じなんだけどね(苦笑)


娘を玄関先まで見送りながら、私はバイバイのちゅっ☆をせがむ。

間髪入れずに娘は、ヤ!と一言。

そっか、ちゅっ☆はもうしてくれないのか・・・。

じゃ、いいもーん、パパは他の人としちゃうからね~。

気がつくと、玄関ににょうぼの姿はもうない。

慌てて靴をはく娘に向かって、じゃーね、と、見送る私。

しかし娘は振り返ることなく、背中越しにバイバイ!と言い残し、ドアの向こうへ消えていった。

むぅぅ、いったい誰に似たんだろ。

挨拶するときは相手の顔を見てって、教えたはずなのになぁ(苦笑)