HEAVEN | ”Stratoblue”  航空写真家 野口克也 Blog

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空から蒼を切り取る航空写真家 野口克也のオフィシャルブログ

2月8日
日本を離れて何日も歩いてここまできたのだから、予定の無い旅をしているのだから、
この環境に少しでも長くいたいから、もう一晩ここに泊まることにする。
キャスリーン達は今日降りていった。
インターナショナルトレッキングパーティーは(長い・・)MBCに泊まったようだ。
朝早く一団が下から上がって来たので再会を喜ぶ。
そのうちの一人は雪の裏山に上り始めた。
夏場ならともかく、標高差300m位あるそこを登る奴がいようとは・・
登っている間、みんなで大岩の横でねっころがって過ごす。
日本では絶対味わえない時間。
一人裏山を登って行ったのはヨーロッパ代表ロイヤルダッチのオランダ人である。
帽子、ジャケット、パンツ、手袋まで黄色でキメている。
いないのをいいことにみんなでダッチバナナとか言っていたけれど・・・。
奴は上まで登って旗広げている。
よく見えんがオランダの旗なんだろうねえ・・
インターナショナルトレッキングパーティー(あー長い)の奴らとねっころがりながらだべっていた。

薄い大気を通して降り注ぐ暖かい日差し、谷を吹き上がってくる風、
たまに氷河の崩れる音、生物らしいものは自分たち人間と、わずかの鳥だけ。
ここでこうするためにネパールまで来たんだ、
ポカラから何日もかけて歩いてきたんだ。
至福で贅沢な時間を何もしないと言う贅沢な方法ですごす。
ロッジから流れてくるネパールの音楽はちょっと耳障りだった。今日だけは音が無い・・・
いや、かすかに氷河の崩れる音と風の音だけがする下とは別世界のこの場所で過ごしたかった。






         ・・・Heaven・・・


どうしようもなくなっていた
頭の中で渦巻いている不活性ガスが
抜けなくなっていた

6日間、山を、谷を越えた
頭の中は二酸化炭素が渦巻いていた

HEAVEN...

白い山を見て、蒼い空を見て
風の音、氷河の崩れる音...
今まで聞こえない音のみが支配する
生物の感じない世界

白と蒼と黒のみの世界

ここまで来た







頭の中は59%の希薄な大気が支配していた
インターナショナルトレッキングパーティーの奴らは昼過ぎに下山していった。

ロッジの中はダイニングルームを除いては暖房が無い。
当然いろいろ着込んでいるのだけれども、夜寝るときはさすがに寒い。
外気温はー5度くらいかな?もうちょっと寒いことを予想していたので、
まあ耐えられない寒さではないのだけれど、やっぱり寝るときには寒い。
寒いこともあるのだけれど、寝ている間に呼吸数が落ちるせいなのだろうか、
夜中に苦しくて目を覚ますことが多い。
飛び起きて深呼吸することが何度もあった。
寝れても、なんだか苦しくていやな夢を見る。

やっぱり4000m超えの場所なんだね・・・



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