コスキー版トスカ | Mevrouwのブログ。。。ときどき晴れ

2022年4月18日

DNOでは、今年からバリー・コスキーが3年間一作ずつプッチーニ作品の演出を担当する。

その第一弾がトスカだ。

トスカは特に好きではないがコスキーなので見ないとね。

前評判も高かったので楽しみに行ってみた。

たしかに面白かった!

 

Muzikale leiding  Lorenzo Viotti

Regie  Barrie Kosky

Decor  Rufus Didwiszus

Kostuums  Klaus Bruns

Licht  Franck Evin

 

Floria Tosca  Malin Byström

Mario Cavaradossi  Joshua Guerrero

Il barone Scarpia  Gevorg Hakobyan

Cesare Angelotti  Martijn Sanders

Il Sagrestano  Federico De Michelis

Spoletta  Lucas van Lierop**

Sciarrone Maksym Nazarenko*

Un Carceriere  Alexander de Jong

 

• De Nationale Opera Studio

 

** Alumni De Nationale Opera Studio

 

Orkest  Nederlands Philharmonisch Orkest

 

Répétiteur Adam Rogala *

 

Koor

Koor van De Nationale Opera

Koordirigent  Klaas-Jan de Groot

 

Nieuw Amsterdams Kinderkoor (onderdeel van Nieuw Vocaal Amsterdam)

Instudering kinderkoor  Anaïs de la Morandais

 

1幕目はがらんどうで床だけで教会だとわかるというデコール

花が生けてありそれが祭壇なのだと想定させる。

 

この舞台ではなんといってもTe Deumが衝撃的だ。

最後の審判の祭壇画に顔出ししたコーラスが歌うのだが、

その祭壇画がだんだん前面に出てきて、同時に黒子のコーラスが両脇に立って歌い、

ボリュームマックスでスカルピアに悪魔の啓示をする。

スカルピアは悪夢に取り憑かれたように悶え苦しみ、トスカへの執着を深める。

不気味な変態だ。

 

映像クリップは下記Youtube。

 

 

 

 

 

2幕目スカルピアの部屋は成金のモダンなキッチンで、

彼はサーモンのパッケージを巨大な冷蔵庫から取り出して刺身包丁で切って箸で食べる。

子分がカラバドッシを拷問するが、指を切ってハンカチに包んで持ってくる。

その包みから指を取り出し指輪を抜き取って水道水で洗って自分の指にはめるというサドぶり。

ヤクザの親分そのもの。

シンクの水道で子分も次々に血まみれの手を洗う念の入れよう。

そのキッチンの包丁でトスカはスカルピアを刺し殺す。

女にこんなところで殺されようとは!とうめくスカルピア。ほんとにね〜

 

最後のシーンは階段がついた1枚のパネルを裏表使っている。

階段登って飛び降りたトスカの死体が最後にパネルがひっくり返るとおしだされてくるという。

このトスカの遺体も小道具さんが丹精込めて作った人形。

 

演奏はヴィオッティ指揮がすこぶるカッコいい。

ダイナミックかつ丁寧。コーラスがまた素晴らしい。

スカルピア役さんは初日からしばらく経ったので自信もついたらしく、

気持ち悪さがどっと出てかつ歌にも凄みがあってよかった。

トスカ役がちょっと不安定だったがお疲れだったかもしれない。

 

コーラス指揮者がゲネプロのカーテンコールで滑って転んで手首骨折と聞いたので気の毒なことだ。

今日もヴィオッティが滑って転びそうだった。危ない血まみれの床。

 

 

 

最安席で見たけどちゃんと箱入り舞台になっていたキッチンの様子もしっかり見えた。

例の祭壇画シーンも迫力100%。

箱に入っている演出は席によっては全然見えないとかあるのだが、

さすがコスキー、というか、このデコールさん、素晴らしい。

どこの席からもちゃんと見える貴重な舞台だ。

 

予告編みて私の席からは見えないかも知れない、と思って別の日にチケットを買い足したが、

ああ、これならもう行かなくても良いなと思って別の日のチケットを売りにだしたら速攻売れた。

私が買い足した直後にすべての公演が売り切れたからだ。

DNOでSoldoutって久々じゃないかしら。

その買ってくれたひとから「素晴らしかった、チャンスをくれてありがとー!」とメールが来て私も嬉しかった。

Win Win