連休中にも関わらず、昨日は仕事。

しかし、気が重かったのはそのせいではない。

6~7日の2日間。

まだ私の予定が定まっていないからだ。


大切な人は、その胸中に一縷の望みを残しながら、わざわざ予定を空けて待っていてくれる。

本来ならもう少し早く決まるはずだったのに・・・。

いったいどんな気持ちで待ち続けているのだろうか。

もしかしたらダメかもしれない。

でも、逢いたい。

そんなあの人の切なる想いが、私の心に深く突き刺さる。

あぁ、こんなことなら初めから休みますって宣言するんだった。

しかし、肝心な仕事はやはり断れないからなぁ・・・。

そんな葛藤を繰り広げながら、ひたすら連絡を待ちわびる私。

ダメだったときの光景が浮かぶ。

きっとあの人は、仕方ないじゃん、お仕事頑張ってねと、メールを寄越すに違いない。

でも、その表情は決して明るくはないだろう。

私は、神に祈った。

考え付く限りの神様に。

どうかあの人の許へ行かせて下さい。

こんなしょうもない私を愛してくれる、あの人。

その人を、絶対に裏切りたくない。

そして、祈りは天に通じた。

仕事は8日からに決まったのだった。


深夜、帰宅する。

早速列車の予約をしなくちゃ。

Uターンラッシュのピークとなる2日間。

うまく予約が取れるだろうか。

ネットにアクセスすると、どうやら受付は朝5時半かららしい。

仕方がない、先に宿を予約するか。

旅のサイトで落ち合う先の情報を見る。

極力お金はかけたくないが、、やはりいい宿に泊まりたい。

もちろんそれは私のためではなく、大切なあの人にゆっくりとくつろいでもらいたいから。

部屋はきれいで広いほうがいい。

色々と内装の画像を見てみる。

二人にとって貴重な時間だから、すてきなあの人にピッタリの部屋を探したい。

すると、こんな時間だというのに、突然メールの着信音が鳴り響く。

大切なあの人からだ。

恐らく何かの拍子に目を覚ましてしまったのだろう。

遠く離れている二人の距離に、少々不安を感じてしまったらしい。

しかし、心配することはない。

今こうしている瞬間も、私はあなたのことだけを考えている。

お金や趣味、自分の都合などはとうに忘れた。

大切なはずの身内や仕事だって、あの人の存在とは比べようもない。

幸せにしてやりたいと言ったのは、決してその場限りの言葉ではなく、正真正銘、私の本心だ。

あなたが何かを望むなら、私は全てを投げ出してでも叶えてやりたい。

あなたが一緒にいたいと言うなら、私はどんな場所だろうと守り抜く自信がある。

大切なあの人だけのスーパーマンになりたい。

これが私の夢であり、目標なのだから。


しばらくして、メールが途絶えた。

どうやら眠ってしまったらしい。

良かった・・・あの人を心の中でしっかりと抱きしめる。

そして、やりかけていた宿の検索。

一番気に入った場所に予約を入れた。

ここで私たちは二つに溶け合うのだ。

様々な呪縛から開放され、この世で一番尊いものだけを感じながら二人だけの時を過ごす。

誰にも邪魔されずに愛し合える、二人だけの空間。

ふと、あの人の幸せそうな顔がぽっかりと脳裏に浮かんだ。


時計を見ると、5時半を僅かに過ぎていた。

はやる気持ちを抑えつつ、列車の予約状況を確認してみる。

まだ、ぎりぎりなんとかなりそうな感じ。

入力を済ませて、申し込みのボタンを押す。

あぁ・・取れた。

これでやっとあの人に逢える。

その瞬間、私たちの距離が、また少しだけ近くなったような気がした。